- トップ
- 返品処理の重要性とは?顧客離れを防ぐポイントや便利なサービスまで徹底解説!
返品処理の重要性とは?顧客離れを防ぐポイントや便利なサービスまで徹底解説!
![返品処理とは?](https://mag.recustomer.me/hs-fs/hubfs/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9B%E3%82%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%99%20%E2%80%93%2038.png?width=790&name=%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9B%E3%82%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%99%20%E2%80%93%2038.png)
運営側にとってはできる限り発生させたくない返品処理ですが、ECサイトの利用が当たり前になった昨今では、ユーザーが返品を行うこと自体珍しいことではありません。
その際に返品処理を適切に行うことで、顧客離れを防ぐだけではなく、新たなビジネスチャンスに繋げることも可能です。
しかし、「そもそも返品が発生する理由って何?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、EC業界での返品の規模感や返品が発生する理由、返品処理に便利サービスを紹介していきます。
「EC業界の返品規模ってどれくらいなの?」
「ECサイトで返品が発生する理由とは?」
「顧客満足度を下げない返品対応とは?」
「返品処理を行う際に便利なサービスって何があるの?」
などとお考えのECサイト担当者の方に必見の記事です!
目次 1. 返品処理とは? 2. 海外と国内の返品率 2-1. 海外の返品率 2-2. 国内の返品率 3. 返品が発生する理由 3-1. 自社都合の返品(不良品・破損品) 4. 返品の流れ 5-1. わかりやすい返品フローの構築 6. 返品処理に便利なサービス 6-1. 返品・交換自動化ツール 6-1-1. Recustomer 6-2. 返品処理代行サービス 6-2-1. Revalue 7. まとめ |
返品処理とは?
返品処理とは、商品を購入した顧客返品を希望した際に、販売側が行う一連の業務フローのことです。
具体的には、返品のリクエストを受注し、返品商品の受け取り、検品・返金や交換、商品発送などの対応を行う一連の流れを指します。
海外と国内の返品率
海外の返品率
引用元:https://netshop.impress.co.jp/node/7197
EC業界は年々拡大している市場ではありますが、利用者数が増えれば増えるほど返品数は増加します。
上記グラフは、全米小売業協会が予想しているホリデーシーズンの売上高です。
全米小売業協会は売上高が増加するとともに、購入品の返品率も増加すると指摘しています。
また、結果的に2020年の返品率は30%前後と見積もっており、利用者数の増加から発送プロセスに問題が生じた結果ではないかと試算しているようです。
海外では、購入した商品を簡単に返品できる点をメリットとして売り出すことで購入率を上げていることも多く、そういった点が返品率を増加させる要因となっているようです。
海外の返品事情については、以下の記事にて詳しく記載していますので気になる方はご参照ください。
▶︎海外の返品事情とは?中国やアメリカの返品率・法律を徹底深掘り!
国内の返品率
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000007894.html
エルテックス 第17回通信販売調査レポート 「通信販売事業関与者の実態調査2021」によると、日本の返品率のボリュームゾーンは5-10%と言われています。しかしながら、返品ポリシーが寛容な海外ブランドの国内参入により、国内でも返品率の変化が見られます。
実際に、ファッションアイテムのオンラインストア「LOCOND(ロコンド)」は「自宅で試着、気軽に返品」をモットーに急成長しています。他社も追随するように、返品ポリシーを変更しており、このことによって国内でも返品率が欧米並みに上昇する可能性が高いと予想されています。
日本の返品事情について気になる方は、以下の記事に詳しくまとめているのでご参照ください。
返品が発生する理由
そんな返品ですが、どのような理由で発生することが多いのでしょうか?
