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ECサイトに欠かせないカゴ落ち対策とは?施策からお勧めツールまで徹底解説
「カゴ落ち」とはECサイトを訪れたユーザーが、カートに商品を入れたまま購入処理をせずにそのまま離脱したことを指した言葉です。
ECサイトを運営している側からすると、「あと一歩で売上になるのに」と悔しい思いになる事象です。
カートに商品が入れられているということは、ユーザがその商品に対する購買動機もしくは関心が少なくともあるわけです。
「カゴ落ち」を検知した後に何らかの働きかけをすることで売上へ変換することや、さらに「カゴ落ち」しそうな予兆が見えたら購買するような働きかけができれば、今よりも売上を伸ばすことができるはずです。
そこで本記事では、カゴ落ちについてその原因と対策法を徹底解説しています。
「カゴ落ちってそもそも何?」
「カゴ落ちを減らしたい!」
「カゴ落ち対策のツールを知りたい」
などとお考えの方に必見の記事です!
目次 1. カゴ落ちとは? 3. カゴ落ちが起こる要因 4. カゴ落ちの対策方法 4-1. 送料・手数料が高い 4-2. アカウント登録が必要 4-3. 購入までのプロセスが長い 4-4. 合計金額が予想より高かった 4-5. クレジットカードの情報入力に躊躇う 4-6. 配送が遅い 4-7. Webエラー 4-8. 決済種類が少ない 4-9. サイトの返品ポリシーに不満がある 5-1. カゴ落ちメール配信ツール 5-1-1. Cuenote FC 5-1-2. カートリカバリー 5-1-3. SaleCycle 5-2. Webサイト改善ツール 5-2-1. Sprocket 5-2-2. Zendesk 6. まとめ |
カゴ落ちとは?
「カゴ落ち」とは、ECサイトを訪問したユーザが商品をカートに入れたにも関わらず何らかの原因で購入せずにそのままサイトを離脱したことを指してます。
カゴ落ち以外に「カート放棄」や「カート落ち」とも呼ばれることがあります。
ユーザは商品をカートに入れるまでは行っているため、購買動機があるか少なくともその商品に対して関心があると考えられます。
単にサイトを訪れてページを見ただけのユーザや潜在ユーザよりも購買へ至る確率は高いはずです。
したがって、「カゴ落ち」対策を行うことは購入率(CVR)を上げるための主要な打ち手と言えます。
ECサイトカゴ落ちの割合・現状
「カゴ落ち」の対策を行うにはECサイト全体での平均的な数値を知り、自社ECサイトの現状とのギャップを把握する必要があります。
オンラインのユーザ体験(UX)の調査研究を行っているBaymard Institute社が行った調査によるとカゴ落ち率の平均は69.82%という数値が出されています。(46 Cart Abandonment Rate Statistics)
Fresh Relevance社やSaleCycle社、IBM社などが行ったカゴ落ち率の調査を46件集めて平均値を出しています。
また、日本のイー・エージェンシー社が行った調査によるとカゴ落ちによる機会損失は売上の約2.5倍という結果が公表されています。(ECサイト、売上の約2.5倍がカゴ落ちによる機会損失 ~ イー・エージェンシー)
同調査では、カゴ落ち率は68.2%という結果も公表されています。
Baymard Institute社の結果を合わせて考えると、カゴ落ち率の平均は約7割だといえます。
カゴ落ちが起こる要因
上記のグラフは米国の成人4384人から得た回答です。
質問事項:「過去3ヶ月間のうちオンラインショッピングでカートに入れたにも関わらず購入しなかったことがありますか? もしも、「はい」ならその理由を教えて下さい」
出典:46 Cart Abandonment Rate Statistics 翻訳とグラフ化は弊社
回答は以下の内容でした。
・追加するコストが高すぎる(送料、税金、手数料)
・アカウントの作成が必要
・配送が遅すぎた
・クレジットカード情報を教えたくない
・チェックアウトのプロセスが長い、複雑
・合計金額が前もってわからない
・サイトでエラーやクラッシュが発生
・返品ポリシーに不満
・支払いの選択肢が少ない
・クレジットカードが拒否された
次に、それぞれの理由に対する対策方法について解説していきます。
カゴ落ちの対策方法
送料・手数料が高い
送料や手数料を無料にすることがユーザにとっては一番良い解決策となりますが、オンラインショップの利益を削ることにもなりますので難しい方法となります。
次善の策として次のような方法も検討するのがいいでしょう。
■対策
このような特典をアピールすることで、アップセルも期待できますので一石二鳥の対策となります。
2.事前に送料や手数料の費用を明示しておく。
事前にユーザに分かる形で明示することにより、合計金額で意外感を持つことがなくなりますので、カゴ落ちを防止することができます。
3.送料や手数料込みの商品代金とする。
精算の段階で送料や手数料が追加になることはなくなりますので、ユーザにこんなはずではという感覚を持たせません。
