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【2023最新】カスタマーサクセスとは?効果やKPI、成功事例まで徹底解説!
カスタマーサクセスとは直訳すると「顧客の成功」であり、顧客が成功体験を得ることを目的とした考え方です。
カスタマーサクセスにおける「顧客の成功」の定義とは、顧客がその商品やサービスを利用することで満足のいく成果を得られた状態を指します。
このお客様の目標を達成するために、カスタマーサクセスはお客様に対して能動的なアクションを行う必要があり、顧客が持つ潜在的な不満を解消することでアップセル・クロスセルにつなげ、顧客のLTVを最大化することが主な目的となります。
つまり、お客様からの働きかけがなくても、カスタマーサクセスの担当者はお客様の利用履歴などを読み解いて先回りをしたアクションを起こす必要があるのです。
そこで本記事では、カスタマーサクセスについて背景から効果・成功事例まで詳しく徹底解説しています。
「カスタマーサクセスって何?」
「カスタマーサポートの違いがわからない。」
「カスタマーサクセスのおすすめツールを知りたい」
などとお考えの方には必見の記事です!!
目次 1. カスタマーサクセスとは? 4-1. チャーンレート(解約率)の引き下げ、既存顧客の維持 5-1. オンボーディング完了率 6-1. セールスフォース・ドットコム 6-2. SmartHR 7-1. チャネルトーク 7-2. Recustomer 7-3. Onboarding 7-4. HiCustomer 8. まとめ |
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、自社の製品・サービスを使うことで顧客が期待する成功へと導き、製品・サービスの継続利用を促すビジネス方法です。
顧客が製品・サービスを利用し始めると同時に能動的に働きかけます。そのため、顧客が不満を抱いたり、問題が発生する前に対応し、スムーズに成功にたどり着けるように支援を行います。
カスタマーサクセス戦略が有効に働くと、顧客ロイヤリティが上がり、顧客離れを防ぐことできたり、売上を伸ばしたりできます。そのため、追加購入の機会を増やすことになり、自社の利益を増やすことにつながります。
カスタマーサクセスが注目されている背景
次に、カスタマーサクセスが今注目されている背景について解説していきます。
注目される要因となっているのは以下の3点です。
・SaaSの発展
・市場の成熟化・商品、サービスの差別化困難
・サブスクリプション型ビジネスの浸透
なぜ今、カスタマーサクセスが注目されているのでしょうか。その理由は、ビジネスモデルが変化したことが大きな要因といえるでしょう。
カスタマーサクセスは、元々アメリカで発祥したビジネス概念です。しかし近年、日本ではSaaS企業の発展によって、必要な機関だけ利用料を払って使用する「サブスクリプション型」のビジネスモデルが注目されているため、カスタマーサクセス戦略が注目されています。
サブスクリプション型のビジネスモデルでは、顧客に低リスクで安価に製品・サービスを提供することができます。満足いかなければ気軽に解約できるため、サービスを提供する企業は継続して使い続けてもらえるように満足できるサービスを提供し続けなければいけません。
また、最近では似たような商品やサービスが増えており、差別化が困難になっています。企業は自社の強みや自社の特徴についてアピールし差別化を測らなければいけません。
顧客に製品・サービスに対する価値を感じてもらうためにも顧客の成功を支援するカスタマーサクセスは重要といえるでしょう。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスは、カスタマーサポートと良く混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。
カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対応する業務やそれを行う組織のことを指します。お客様相談窓口やサポートセンターなどがそれにあたります。お問い合わせ内容から顧客の不満や課題などを見つけ、解決していく役割となります。
顧客の成功が目標であるカスタマーサクセスとは異なり、顧客の満足が目的であり受動的な役割です。基本的に利益を生むことがなく、できるだけコストを抑えた対応が求められます。
カスタマーサクセスは、顧客が不満を抱いたり、問題が発生する前に対応する能動的な働きを行いますが、カスタマーサービスは発生した不満や問題に対して受動的な働きを行うという点が大きな違いになります。
カスタマーサクセスによる効果
カスタマーサクセスで得られる効果はさまざまあり、その結果企業は顧客と良好な関係を気づくことができるため、利益を得ることができます。