ECサイトで返品が発生する理由は大きく分けて以下の3つです。
1. 自社都合の返品(不良品・破損品)
2. 販売者側の手違い・ミスによる返品
3. お客様都合の返品
自社都合の返品(不良品・破損品)
購入した商品が破損している場合、返品処理が発生します。
発送した商品に破損が見られる場合は、お客様側に不備があるのではなく運営側に問題があるため、迅速かつ丁寧な対応が求められます。
購入した商品の価格が高いほど、届いた商品が破損している場合は顧客満足度が低下してしまいます。
万が一、発送した段階では商品が破損しておらず、配達会社が商品を破損させたとしても、顧客としてはECサイト運営側の不備だと感じることが多いです。
そのため、商品破損理由を追求する前に返品処理を行うことが重要です。
また、短期間の間に何度も商品破損を理由とした返品が続く場合は、提携している配送会社や製造元に確認をとりましょう。商品破損を原因とした返品処理は、返品対応の中でも最悪のケースにあたるため、何度も続く場合は顧客満足度が著しく低下してしまいます。
全体的に顧客からの信頼が低下した場合は、ECサイトの売上が一気に低下する危険性もあるため、何度も発生する場合は迅速な原因の追求が必要です。
販売者側の手違い・ミスによる返品
到着した商品に破損が見られない場合でも、違う商品が届いた場合などは、返品処理が発生します。
例えば、「購入したカラー・サイズではない商品が届いた」や「届いた商品が購入した商品と全く違う」などが挙げられます。
商品が破損している場合と同じく、発送対応を行なったECサイト運営側に非があるため、速やかに返品処理を行う必要があるでしょう。また、全く違う商品をユーザーに届けてしまっている場合、商品発送フローの中に不具合が生じている可能性が高いです。
商品発送までを専用システムを活用して対応しているのであれば、登録商品が異なる可能性も考えられるため、返品処理と並行してシステムの見直しも行いましょう。
お客様都合の返品
返品が発生する理由の一つとして、お客様都合の返品も挙げられます。
例えば、「購入した商品のサイズを間違えた」や「商品が届いたけど、思っていたイメージと違う」などが考えられます。お客様都合によって返品を受ける場合は、送料などを購入者負担にする場合が多いです。
ECサイトにはクーリングオフが存在していないため、本来であれば運営者側に問題がなければ、消費者からの返品を受け入れる必要はありません。しかし、実際に商品を見て購入できないECサイトの購入ハードルを下げるために、お客様都合の返品をOKにして購入率を上げているECサイトも少なくありません。
このようなEC事業者は、お客様都合の返品を受け入れる施策を行うことで購入前の不安をなくして購入率をアップさせたり、顧客体験を向上させることで既存顧客の維持・増加を実現し、売上成長につなげています。
返品理由とその対応方法については、以下の記事にて詳しく記載していますので、気になる方はご参照ください!
▶︎よくある返品理由とは?その際の対応方法や注意点など徹底解説!
返品処理の流れ
消費者、EC事業者、倉庫事業者を含めた全体の返品の流れは上記の画像のようなフローになります。
ここでは、EC事業者が必要になる作業を詳しくご説明いたします。
1. 返品リクエストを受け付ける
基本的にはお問い合わせフォームや、メールなどで返品のリクエストを受けます。
2. 顧客情報、注文情報、返品理由などを確認
注文している人と返品リクエストをしている人が一致しているかの確認や、注文履歴の確認を行います。
また、返品理由が不良品の場合は、実際に不良品であるかを確認するために写真を送ってもらう場合もあります。
3. 返品リクエストの承認・拒否の判断(在庫の確認)
返品ポリシーを参考に、購入者からの返品リクエストを許諾もしくは拒否の判断をします。
返品期限が過ぎていたり返品対象外の理由だった場合などは返品拒否の連絡、返品を受け付ける場合は今後のフロー(主に返送方法のご案内)についての連絡を行います。
また、購入者が返金ではなく商品交換を希望する場合は、対象商品の在庫確認も必要になります。
4. 返送商品の受取・検品・在庫補充
返品商品を受け取り、検品を行います。倉庫で検品を行う場合は、倉庫事業者に返品商品が届くことを連絡しておく必要があります。検品後、良品だった場合は管理画面場にて在庫補充の対応が必要になります。
