ECサイトを運営する際に最も気になるのは、商品の実際の売上です。その売上を考えるためには購入率をきちんと知っておくことが大切なことです。購入率を分析する重要性、そして、購入率を上げるための施策について徹底的に解説しますので、実践に役立ててみませんか。
目次 2. 購入率の重要性 2-1. ECサイトにおける売上の計算方法 2-2. 購入率と売り上げの関係 2-3. ECサイトの平均購入率は? 3. 購入率が低い原因 3-1. ECサイトが見にくい 3-3. 競合より価格が高い,品質が低い 3-4. 広告のターゲティングが出来ていない 3-5. 広告と実際のECサイトの内容に乖離がある 3-6. ユーザー目線になっていない 4. 購入率を上げる施策 4-1. TOPページの改善 4-2. 決済方法の充実 4-3. 商品画像の充実 4-4. 競合調査 4-5. レビュー投稿 4-6. 返品ポリシーを見直す 4-7. かご落ち防止 4-8. チャットボットの利用 4-9. 購入までの流れを円滑にする 4-10. 関連商品の表示 5. まとめ |
ECサイトにおいて売上が大事ですが、その売上に至る購入率が最も重要と言われています。
購入率とは、ECサイトにどのくらいの人数が訪れ、そのうちどのくらいの割合が実際に商品を購入したかを示す割合です。「CVR(Conversion Rateコンバージョンレート)」コンバージョン率とも言われます。
CV(コンバージョン)とは、ECサイトで獲得できる成果と考えられ、何を成果と設定するのかによっても変わってきますが、売上、購入を成果と考えた場合に、その割合を示すものが購入率CVR(%)です。
【購入率の計算方法】
ここで、購入率はどう計算されるのか、その計算方法について具体的にご紹介します。
購入率CVR(%)は、
CVR(%)=CV数(コンバージョン数)÷UU数(セッション数:サイト訪問者数)×100
ここで注意しなければならないのは、UU数(セッション数:サイト訪問者数)で計算することです。
PV数(ページ閲覧数)とは異なり、純粋な訪問者数で計算する点に注意してください。同じ人が何回もECサイトを訪問しても1回とカウントするのが特徴です。
そこで、どうしてこの購入率が大切なのかですが、商品の売上の数字を見る際には、結果の数字だけでなく、ECサイトにどれだけ訪問したのかを見ることも重要だからです。
ECサイトの売上を、購入率CVR(%)から計算する方法で考えた場合に、そのことがよくわかります。
次にECサイトの売上の計算方法について見ていきますので、参考にしてください。
ECサイトの売上の計算方法は
ECサイトの売上=UU数(セッション数:サイト訪問者数)×CVR(%)(コンバージョン率:購入率)×客単価
売上には「UU数(セッション数:サイト訪問者数)」「CVR(%)(コンバージョン率:購入率)」「客単価」といった3つが大きく関わってきます。
売上の計算方法から、UU数(セッション数:サイト訪問者数)が増え、CVR(%)(コンバージョン率:購入率)が増えること、客単価が増えることで大きく売上が上がっていくことがわかります。
特にECサイトの運営から考えてみた場合、UU数(セッション数:サイト訪問者数)をいかに増やすか、またCVR(%)(コンバージョン率:購入率)をどう上げるかはいつも悩ましいことではないでしょうか。
そんな時にUU数(セッション数:サイト訪問者数)を上げることが難しい場合は、CVR(%)(コンバージョン率:購入率)だけでも上げると、それに比例して売り上げは上がっていくように考えられるでしょう。
世界のECサイトの平均購入率は、2021年〜2022年は1.53〜2.36%の間となっています。
もちろん日本のECサイトだけの場合や業種によっても購入率は異なります。
ギフトやヘルスケア、アパレルといった業種の場合はこれよりも高く4%台となります。