カスタマーサクセスで得られる効果は、主に以下の通りです。
・チャーンレート(解約率)の引き下げ、既存顧客の維持
・ニーズの吸い上げ、サービスの改善
・LTV向上
上記について、詳しく解説していきます。
チャーンレート(解約率)の引き下げ、既存顧客の維持
カスタマーサクセス戦略を行うことで、チャーンレート(解約率)の引き下げや既存顧客を維持することができます。
カスタマーサクセス戦略は、うまくいくと顧客ロイヤリティがあがります。顧客ロイヤリティが上がると、サービスの解約率を下げることができるため、企業は安定した収益を得ることができます。
また、「製品・サービスを使うことで顧客が期待する成功へと導くこと」が目的なので、顧客満足度の向上にも繋がります。顧客満足度の向上は、顧客離れを防ぎ、企業の売上アップに繋がります。
ニーズの吸い上げ、サービスの改善
カスタマーサクセスとは、顧客が不満を抱いたり、問題が発生する前にその芽を摘み、顧客がスムーズに成功にたどり着けるように支援するビジネス方法です。そのため、企業は顧客のニーズに寄り添う機会が増え、その結果を反映させたサービスを提供できるようになります。また、問題や課題が発生した場合には素早く改善し、サービスに反映させることができます。
顧客のニーズに寄り添ったサービスを提供することができれば、より長く多くの方にサービスを利用してもらうことができます。
LTV向上
LTVとは、1人の顧客が最初に製品・サービスの利用を初めてから一定期間までに購入した全ての金額を合計した金額のことを指します。1人の顧客から多くの収益を得ることができれば、企業の売上増加にもつながります。
ECサイトにおいて、既存顧客の存在は非常に重要です。
というのは新規ユーザーの獲得には既存ユーザーの5倍のコストがかかると言われていて、購入数の7割がリピーターと言われているからです。
新規顧客の獲得に比べ、既存顧客の維持はコストを抑えることができます。そのため、売上を伸ばすためには新規の顧客獲得も大切ですが、LTVを向上させ既存顧客から得られる利益をアップさせることが重要です。
カスタマーサクセスにおける8つのKPI
KPI(重要業績評価指数)とは、組織が目標を達成するための重要な業績評価の指数のことです。目標値からギャップが生まれてしまっている場合には、活動の修正が必要になります。
カスタマーサクセスにおける8つのKPIは以下の通りです。詳しくご紹介いたします。
・オンボーディング完了率
・アップセル/クロスセル率
・チャーンレート
・リテンションレート
・LTV
・NPS
・CSAT
・売上継続率
オンボーディング完了率
オンボーディングとは、顧客にサービスを理解してもらい、定着してもらうまでの期間のことを指します。そのため、オンボーディング完了率とは、サービスの基本的な初期設定やチュートリアルなどが完了している顧客の割合を表します。
オンボーディングが完了していない状態は、サービスが利用されていない状態なため、解約リスクが非常に高くなります。契約してもらえても、利用されずに解約されてしまっては、顧客にも企業にとってもよい状態とはいえません。オンボーディング完了率が重視されるのはそのためです。
アップセル/クロスセル率
提供しているサービスに複数のプランがある場合には、アップセル/クロスセル率も重視しましょう。アップセルとは、顧客が購入を検討している製品・サービスより単価の高いサービスを利用してもらうことを指します。たとえば、悩んでいるパソコンの最新モデルや上位モデルへの誘導、無料トライアルから月額会員への誘導などがそれにあたります。
それに対し、クロスセルとは購入を検討している製品・サービスに関連するものを一緒にすすめるセット販売を促し、顧客ひとりあたりの単価を引き上げる方法です。それぞれ別々に営業するよりも、効果的でコストを抑えて営業することができます。
しかし、むやみにアップセル/クロスセルを提案してはいけません。顧客にとって、製品・サービスを使うことで期待する成功を感じることができなければ解約リスクを上げてしまうことになります。
アップセルは「製品・サービスの利用頻度の高い顧客に対して提案を行う」、クロスセルは
「他の製品・サービスと関連性の高いものを活用している顧客に対してクロスセル提案を行う」など、顧客に適した提案をすることでアップセル/クロスセル率を向上させることができます。
チャーンレート
サブスクリプションモデルで重視されるチャーンレートは、「解約率」「退会率」を指します。
入会する顧客が多くても、解約、退会が多くては意味がありません。そのため、チャーンレートはいかに低く抑えるかが重要となります。
チャーンレートには、「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート」の2種類があり、それぞれ使い分けが必要となります。
「カスタマーチャーンレート」は、顧客数をベースとした解約率を指します。