5. 返金処理・交換品発送
検品が完了したら、返金対応または交換商品を発送します。
倉庫から交換商品を発送する場合は、伝票を新たに作成する必要があります。
6. 会計処理(仕訳作業)
返品されるということはこの売上が帳消しとなりますので、その売上が相殺されるような「会計処理」を行う必要があります。このような作業を仕訳作業と呼びます。
仕訳作業については、以下の記事にて細かい手順を詳しく説明しているので是非参考にしてみてください。
顧客満足度が上がる返品処理の5ポイント
返品処理をする際は、以下5つのポイントが重要です。
1. わかりやすい返品フローの構築
2. 迅速な対応
3. 丁寧なコミュニケーション
4. 返品ポリシーの緩和
5. 返品データを収集・分析する
わかりやすい返品フローの構築
まず、分かりやすい返品フローを構築しておく必要があります。
運営側の不備ではない返品処理でも、ユーザーは商品や対応に対して不満を持っているため、返品希望を申し出ています。その際に、返品方法がわかりづらいと、より購入者のストレスが溜まってしまいます。
このようにフラストレーションが溜まれば、もう一度購入してもらえる確率は低くなるでしょう。
一方で、わかりやすい返品フローにすることで、ブランドのファンにすることができる可能性があります。
実際に、ZOZOTOWNはスムーズな返品オペレーションを構築することで、再購入率の増加につなげています。
迅速な対応
返品処理を行う際は、できるだけ迅速な対応を心がけましょう。万が一、返品処理が遅れてしまっている場合、顧客満足度の著しい低下が懸念されるでしょう。
対応が早ければ顧客満足度の低下は未然に防ぐことが可能ですが、対応に時間がかかればかかるほど、次回から自社ブランドを利用してくれない可能性が高まります。
近年はスマートフォンから様々なECサイトにアクセスできるため、返品処理のスピードが遅ければ、すぐに違うECサイトを利用してしまうでしょう。
迅速な対応を行うためには、社内のオペレーションを整える必要があります。
返品業務の見直しや、オペレーションが定まっていない場合はマニュアルを作成するのもいいでしょう。
以下の記事では、返品業務を効率化する方法を詳しく解説しているので気になる方は参考にしてみてください!
丁寧なコミュニケーション
返品処理を行う際は、迅速な対応だけではなく丁寧なコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
返品を希望するユーザーは「返品できるかな?」「返金されるかな?」「返送商品は届いたかな?」と常に不安な状態にあります。
ですので、返品対応中はユーザーと密にコミュニケーションを取ることで、顧客満足度を維持しながら返品対応が可能です。例えば、返品完了予定日時や、返送商品のステータス確認、交換商品の発送などの連絡を随時行うことが大切です。今後の予定と対応に要する時間を大まかに伝えておくことで、ユーザーに一定の安心感を与えることができます。
また、不良品を送ってしまった購入者に対してはお詫びのクーポンを発行するなどの対応を行うブランドも多いです。丁寧なコミュニケーション及び真摯な対応は、リピーターとして長期的に利用してもらえるようになるでしょう。
返品ポリシーの緩和
返品ポリシーを寛容にすることも、顧客満足度を上げることにつながります。
お客様都合の返品を受け付けていない場合に、サイズが合わないなどの悪い顧客体験が発生した際、もう二度とそのECサイトで商品を購入することはないでしょう。
実際に、UPSの調査によると消費者の68%が購入する前に返品ポリシーを確認し、67%が明確で分かりやすい返品ポリシーが購入時の満足度にプラスの影響があると回答しています。
(出典:「UPS Pulse of the Online Shopper Volume 5 Retail Fundamentals」)
返品ポリシーを緩和する施策を行うためには「返品対応業務をどう効率化してコストを削減するか?」が課題となります。
返送送料や返品オペレーションの最適化などを工夫することで、返品で売上を向上させることができます。
このような売上に直結する返品ポリシーの作り方や返品の業務効率化に関しては、以下の記事にてご紹介しています!是非ご参照ください。
▶︎売上に直結する返品ポリシーの書き方とは?重要性や成功事例まで徹底解説!
