購入した商品が破損している場合、顧客から「返品」もしくは「交換」を申し出る場合も多いでしょう。
しかし、「返品と交換の違いって何?」といった疑問が出てくることも少なくないでしょう。
そこで本記事では、返品と交換の違いや具体的な対応方法、成功事例について解説していきます。
「返品と交換はどうやって行えばいいの?」
「返品と交換はどっちが推奨すべき?」
「返品と交換は運営側にとって悪いことなの?」
などとお考えの方に必見です。
返品と交換の違い
返品と交換は意味を混同しがちですが、実際の意味合いは大きく異なります。
返品とは、購入した商品を販売者に返して、費用を返金してもらうことを指します。
そのため、商品だけではなく購入費用も一緒に返還されることを返品と表すのです。
交換とは、購入した商品を販売者に返却して、新しい商品と取り替えることを指します。
交換の場合は購入費用を返金することはなく、商品だけを購入者に渡すため、販売者側は金銭的なマイナスを被ることはありません。
つまり、返品は購入した商品と費用を返却してもらい、交換は購入した商品のみを新しいものと取り替える点が違いです。
また、返品と交換に似た制度でクーリングオフが存在していますが、訪問販売や電話勧誘販売などで、冷静な判断に欠ける状況で商品を販売した場合などの、特定の条件下でしか利用できません。
交換を促すことによる収益性の担保
一部の実店舗やECサイトでは、返品対応に関しては提供しておらず、交換しか対応していないことがあります。
返品対応の際は商品だけではなく返金対応も発生するため、収益が減少してしまいます。
しかし、商品交換の場合は、返品商品を別の商品に変換するだけで対応が完了するため、収益性の担保確保が可能です。
海外のECサイトでは返品ではなく交換対応の充実化を図っており、米国では2019年ホリデーシーズンの返品・交換率が2018年同シーズンに比べて6%増加しています。
ECサイト内で交換を促す行動は海外だけではなく、日本国内の実店舗・ECサイトにも広がっています。
返品対応に関しては、これまで曖昧であった返品ポリシーをより細かく設定し、返品ポリシーに則っていない返品希望に関しては対応不可にすることで、交換対応を進めています。
返品対応を行なってしまうと利益も顧客に変換してしまうため、訳あり品として値段を下げて販売するとマイナスになってしまうのです。
しかし、交換した商品自体に破損が見られず問題がない場合は、別のマーケットに横流す形で販売することができるでしょう。
例えば、購入者がカラーやサイズを間違えて購入した商品を交換した場合、一度別の顧客の手に渡ってしまっているため、訳あり商品として販売することがあります。
商品自体に傷や損傷がないため、綺麗な状態の訳あり商品として定価よりも少し値段を下げるだけで、効率よく販売することが可能です。
具体的な方法
返品ではなく交換を促す具体的な方法は、大きく分けて以下の5つです。
・返品ポリシーを厳しく設定する
・商品ページの改善
・顧客対応のスピードを上げる
・アフターフォローの強化
・自動サービスを利用する
以下に詳しく解説いたします。
返品ポリシーを厳しく設定する
返品数を減らして交換対応を促すためには、返品ポリシーを厳しく設定する必要があります。
全世界的に、実店舗・ECサイト共に柔軟な返品ポリシーが求められていますが、顧客のどんな要望にも答えていると、利益は減少し続ける可能性があります。
そのため、返品ではなく交換を促すために、返品ポリシーを厳しく設定するようにしましょう。
例えば、購入から30日間は返品対応を受けて入れていた場合は、購入から7日以内に変更するなどの対応が効果的です。
返品対応は一切承れないなど、あまりにも厳しすぎる返品ポリシーは顧客満足度の低下を招く可能性があるため、常識的な範囲に抑えましょう。
商品ページの改善
HPやECサイト上の商品ページをわかりやすく改善することで、返品率を減らして交換へ促すことができます。
ECサイトで商品を購入する際は、商品の写真と紹介文・口コミしか商品購入の判断基準になりません。
掲載している画像が少ない場合や紹介文が適切でないと、顧客が想像したイメージと違う商品が届き、返品対応に繋がってしまいます。
そのため、商品ページを顧客目線でわかりやすく改善することで、顧客に対して適切な商品イメージを与えられます。
また、カートに入れた商品を簡単に変更できるようにしておくことで、間違えたカラー・サイズの商品をカート入れてしまった場合、顧客はすぐに対応できます。
顧客目線で細かい部分を改善することで、購入率を増やし返品・交換率を減らすことに繋がるでしょう。
顧客対応のスピードを上げる
返品ではなく交換対応を促すためには、顧客対応のスピードを上げることが重要です。
例えば、商品のカラーやサイズを間違えて購入してしまった場合、交換リクエストが来た時点で迅速に対応すれば、顧客の希望に沿った商品を提供するだけ対応は完了します。
しかし、返品リクエストが届いてもすぐに対応しなければ、顧客は別のショップで希望の商品を購入してしまい、返品対応せざる負えない状況に陥ってしまうことがあります。
本来迅速に対応していれば交換で済んだケースも、運営側の顧客対応スピードが遅いばかりに、返品・返金対応になってしまいますので注意が必要です。
アフターフォローの強化
商品を購入した顧客に対して、アフターフォローを強化することで返品率を下げ、交換に促すことができます。
例えば、購入者に対して問題点はないか連絡する、次回利用可能なクーポンを配布するなど、アフターフォローを強化することで、購入者が感じたリアルな不満や要望を受け取ることができます。