解約はもちろんですが、有料会員から無料会員へのグレードダウンも解約と捉えます。一般的にチャーンレートとは、カスタマーチャーンレートのことを指す場合が多いです。
「レベニューチャーンレート」は、収益を基準とした解約率です。
複数のプランを提供している企業であれば重視する必要があります。1000円のプランと2000円のプランがある場合、2000円のプランが解約された場合には、1000円のプランが2件解約されたとみなされます。件数ではなく、収益を基準としているため、複数のプランがある場合にはレベニューチャーンレートも重視するとよいでしょう。
リテンションレート
リテンションレートは、サービスの継続率や定着率を数値化したものです。一定の期間にサービスを再利用した顧客の割合を示した数値で、リテンションレートを高めることは、LTVを高めることに繋がります。
リテンションレートを測定する目的は、新規ユーザーの将来的なサービス利用期間を測り、新規ユーザー獲得の施策が成功しているか、予算が適切かどうかを判断するためです。リテンションレートは顧客の定着率や継続率を測るだけでなく、既存ユーザーと企業の関係を表す指数でもあるといえます。
LTV
LTVとは、前述しましたが、「Life Time Value(ライフ タイム バリュー)」の略で「顧客生涯価値」と訳されます。一人当たりの平均購入単価や購買頻度のアップ、顧客の維持率を上げるなどの方法でLTVをアップさせることができます。
新規顧客の獲得に比べ、既納顧客の維持の方がコストを抑えることができるため、LTVを上げる施策は企業にとって重要となります。
NPS
NSPとは「Net Promoter Score(ネット プロモーター スコア)」の略称で、「顧客ロイヤリティ」を測る指数のひとつです。
NSPは「この商品やサービスを知人や同僚にどれくらい勧めたいですか」という共通の質問からお客様の顧客ロイヤリティを測定します。将来性をふまえた質問を行うため、製品やサービスが今後売上を伸ばし、収益を上げる可能性を予測する判断基準のひとつとして活用することができます。また、NPSの改善を行えば、不満や問題の減少に繋がり、推奨者が増える可能性があります。
CSAT
CSATとは、製品やサービスに対する顧客満足度のことです。顧客満足度は、「機能的価値」と「感情的価値」の2つで決定します。
機能的価値とは、製品やサービスの機能性に対する評価です。対して、感情的価値は製品やサービスを利用するうえでの感情に対する評価です。CSATは主に自社の製品やサービスにどのくらい満足したか、感情的価値を測る指数として用いられることが多いです。
CSATが高ければ、新規顧客獲得や顧客ロイヤリティの向上、収益の向上・安定に繋がります。
売上継続率
既存顧客の売上が前年と比べて維持できているかを示す指数です。売上継続率が100%を超えていれば、新規顧客を獲得しなくても売上は増加する計算になります。しかし、100%を切るのであれば、新規顧客を獲得していかなければ売上は縮小していきます。
売上を伸ばしていくためにも、売上継続率を把握することが大切です。
カスタマーサクセス成功事例2選
ここからは、カスタマーサクセスの成功事例をご紹介します。
セールスフォース・ドットコム
セールスフォース・ドットコムは、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く、顧客関係管理ソリューションを中心としたクラウドコンピューティング・サービスの提供企業であり、日本で初めてカスタマーサクセスという用語を使い始めたと言われています。
セールスフォース・ドットコムは、お客様がセールスフォース・ドットコムを活用してビジネスを成功させることを支援しています。お客様のゴールやビジネス環境を加味した、製品知識や活用ノウハウ、ベストプラクティスを提供することで、早期の社内定着化や効果創出を後押しします。
ホームページには、さまざまな企業の事例が掲載されており、カスタマーサクセスの目的である「製品・サービスを使うことで顧客が期待する成功へと導くこと」が十分に発揮されています。
SmartHR
国内シェアNo1のクラウド人材労務ソフト「SmartHR」を管理する株式会社SmartHRは、サービスリリースから数年で急激に事業を伸ばしたベンチャー企業です。
「SmartHR」は継続率99.5%を誇る高い指数となっています。
「企業規模と導入フェーズごとにCSチームを5つに細分化」「オンボーディングの流れと現状が一目でわかるように、オリジナルのリストで可視化」「業務効率化のために、外部ツールを積極的に導入」など徹底した仕組み化と効率化を行い、ハイスコアな継続率を示しています。
おすすめカスタマーサクセスツール4選
【CX 向上】CSツール
チャネルトーク
チャネルトークは株式会社ZOYI Corporationが提供しているチャットツールです。
導入実績は70,000社を超え、日本最大級のCSツールとなっています。