返品データを収集・分析する
返金・交換をただの返品として取り扱ってはいけません。
お客様は何の商品を返品し、なぜ返品したのか、何回返品しているのかなどを把握する必要があります。
返品データを利用することで、生産計画を立てたり、ECサイトのUIUX改善に繋がるからです。
例えば、ある商品においてイメージ違いの返品理由が多い場合はECサイトの画像の変更や、商品改善に繋げることができます。また、サイズ違いの返品が多い場合は、モデルさんの着用画像を表示・身長を記載するなどの施策を行うことができます。多くのデータを集め、分析、活用することがおすすめです。
返品処理に便利なサービス
上記で説明した、迅速な対応・お客様へのまめな連絡・データ収集/分析などは手作業で行おうとするととても大変です。これを実現するには①ツールを利用する、②アウトソーシングサービスを利用する、どちらかを選ぶ必要があります。
ここからは、それぞれのオススメのツールやサービスをご紹介いたします。
返品・交換自動化ツール
まずは、返品処理に便利なツールを3つご紹介いたします。
1. Recustomer
2. Returnly
3. Narver
Recustomer(リカスタマー)
「Recustomer」とはRecustomer株式会社が開発・運営している、返品・交換・注文キャンセル自動化ツールです。返金・交換・キャンセル業務を自動化することで、時間とコストの削減、顧客体験を向上を実現します。返品・交換や注文キャンセル依頼受付から、メール返信、在庫引き当て、キャンセル時の発送停止、メール対応などの業務を自動化します。
<Recustomerで主に出来ること>
・返品、交換業務の自動化
・注文キャンセルの自動化
・リクエスト管理機能
・メールレスを実現する返品・キャンセル受付センター
・WMS・CSツール連携
・自動集荷機能
・倉庫連携機能
会社名 |
Recustomer株式会社 |
サービスURL |
|
料金 |
ご利用料金は、ご利用になる機能、返品数、連携カートなどによって変動いたします。(14日間無料トライアル付き) |
Returnly(リターンリー)
Returnlyは米国のサンフランシスコを拠点に置くスタートアップです。返品の自動化・ストア内で利用できるReturnlyクレジット機能・返品商品の追跡機能が利用できる海外サービスです。他サービス同様に返品自動化サービスは展開していますが、それよりも画期的なシステムは返金を現金ではなくストア内で利用できるポイントを付与できる仕組みです。返金→商品の再購入というプロセスに変える点では革新的な企業です。
<Returnlyで主に出来ること>
・返品・交換業務の自動化
・リクエスト管理機能
・メールレスを実現する返品受付センター
・ストアクレジット機能(返金の代わりにクーポンを発行する機能)
・返送商品の追跡機能
・AI活用による環境に優しい返品対応(AIが返品商品をアウトレットに回せないと判断した場合は自社の利益を損失せず返金処理を行うことが可能)
会社名 |
Eduardo Vilar |
サービスURL |
|
料金 |
・Shopifyプラン:$29/month〜 ・プレミアムプラン:ASK |
Narver(ナーバー)
Narvarも同じく米国を拠点に置くスタートアップです。
Returnlyと同じくオンライン購入後の顧客サポートと配送トラッキングサービスを提供していますが、中でも特徴的なのはロジスティクスの深い専門性を用いて小売業者と連携した”一貫した顧客体験”を提供している点です。
特徴的な機能は、AIの機械学習を用いた精度の高い追跡情報、世界的に管理された物流ネットワークを用いた柔軟な物流体制、オンラインとオフラインをつなぐ020施策支援などが挙げられます。
<Narverで主に出来ること>
・返品・交換業務の自動化
・リクエスト管理機能
・メールレスを実現する返品受付センター
・返送商品の追跡機能
・AIを用いたレコメンド機能
・通知機能
会社名 |
Narver株式会社 |
サービスURL |
|
料金 |
・お問い合わせ 詳しくはこちらをご覧ください。 |
返品処理代行サービス
つづいて、返品処理を代行してくれる企業やサービスをご紹介いたします。
Revalue
Revalueは検品代行・返品受付センター代行を行なっている国内企業です。業務を代行してくれるだけでなく、返品商品を買い取ってもらえるので、キャッシュ化ができるのが大きなメリットになります。
<Revalueが主に出来ること>
・過剰な作業を徹底的に見直し、低コストな業務代行をご提案
・返品受付センターのまるごと移管にも対応
・倉庫に滞留する商品は当社が一括買取によりキャッシュ化
・豊富な経験、知識を持つ技術者が検品を担当
会社名 |
株式会社SynaBiz |
サービスURL |
|
料金 |
・お問い合わせ 詳しくはこちらをご覧ください。 |
まとめ
いかがだったでしょうか?
現代では返品を受け入れる流れになってきており、「購入後に返品が可能なECサイトの方が安心して購入ができる」という流れが加速することが予想されます。
返品をマイナスではなく、売り上げ向上の施策としてとらえ「返品を次の購買行動に繋げる」動きが大切になっていくといえるでしょう。また、同時に増え続ける返品に対し「返品対応業務をどう効率化してコストを削減するか?」が問題となります。
そのため、本記事で紹介した返品処理のポイントや返品処理に便利なサービスを利用して、顧客顧客満足度の高いECサイト運営を目指してみてはいかがでしょうか。