しかし、競合他社との価格比較で不利になる場合がありますので、調査してから判断するようにして下さい。
アカウント登録が必要
ユーザーがオンラインショップで初めて購入する場合にアカウント登録を求めるECサイトが多いです。
一度、登録してしまえば以降の購入では数クリックするだけで購入できるのですが最初のアカウント登録は意外とハードルが高いです。
ハードルが高いのはアカウント登録の手間が面倒だと感じることと、個人情報を渡すのに躊躇してしまうことがあります。
■対策
1.アカウント登録不要で購入できるようにする。
最低限必要な決済情報と送付先の入力だけで完了できるようにします。
ショップ側としてはリピート客になって欲しいという思いがありますので、アカウント登録するとユーザにメリットがあることを伝えて極力アカウント登録してもらうという仕組みも作っておく必要があります。
2.Amazon Payなどの決済手段を導入する。
ECサイトにAmazon Payなどを導入することでユーザにとってはアカウント登録不要で手間を省け、ショップにはユーザ情報が入手出来るというメリットがあります。
購入までのプロセスが長い
商品を購入するには送付先や決済情報を入力する必要がありますが入力フォームが分かりにくかったり、年齢や性別、職業など購入には不要な入力を求められたり、同意事項がいくつもあったりするとユーザーは面倒と感じてカゴ落ちとなる可能性があります。
特にスマートフォンでオンラインショッピングを行うユーザー層にとっては購入までのプロセスが長いサイトは離脱を引き起こす可能性が高いと思われます。
■対策
1.決済フローを簡潔にする
購入までに必要なステップは最低限必要なものにして、それ以外の情報入力を求めたい場合は購入後にしてもらうように誘導するようにします。
または、ユーザーがボタン1つで注文ができる「ワンクリック決済」のシステムを導入することで決済にかかる負担を最小限にすることができます。
2.EFOツールを導入する
EFOツールとは、決済情報や顧客情報を入力するフォームを最適なものにするツールのことを指します。
入力項目を少なくするだけではなく、チャットUIにすることで入力途中の離脱を防止したりすることができます。
3.決済手段を増やす
アカウント登録で説明したAmazon PayなどID決済を導入して、購入までのステップを省くという方法も効果的です。情報を入力する必要がなく、すぐに決済フローをスムーズにすることができます。
合計金額が予想より高かった
ECサイトの作りによっては購入途中では商品代金しかユーザーは知ることができず、決済の最終段階で送料や手数料、税金など含めた合計金額が初めて表示されるケースがあります。
ユーザーにとっては予算として想定した金額よりも高かった場合に購入をあきらめて離脱する可能性があります。
■対策
1.事前に合計金額を表示する
事前に現時点の送料や手数料、税金など含めた合計金額を表示するようにしておけば、ユーザが予算内に収まるようにオプションなどの購入を手控えるという行動も取れるので望ましいです。
クレジットカードの情報入力に躊躇う
クレジットカード情報はお金と直結している情報なので、ユーザにとっては「このECサイトは信頼できるのか?」「セキュリティはしっかりしているのか?」「万が一の場合の保証や体制はとれるのか?」といったことが心配となります。
だれでも知っている大手であれば心配の大半は解消できるでしょうが、初めて訪れるECサイトで名前も聞いたことがないショップであれば心配となりクレジットカードの入力するステップで躊躇してしまいます。
■対策
1.サイトのSSL化
セキュリティ対策をしっかり行っていることをユーザーに認知してもらうために、サイトのSSL化は必須です。
2.EV(Extended Validation)や「ISO/IEC27001」の認証を取得する
さらに、企業の実在認証を含めた厳格な認証を行っているEV(Extended Validation)認証を取得することや情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27001」の認証を取得することで安全・安心をユーザーにアピールすることができます。
配送が遅い
ユーザーは購入した商品は一刻も早く手にしたいと思うものです。
ユーザーは「いつ届くのかわからない」と購入のハードルが高くなる場合があります。例えば、休日に予定がありそれに着用する洋服などを探しているケースや、日用品などを購入するケースが挙げられます。
購入した後に配送日の連絡で遅い日程を知らされた場合はキャンセルして、納期の短い他のショップから買い直すユーザーが一定数いるくらい、配送日は重要なものとして捉えられています。
■対策
1.お届け予定日を表示する
ユーザーに配送日を表示させることで、いつ届くのか明確になるため購入率をあげることができます。
商品ページで「在庫あり」や「x分以内の注文で、当日出荷」などの配送日が事前に分かる形で表示することでカゴ落ちを防ぎましょう
Webエラー