ジュエリーやインテリア、自動車、家電などは平均よりも低い購入率です。
そのためECサイトとしては平均2~3%の購入率を目指すことがベストと言えるでしょう。
それでは、具体的に運営しているECサイトの購入率が低い場合にどうしたらいいのかについて見ていきます。
まず、購入率が低い、つまりECサイトに訪問しても購入に至らない場合が多い原因は何か、様々な課題を見つけて対策を取ることが大切です。
多くの原因を徹底解説していきますので、参考にしてみてください。
ECサイトに訪れたのに購入まで至らないことが多いのは、ECサイト自体が見にくいという原因があります。
顧客が望む情報があまり得られない、わかりにくい場合はすぐにサイトを離れてしまう可能性があるでしょう。
特に商品情報、価格、購入方法などは明確でわかりやすくするのが必須条件です。
また、ECサイトで商品が魅力的に伝わらずに顧客が求めているニーズと噛み合わないこともあります。
顧客が求めているものが何なのかをしっかりと分析して、それに合った商品の見せ方、アピール方法をすることで魅力を伝えることが大切です。
どんな顧客が見に来ているのか、対象の構成、年齢・ニーズの分析をしてサイトを作る必要があります。
例えば、もっと高級なイメージを求めているのか、お手軽なイメージをアピールすべきなのか、口コミなどを多く載せた方がいいのかなど、顧客ニーズとズレないようにして行く必要があるでしょう。
そして、商品自体の価格や品質も見直す必要があります。
高いイメージを持たれていないのか、また品質が低いイメージになっていないのかも、競合サイトと比較してきちんと分析してください。
実際にはあまり価格が変わらないのに高いイメージを持たれたり、品質が低いように見えていないかをチェックする必要があります。サイトのイメージや価格、品質の見せ方を大事に考えることが必要です。
また、ECサイトへの訪問数を増やすために広告を出すことは多いと思いますが、せっかく広告を出してもその広告でターゲティングが出来ていないならば、無駄になってしまいます。
どんな人にサイトに訪れてもらいたいのかをきちんと分析して広告を出す必要があります。
自社のECサイトに合ったターゲティングができているかが大事です。そうしないと、購入率は下がっていきますので、広告を出す効果も減ってしまいます。
求める客層、似たような客層が見るサイトに広告を出すことがとても重要と言えます。
また、広告を見てきたのに、実際のECサイトではイメージが違う、求めている商品と異なると思われないようにすることも必要です。
広告では顧客を呼び込みたいキーワード設定をしっかりやり、そのキーワードを元に顧客が求めるような内容をECサイトできちんと紹介してあげることです。
広告だけでいいイメージを作るのではなく、ECサイトでも魅力的なイメージや情報を紹介するようにしてみることが大切です。
さらに、ECサイトがユーザー目線になっていない場合もあります。商品紹介はわかりやすくあってほしいのですが、わかりづらいことも多くあります。
商品のカテゴリーごとに分けた紹介やユーザーの悩み事に分けた商品紹介、おすすめランキングなどを工夫することで、ユーザーにわかりやすくて好まれるでしょう。
また、スマートフォンやタブレットで見る人も多いために、見やすいサイト設計も大事です。
具体的に購入率を上げるためのECサイトの改善施策について、次にご紹介します。すぐに実践に役立てることができますので、参考にしてみるといいでしょう。
まず、ECサイトのTOPページを大事にしてみるといいでしょう。サイトを印象付けるページとなりますので、どんな商品があるのか、どんな雰囲気のサイトなのかをTOPページで印象付けてください。
イメージを大事に、統一感を持ってページを作ることが大切です。色合いやTOPページの画像の扱いはしっかり考えて選んでみませんか。
以下ではより具体的にECサイトの改善方法をご紹介しています。是非参考にしてみてください!
