最近では様々企業がSMS(ショートメッセージサービス)を用いたマーケティング方法を利用し、顧客にアプローチをしています。
特に、便利な配送システムで利用が増えているECサイト、Shopify(ショッピファイ)では、このSMSマーケティングのためのアプリが豊富で人気です。
そこで本記事では、SMSマーケティングについての基礎知識からポイント、ShopifyにおけるSMSのノウハウを解説していきます。
「SMSマーケティングについて知りたい」
「ShopifyにおけるSMSのノウハウを学びたい」
「Shopifyで使えるおすすめSMSアプリを知りたい」
などとお考えのEC担当者の方には必見の記事です!
目次 1. SMSマーケティングとは 2. SMSを用いるメリット 2-1. 開封率が高い 3-1. 受信者の承諾を経てから送信する(オプトイン) 4. ShopifyにおいてSMSマーケティングを利用する方法 5-1. Klaiviyo 5-2. Back in Stock 5-3. Privy ‑ Pop Ups, Email, & SMS 5-4. Firepush 6. まとめ |
SMSマーケティングとは、ショートメッセージサービス(Short Message Service)の略であり、携帯電話の番号を用いてメッセージを送る方法のことです。
SMSを利用することで大手キャリアをはじめ、フィーチャーフォンなど多くのキャリア端末に共通したメッセージを送ることができるため、利便性が高いことが特徴と言えます。
次に、SMSを用いるメリットをご紹介します。
SMSを用いることによるメリットは主に以下3点です。
・開封率が高い
・アプリで自動化が可能
・カゴ落ちを低下させる
SMSによって、ECサイトでどんな効果を活用することができるのか参考にしてみてください。
SMSは、開封率が高いのが大きなメリットです。
コロナ禍以降、企業からのメールは1.5倍増となっています。
多くの人のメール受信ボックスはたくさんのメールで埋まっていて、見るのが面倒と開封していない人も増えてきています。宛先やタイトルを見て開けないという人も多いでしょう。
一般的にメールの開封率は10~20%となっています。
その点、SMSを用いた場合の到達率は90%以上、開封率80%と言われているのが特徴です。
また、メールは本人がアドレスを変更したことで実際には届いていないケースもあり、到達率が下がる傾向です。SMSの方が確実に届き、開封率が高いというメリットがあります。
そして、SMSは電話番号さえわかっていれば手軽に配信できること、そして確実に送れることから、最近ではビジネス利用向けにSMSがよく活用されています。
そのため、ビジネス向けのSMSアプリも多く登場し、アプリを活用することで同時に多数の配信先にSMSでメッセージを自動送信できることもメリットです。1通8円~10円の従量課金制によって配信をしている企業が増えています。
ビジネス向けSMSアプリならば、訴求性がある画像や動画も送信できるなどがおすすめです。
SMSでメッセージを送ることで、ECサイトのカゴ落ち、カゴに入ったままで購入まで至っていない顧客にメッセージを送れることがメリットです。開封率が高いため、効果的なメッセージとなります。
ECサイトではカゴに入れたままで時間が経って忘れていたということはとても多い傾向です。
そうした顧客のカゴ落ちに対してメッセージが送れる効果は大きなものです。
海外の調査では、SMSを活用してカゴ落ちの通知をしたことで、購入のコンバージョン率を20%以上改善できた例もあります。
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次に、SMSマーケティングを効果的に活用するためのポイントをご紹介します。
ポイントは以下の5点です。
・受信者の承諾を経てから送信する(オプトイン)
・SMSが不要になった人のために、受信拒否手段を用意する(オプトアウト)
・送信数は最小限にすることを心がけ、一斉送信を用いる
・必要最低限の文字でまとめ、不足情報は別手段で補完する
・自社ドメインを含んだ短いURLにし、フィッシング詐欺と差別化する
開封率が高いからとむやみに送ると逆効果になる可能性もあるため、様々なポイントを押さえて送ることが重要です。