この時点で購入者の要望に答えることができれば、返品ではなく交換に促すことができるでしょう。
ただし、誤ったアフターフォローを展開すると、顧客満足度を著しく低下させる恐れがあるため、気を配りながら対応する必要があります。
外部サービスを利用する
お問い合わせの量が多いと、対応スピードを上げることやアフターフォローの強化をすることが難しいのが現状です。
対応数が多い場合は、外部サービスの利用がおすすめです。
例えば、Recustomerと呼ばれるサービスは、返品・交換業務をシステム化し、自動で購入者に交換を促します。
注文後の顧客対応を一気通貫で自動化、及び、顧客体験向上による中期的な売上向上が可能です。主な機能は以下になります。
Recustomer return(リカスタマー リターン)
Recustomer returnは、返品(返金・交換)・注文キャンセルを効率化する機能です。
購入者はECサイトと連携した返品・キャンセルフォームより、注文番号などの必要情報を入力しアクセスした後
返品商品や返品理由などを選択するだけで簡単に返品リクエストを送ることができます。
EC事業者は、受け付けた返品リクエストを顧客情報・注文情報が紐づいた状態で管理することができ、ステータスを変更することで、購入者に次のアクションを依頼する自動メールが送信されます。
EC事業者が顧客と返品に関するコミュニケーションを取る必要がなく、業務効率を向上させることができます。
さらに、顧客の要望にシステムが自動で対応するため、人が対応する以上に返品スピードを向上させることが可能です。
Recustomer クーポン(リカスタマークーポン)
Recustomer クーポンとは、返金を希望される購入者に対して、自動でクーポンを提案します。
また、リマインダーメールや商品レコメンドにより、クーポン利用を促進いたします。
クーポンを利用した購入者は平均2週間かかる現金による返金を待つことなく、次のショッピングを体験することができます。また、事業者は今まで現金による返金で喪失していた顧客を、再購入に繋げることができます。
成功事例
続いては、返品から交換に促すことで収益が上がった、下記2社を成功事例として紹介します。
・Marine Layer
・ロコンド
Marine Layer
引用元:https://www.marinelayer.com/
Marine Layerとは、サンフランシスコを中心に活動しているアパレルショップです。
全米に40店舗運営しているだけではなく、ECサイトを運営することで順調に売上を伸ばしていましたが、ECサイトを利用する顧客からの返品数が増加したことにより無駄なコストを発生させていました。
さらに、同社は服に使用する素材に対して強いこだわりとコストをかけていたため、返品数が増加したことで売上の低迷を懸念していたのです。
そこで、Navarと呼ばれる海外サービスを導入することで、返品を交換に促し、収益性を急激に高めました。Navarとは、自社サイトで商品を購入した顧客を自動で追跡し、メッセージを送付してくれるサービスです。
Twitterやfacebookなどの各種SNSと連携が可能となっており、SNS上で通知を行うことで、無駄な返品を減らしています。また、Navarを利用して交換・集荷場所を登録することで、顧客が交換を望んだ場合、すぐに集荷に向い、新しい商品の提供か可能です。
このように、顧客に対して新たな返品・交換プロセスを提供することで、返品数を減らし交換対応を増加させ、収益は確保しながら良質な交換体験を顧客に提供しています。
Navarについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。
▶︎返品処理とは?顧客離れを防ぐポイントや便利なサービスまで徹底解説!
ロコンド
引用元:https://www.locondo.jp/
ロコンドとは、靴を中心としたファッションアイテムを販売しているECサイトです。
同社では、購入者に対してあらかじめ返品を推奨することで、返品前提の運営を行うため、低コストで商品提供を可能にしています。
さらに、返品だけではなく、到着商品の試着後でもサイズ交換を無料にしており、返品時の手数料・配送料は全て無料です。
そのため、顧客は何も気にすることなく好きな商品を一気に購入し、気に入らなかった商品を返品することが可能です。
一見全てにコストがかかりすぎているように感じますが、同社では一度返品された商品も再度売りに出しているため、失った利益をすぐに取り戻すことができます。
さらに、ECサイトで靴を購入した際に「サイズが合わなかったらどうしよう」といった顧客が漠然と抱えているニーズを解決できるシステムを導入していることから、大きな成長を見せています。
まとめ
いかがだったでしょうか?返品率を減らし、交換対応に促すことで無駄なコストや機会損失削減できます。
また、交換された商品は別のマーケットで販売することもできるため、無駄になることはありません。
しかし、何も対策を行うことなく交換数が増えすぎてしまうと、人的コストがかかりすぎてしまう可能性があります。
そのため、本記事で紹介した便利な自動返品・交換サービスを利用して、顧客満足度の高いECサイト運営を目指してみてはいかがでしょうか。
この記事を見たけど、「やっぱりECサイトの返品率を減らす方法がわからない...」「自社に適した返品処理サービスは何?」という方はECサイト構築支援・運用支援を行っているRecustomerにご相談ください!