商品の詳細ページへ行こうとしたらリンク切れ、商品の比較をするために様々な商品ページをクリックするがサイトが重くてなかなか画面が表示されない、たまに原因不目のエラーが発生するというような経験をユーザーがしてしまうと最悪な印象を持たれてしまいます。
特に購入時のフォーム入力でエラーが発生して再入力となったり、正しく入力したつもりなのに全角で入力してくれとメッセージが出たりするとユーザーは面倒に感じてカゴ落ちとなってしまいます。
■対策
1.サイトエラーの改修
サイトのエラー発生やスピードアップについては経験豊富な業者にアセスメントしてもらうのも一案です。
また、フォーム入力については重要な部分ですので入力項目の見直しや誤入力時のエラーメッセージは適切かを確認してください。
フォーム入力をアシストするツールもありますので検討してみて下さい。
決済種類が少ない
ユーザーが決済できる手段に対応した選択肢をECサイトが提供できていない場合はカゴ落ちとなってしまいます。
例えば、ユーザーに若年層が多いショップの場合であれば、クレジットカードを所有していない場合も多いため、コンビニ決済や後払い決済を希望する方が多いなどが挙げられます。
■対策
1.決済手段を増やす
自社のターゲットユーザ層が希望する決済手段を調査して、希望が多い決済手段は提供するようにすべきです。
アカウント登録で説明したAmazon PayなどID決済を導入して、購入までのステップを省くという方法も効果的です。情報を入力する必要がなく、すぐに決済フローをスムーズにすることができます。
返品ポリシー
返品ポリシーがECサイト内に掲載されていないか掲載されていても不明確な表現の場合、ユーザーは不安になります。
また、アパレルECなどの場合「試着ができない」「実物が見れない」という不安感から、購入ハードルが高くなっていることが多いです。
そんな時、イメージ違いやサイズ違いの返品を受け付けていないなどの返品ポリシーを提示している場合、カゴ落ちにつながっている可能性があります。
また、AmazonやZOZO townなどの大手モールが寛大な返品ポリシーを掲げているため、同じ商品を扱っている場合はモールで購入するというユーザーも少なくありません。これにより販売機会を損失している可能性があります。
■対策
1.返品ポリシーを変更する
ユーザに寄り添った返品ポリシーを採用することで、「試着ができない」「実物が見れない」という不安を解消し購入率を上げることができます。
また、同時にユーザからの返品要求をスムースに行える仕組みと返品作業の効率化を行うことにより顧客満足度の向上とコスト削減を行うことが目指せます。
返品交換の業務効率化、返品ポリシーについては以下の記事で紹介しているので、是非ご覧ください。
▶︎返品業務効率化する方法とは?メリットからポイントまで徹底解説!
▶︎返品ポリシーとは?売上に直結する返金ポリシーの重要性や成功事例まで徹底解説!
2.試着キャンペーン、返品交換無料キャンペーンを実施する
期間限定で試着キャンペーンや返品交換無料のキャンペーンを実施するのも一つの手段として考えられます。
実際に、返品を活用したマーケテイングを行い、購入率3倍・複数購入が増加した事例もあるので、参考にしてみてください。
おすすめカゴ落ちツール5選
カゴ落ちメール配信ツール
Cuenote FC
Cuenote FCでは自社のECサイトでどれくらいのカゴ落ちが発生しているのかを可視化し、カゴ落ちさせたユーザに対してリマインドメールを送る「カートリマインド」機能があります。
さらにキャリアドメインへの配信にも対応したHTMLエディタが提供されていますので、ビジュアルに優れたリマインドメールを配信することができます。
HTMLエディタはレスポンシブレイアウトに対応していますのでスマートフォンの画面サイズに最適化した表示を行うことができます。
配信した結果は管理画面で確認することができます。
商品名 |
Cuenote FC |
開発元・販売元 |
ユミルリンク株式会社 |
公式サイト |
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費用(税込み) |
初期費用:33,000円(ユニークメールアドレス数 2000件) 月額費用: 5,500円(ユニークメールアドレス数 2000件) |
連絡先 |
https://www.cuenote.jp/inquiry?class=1&prd=0 東京本社03-6820-0515 / 大阪本社06-6131-9960 |
カートリカバリー
カートリカバリーはカゴ落ち対策に特化したツールです。カゴ落ちしたユーザへのリマインドメールとメール未登録のユーザにも対応できるリマーケティング広告機能が提供されています。
以下の機能が備わっています。
- カート内トレンド
カゴ落ちした商品情報や利用ブラウザをリアルタイムに把握できます。 - リカバリーレポート
リマインドメールやリマーケティング広告の効果をレポートできます。 - 最短15分後配信
カゴ落ちし後、最短で15分後からリマインドメールを配信できます。 - ステップメール
経過時間に応じた適切なメッセージを配信可能です。 - ダイナミック・リマーケティング広告配信