まず、平成20年に総務省によって策定された「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」に、SMSも対象となっています。
そのためSMSを用いて広告や宣伝を実施する際には、利用者に承諾を得る「オプトイン」が必須となります。必ず承諾を得てからSMS送信を行うようにしましょう。
そして、「オプトイン」を行うと同時にSMSが不要になった時に受信拒否ができる「オプトアウト」の設定も必要です。
SMS送信時に受信拒否の方法も案内するのがポイントとなっています。
具体的な方法としては、受信解除用のページを作り、そのURLをSMSに記載しておきます。
そしてそのURLにアクセスすることで、Webサイトで解除申請ができるようにします。
もしくは、受信解除用のメールアドレスに連絡してもらうようにするのがポイントです。
また、SMSはメールのように月額で送り放題ということはなく、1通ごとの従量課金制です。
そのため送信数は最小限にすることも大切です。
無闇にSMSを送信することでイメージ低下やブロックにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
一斉送信の機能を乱用するのではなく、送る対象を事前にしっかりと絞って送ることが大切と言えるでしょう。
SMSはアプリによって文字数が増やせるものもありますが、通常文字数が70字と限られているため、伝えたいことを端的に送る必要があります。
具体的には下記のような内容を入れるといいでしょう。
企業名や担当部署名
今回のSMS送信の目的、件名
ECサイトへ誘導する場合には誘導先のURL
オプトアウトの連絡手段
これらの内容を70字以内で伝えるのがポイントです。
SMSだけでは多くのことは伝えられませんので、SMSの送信目的を明確化させ、ECサイトへ誘導して細かな情報を伝えることを目的としましょう。
SMSを利用したフィッシング詐欺も増えてきています。
偽造URLへ誘導することを目的にしていますので、自社のECサイトへ誘導する際も偽サイトと思われないことが大切です。
SMSに送信されてきた際には、どこから来てどんなサイトへ誘導しようとしているかが不安な人が多くなります。
疑われないためにも、わかりやすく信頼性のあるURLにするのがポイントです。
誘導する際は、自社ドメインを含んだ短いURLでco.jpなどにすることで信頼性が高くなります。
次に、ShopifyにおけるSMSマーケティングを利用する方法を解説していきます。
ShopifyにおけるSMSマーケティングは以下の2点です。
・本体の機能を用いる
・専用アプリを入れる
詳しく解説していきます。
Shopifyには、元々SMS通知を送る機能が付いているのが大きな特徴です。
カートの次のページから注文が完了するまでのチェックアウト時に、メールアドレスを入力する代わりに電話番号を入力してもらうようにできます。
顧客にとってはメールアドレスを入力するのは面倒なことも多く、電話番号だけの入力は助かります。
電話番号を入力してもらうことで、SMS送信を可能にできていいでしょう。
注文確認や配送に関する情報を送ることができ、顧客はいつでもどこでもスマホのSMSで情報の受け取りができます。
具体的には、Shopifyで「チェックアウト」の設定をする必要をし、電話番号の入力を必須に設定し直す必要があります。
「設定」で「チェックアウト」をクリックして、「フォームオプション」の「配送先住所の電話番号」で「必須」を選んで「保存する」を押すと設定可能です。
ただ、このチェックアウト機能の設定ではデメリットもあります。
顧客は簡単なチェックアウト方法を選択することも可能です。その場合、カートをスキップして商品ページから直接チェックアウトが完了し、顧客の支払情報や配送情報なども保存されなくなります。
ただし、この場合でも「Shop pay」「Apple Pay」「Google Pay」「Amazon Pay」「PayPal」などで決済した場合だけは、チェックアウト機能が活用できる例外となります。
Shopify本体のSMS通知の送信機能では、いくつかのデメリットがあります。
そのため専用のアプリを入れて、自身のECサイトにあったSMS設定をするのがおすすめです。
SMS通知を送るための便利なShopify専用アプリはたくさんあるのもメリットです。