▶︎売上が大幅アップ!効果的なECの改善方法を徹底解説【成功事例付き】
決算方法の充実も購入してもらうためには重要です。
最近では様々な決済方法の種類を選択できるようにしておくことが大切です。
クレジットカード払いだけでなく、代金引換、コンビニ後払い決済、若者向けにはAmazon Payや楽天ペイ払い、ApplePay払い、paypay払い、d払いなどもあると支持されます。
特にpaypay払い、d払いなどのID決済を利用する人が増えてきている傾向のため連携するようにするといいでしょう。
また、購買率を上げるには、ECサイトを訪問した人がすぐに離れないように、商品画像を充実させて目を惹くことが大切です。
ただ商品画像を載せるだけでなく、商品の魅力をしっかり伝えられるような魅力的な画像をアップすることが必要です。動画や体験画像なども注目を浴びます。
また、人気のECサイトなどを見て、画像の割合などを参考にしてみるのがおすすめです。商品画像のバックの背景の色合いなども工夫してみてください。バックを統一するだけでも雰囲気が演出できます。
そして、自社のECサイトならではの決まりをいくつか作っておくといいでしょう。そのことで、商品画像やサイトの統一性を図ることができます。
また、競合のECサイトを見て分析することも大切です。
多くの人がサイトを比較して購入しますので、購入率が低ければ、価格や商品の掲載方法、決済までの導き方などが競合サイトと比べてどうなのかを比較することも必要です。
そして、ECサイトではレビューが多いほど信頼感を増します。どんな人が購入し、どのような感想を持っているのか、リアルなレビュー投稿があれば、購買率を高めることができるでしょう。
購入する際にレビューを書いてもらうことでプレゼントやサービスを行うと、多くのレビューを集めることができておすすめです。
また、ECサイトでは返品の欄も必ずチェックされます。返品に対して厳しい条件がある場合は敬遠されますし、返品方法が不明確な場合は不安を感じます。返品ポリシーはきちんと見直しておくことが大切です。
実際には意外と返品をする人は少ないため、「返品できる」という安心感を出しておくことが大切です。
また、返品方法を明確に示すことが大切で、返品できる条件、返品する際の手続き、返品の際の返送料の負担はどちらなのか、返品の送り先、返品受付期間などを明記してわかりやすくして安心感を出してください。
以下では購入率が上がる返品ポリシーの作り方をご紹介しています。気になる方はご覧ください!
▶︎返品ポリシーとは?売上に直結する返金ポリシーの重要性や成功事例まで徹底解説!
また、ECサイトでは買い物かごに入ったままで決済まで至らないことが多くあります。
決済に至るまでに送料が気になったり、決済方法が少なかったり、会員登録の手間が面倒であったりして躊躇してしまうことがあるでしょう。
かご落ちにしないように、できるだけスムーズに決済に行けるようにサイトを工夫することも必要です。また、かごに入ったままの場合は「かごに商品が入ったままになっています。お買い忘れはないでしょうか」などのフォローメールなどを出すことも大事です。
▶︎ECサイトに欠かせないカゴ落ち対策とは?施策からお勧めツールまで徹底解説
チャットボットを利用して、購入まで導くようにするのもおすすめの手段です。
チャットボットは、様々な顧客の質問に自動で返答するようになっているものです。
商品紹介ページや買い物かごページ、決済ページなどに設定しておくといいでしょう。
商品探しで困っている顧客、ログインや注文、決済方法、配送方法などで困っている顧客にすぐに対応できれば、購買率が上がるでしょう。
以下ではチャットボットの選び方やおすすめツールなどをご紹介しています。是非ご覧ください!
▶︎チャットボットとは?種類から選ぶポイント・おすすめツールまで徹底解説!
そして、購買率を上げるには、様々な購入までの流れをできるだけ円滑に簡単にすることが大事です。
その間に購買をやめてしまわないようにする必要があります。
例えば、会員登録をしてもらうことは顧客を囲い込むためには大切ですが、登録が面倒なために購入をやめる人もいます。最初は会員登録なしで購入可能にしたり、会員登録手続きをできるだけ簡略化したり、会員登録をすることでポイントが貯まることをアピールするなど工夫してみることが大切です。
また、購買率を上げるとともに、客単価を上げて売り上げを伸ばす方法も考えてみてください。
関連商品を一緒に表示することで、クロスセルやアップセルを目指してみるといいでしょう。
クロスセルは、関連商品を合わせて買ってもらう方法で、アップセルはさらに上の商品を購入してもらう方法です。商品の掲載方法を工夫することで客単価を上げてみるのもいい方法です。
ECサイトにおける購入率の大事さについて詳しくご紹介してきました。購入率を重要視して売り上げにつながる施策を考えることは大切なことです。
購入率を上げるにはご紹介したような8つの様々な方法がありますので、ECサイトを工夫して取り組んでみるといいでしょう。人気のサイトや競合サイトも見ながら、購入率の高いサイトにするにはどうしたらいいのかをユーザー目線で分析することが大切です。
そして、最近は企業ブランディングが注目されていますので、ECサイトにおいても魅力的なサイトを目指してみませんか。そのことで、商品のファン、ECサイトのファンになってくれるように努めてみるといいでしょう。
多くのECサイトがある中で、魅力ある商品紹介とページの展開、そして実際に購入する際の利便性を考えたECサイトを目指すことが重要と言えます。
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