主な機能は以下になります
・webチャット
接客チャネルを総合管理し、顧客からの相談を購入につなげます。
・LINE公式アカウント連携
webチャット、LINE公式アカウントからの問い合わせをチャネルトークに集約します。
・顧客管理
・CRM
スプレッドシートより簡単な顧客管理機能があり、ターゲティングメールの配信が可能です。
・自動翻訳機能
従来の受動的なカスタマーサポートを、サイトに訪れたお客さまへのオンライン接客(チャット接客)をし、売上向上に繋げたり、チャットでのコミュニケーションにより顧客とのロイヤリティを高めることが可能です。
会社名 |
株式会社ZOYI Corporation |
サービスURL |
https://channel.io/ja |
料金 |
無料プラン有 月額:3000円〜 有料プランの14日間無料お試し実施中 |
Recustomer
RecustomerとはRecustomer株式会社が開発・運営している、返品・注文キャンセル・配送日確認などのCS業務をサポートする国内サービスです。
注文後の顧客対応を一気通貫で自動化、及び、顧客体験向上による中期的な売上向上が可能です。
主な機能は以下になります。
・交換・返金キャンセル自動化機能
返品・返金・キャンセルの承認を行うロジックを設定することができます。返品理由や商品状態によって、返品・返金・キャンセルの可否判断を自動で行うことができます。
・リクエスト管理機能
リクエスト情報を注文情報や、顧客情報、過去の返品・キャンセル情報などと紐づけて管理することができます。
・メールレスを実現する返品・キャンセルセンター
返品・キャンセルセンターを構築することで、返品リクエスト受付〜返送指示をWebシステムが自動で対応します。
・倉庫連携機能
・自動集荷機能
・WMS・CSツール連携
会社名 |
Recustomer株式会社 |
サービスURL |
|
料金 |
ご利用料金は、ご利用になる機能、返品数、連携カートなどによって変動いたします。(14日間無料トライアル付き) |
【運用定着】CSツール
Onboarding
Onboardingは株式会社STANDSが開発し運営している運用を定着させるためのオンボードを支援するサービスです。ユーザが自己解決できるようにガイダンスをサイト上に表示することができます。
主な機能は以下になります。
・ステップバイステップのチュートリアル
・顧客活用の分析
顧客単位でプロダクトの利用状況や活用データを簡単に取得可能です。
・ノーコード実装
会社名 |
株式会社STANDS |
サービスURL |
https://www.onboarding.co.jp/ |
料金 |
公式サイトの問い合わせフォームより問い合わせが必要 |
【LTV最大化・チャーン(解約)防止】CSツール
HiCustomer(ハイカスタマー )
HiCustomer(ハイカスタマー )はHiCustomer株式会社が開発し運営しているカスタマーサクセス管理ツールです。
1. 情報の集置くと可視化
BIツールやCRM、チャット津減るなどに点在している顧客情報を集約して可視化します。
2. タイムリーな解約・アップセルの検知
集約した顧客情報より退会やアップセルする兆候を検知することができますので、適切なタイミングでアクションが可能となります。
3. 時系列の分析
利用状況、コミュニケーション履歴、売上などの情報を時系列で管理することによって、打ち手がどのような結果に結びついたかがわかります。
4. ヘルススコアの柔軟な設定
ライフサイクルごとに顧客のヘルススコアをレポートすることができます。
会社名 |
HiCustomer株式会社 |
サービスURL |
https://hicustomer.jp/ |
料金 |
公式サイトの問い合わせフォームより問い合わせが必要 |
まとめ
顧客ロイヤリティや顧客離れを防ぐ、売上を伸ばす、利益アップ、顧客満足度向上など企業が抱えている問題はさまざまです。そこで注目されているのが「カスタマーサクセス」です。近年、サブスクリプションモデルの浸透により、顧客に低リスクで安価に製品・サービスを提供することができるようになりました。しかし、顧客に満足してもらえなければ気軽に解約できてしまいます。サービスを提供する企業は継続して使い続けてもらえるように満足できるサービスを提供し続けなければいけません。
しかし、カスタマーサクセスを戦略として取り入れることで、「製品・サービスを使うことで顧客が期待する成功へと導くこと」を目標とし、顧客に製品・サービスに対する価値を感じてもらうため、企業が進化や成長することができます。企業は他の企業との差別化を測る意味でも、カスタマーサクセス戦略を有効活用し、自社の製品やサービスのアピールを行い、売上を伸ばして行く必要があるといえます。
ビジネスモデルの変化に対応し、自社の製品・サービスを多くのユーザーに利用してもらいましょう。