カゴ落ちした商品をバナー広告に反映することができます。 - レスポンシブHTMLメールエディタ
様々な画面サイズに対応したレスポンシブHTMLメールを配信することができます。
商品名 |
カートリカバリー |
開発元・販売元 |
株式会社イー・エージェンシー |
公式サイト |
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費用(税込み) |
初期費用:55,000円 月額費用:42,900円 |
連絡先 |
https://www.submit.ne.jp/cartrecovery/contact 03-4334-9096 |
SaleCycle
SaleCycleはカゴ落ちしたユーザへリマインドメールを送ったり、ユーザがサイト訪問した場合に限定情報やクーポンを案内したりしてサイトからの離脱を防ぐ機能を提供しています。
機能には以下のものが提供されています。
1. コンバージョン率最適化機能
商品購入へ誘導するために、以下の機能が利用できます。
2. キャンペーン終了のカウントダウンタイマー
3. ユーザの行動にマッチした適切なクーポンを表示するクーポンコード機能
4. 購入プロセスの進捗率を見える化
5. 商品の人気度や他ユーザの閲覧状況をサイト内に表示する商品トレンド表示機能
6. カート離脱防止機能
カゴ落ち対応機能として以下のものがあります。
6-1. カゴ落ちしたユーザへリマインドメールするカート放棄メール
6-2.メールを読めないユーザへカート放棄SMS
6-3.閲覧した商品に基づく商品レコメンドメール
6-4.カゴ落ちしそうな場合に、購入検討時間を与えるカート内情報を保存する機能
7. 顧客ロイヤリティ向上機能
既存ユーザとの関係を維持するために、以下の機能が利用できます。
7-1. 商品が使い終わるタイミングでリマインドするリピート購入促進
7-2. 適切なタイミングでサポートを提供するサポートリクエスト促進機能
7-3. ユーザに追加購入を勧めるアップセル&クロスセル機能
8. 顧客インサイト収集・分析機能
ユーザをより知るための機能が提供されています。
8-1. ユーザへメールやSMSなどを使う事への確認をするマーケティング同意管理機能
8-2. サイト訪問者のメールを取得するEメールアドレス獲得機能
8-3. サイトを離脱したユーザにアンケートを送るアンケートメール機能
商品名 |
カートリカバリー |
開発元・販売元 |
日本国内販売代理店:株式会社クローバーテック |
公式サイト |
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費用(税込み) |
問合せ |
連絡先 |
Webサイト改善ツール
Sprocket
SprocketはECサイトなどのコンバージョンを最適化するコンサルティングとCRO(コンバージョン率最適化)プラットフォームを提供しています。
サービス内容は以下の通りです。
1. コンサルティング(運用支援)
仮説立案からシナリオ作成、設定、分析を行います。
2. プラットフォーム「Sprocket」
「ページを見る」「スクロールする」などユーザがサイトで取った行動データの計測とシナリオに基づいたポップアップの表示などのWeb接客を行うことができます。
商品名 |
Sprocket |
開発元・販売元 |
株式会社Sprocket |
公式サイト |
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費用(税込み) |
問合せ |
連絡先 |
https://www.sprocket.bz/contact/ 03-6303-4123 |
Zendesk
Zendeskは接客業務をサポートするサービスです。
顧客情報の共有と知識の共有を円滑に行うことができます。
AIを搭載した「Answer Bot」を利用すると接客を自動化することができますし、必要に応じて担当者へ引き継ぐことができます。
「Answer Bot」はWebサイトやチャット、メッセージング、メール、Slackなど様々なチャネルでユーザとコミュニケーションを取ることができます。
ヘルプセンター・FAQを構築することができますので、サイト上にセルフサービス型のサポートを追加することができます。
商品名 |
Zendesk for Service |
開発元・販売元 |
株式会社Zendesk |
公式サイト |
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費用(1ユーザあたり) |
Suite Team:$49 Suite Growth:$79 Suite Professional:$99 Suite Enterprise:$150 |
連絡先 |
まとめ
平均的なカゴ落ち率は約70%ですので、カゴ落ち対策を行うことは売上に直結する施策ですので非常に重要です。
自社のECサイトでカゴ落ちしている原因を計測して、今回の記事を参考にして上位の原因から対策をとることで売上アップを図って下さい。