またそれぞれのアプリには他にも様々な機能がついていますので、アプリを見比べることが大事です。
URL:https://apps.shopify.com/klaviyo-email-marketing?locale=ja
マーケティング自動化プラットフォームを提供するアメリカのグローバルテクノロジー企業Klaiviyoが開発した「Email Marketing & SMS」アプリです。
メールやSMS配信後の様々な分析ができるマーケティング機能に優れているのがおすすめです。
主な機能は次の通りです。
・配信後のクリック率や開封率、発生した収益・発注数を分析
・フローチャートを用いて分析し、様々な条件での適切な配信が可能
・無料プランがあり、月50件のSMS送信可能(有料プランは月150件送信可能)
URL:https://apps.shopify.com/back-in-stock?locale=ja
ECサイトでは、再入荷通知を顧客に送ることが多いでしょう。メールやSMSで配信できるShopifyアプリ「Back In Stock: Customer Alerts」は、SureSwift Capitalによって作られたアプリです。
再入荷を多くの顧客に通知したい時に便利で、効果的な機能がいろいろあります。
主な機能は次の通りです。
・メールやSMSに加えて、LINE公式アカウントでも再入荷通知を送ることが可能
・無料プランでも、メールテンプレートを自由に利用して見出し、テキスト、色、画像の変更が可能、HTMLを編集した新しいメールテンプレートも作成可能
・メールやラインでは画像を使ったボタンも登録することができる
URL:https://apps.shopify.com/privy?locale=ja
購入や問い合わせなどのコンバージョン率の向上を目指すアプリとしておすすめです。クラウドコミュニケーションプラットフォーム、Twilioによって作られています。
グローバルにSMSマーケティングが行えるようになり、別契約ですが企業と顧客が双方向で長文のメッセージが送受信できるアプリです。
主な機能は次の通りです。
・簡単なコードだけで作成可能
・企業と顧客が双方向で送受信できるようになる(別途契約)
・最大660文字対応で長文の送受信が可能
・あらゆる言語と絵文字でメッセージが可能
「SMS、Eメール、プッシュ」は、コマース プラットフォームのFirepushによって作られています。
カゴ落ちをSMSや自動的に新しいメッセージを届けるプッシュ通知によって復元させる機能を持っています。購入までに至るよう、コンバージョン率を上げるメールを送信します。
主な機能は次の通りです。
・SMSとプッシュ通知などでメッセージを送ることでカートを復元
・ECサイト訪問者に絞り、コンバージョン率を上げるメール送信を行う
・より細かな最新情報や商品情報などをSMS、Eメール、プッシュ通知などで送信するのに便利
SMSマーケティングについて解説しました。
SMSの開封率は高く、マーケティングとして活用するのにおすすめです。
ただ、SMSマーケティングではいくつかポイントがあり、送信する際には不審がられないようにすることも大切なポイントです。
また文字数も限られていますので、何を伝えるのかを明確にして、ECサイトへの誘導を考える必要があります。
SMSマーケティングでは、特にカゴ落ちの顧客へのSMS送信が大切です。
購入に至るまでのコンバージョン率を高めることが大切ですので、開封率の高いSMSを有効に活用するのがおすすめです。
その他、商品再入荷のお知らせ、配達状況のお知らせ、新商品情報のお知らせなどなど、情報として貴重な価値があるものを受け取ってもらうように配信していくといいでしょう。
そして、ECサイトとして多く利用されているShopifyでは、SMSマーケティングに関しても専用のアプリを豊富に揃えています。Shopify本体にも機能がありますが、専用アプリが多いのも魅力です。
専用アプリならば、簡単に様々な編集をしてSMSを自動送信することが可能になり、文字数もたくさん増やせるアプリがあります。それぞれのアプリの特徴を活かして利用してみるといいでしょう。
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