アメリカのシリコンバレーから始まったと言われている「D2C(ディーツーシー)」。
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、”消費者に対して商品を直接的に販売する仕組み”のことを指します。すなわち、自社で企画・製造した商品を、ECサイトなどの自社チャネルで販売するビジネスモデルのことです。
昨今大きな話題を集めているD2Cブランドが急成長した理由をご存知でしょうか?
急成長は偶然ではなく、計算されたマーケティング手法を駆使してユーザーを集客し売上に繋げました。
今回は、そんな最新のマーケティング手法をご紹介いたします。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーと呼ばれるSNS上で影響力を持つ有名ブロガーやインスタグラマー、Youtuber(ユーチューバー)を起用したマーケティング手法です。D2C事業は仲介業者を挟まないため、消費者の購買行動に大きな影響を与えるインフルエンサーを起用したマーケティングは最適な施策であると考えられます。
昨今ではインフルエンサーがプロデュースするD2Cブランドも増加しています。元AKB48の小嶋陽菜さんがプロデュースするファッションD2Cブランド「Her lip to」は、発売開始1分で完売になるほどの人気ぶりです。
KOL(Key Opinion Leader)マーケティング
KOL(ケーオーエル)とは、Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)の略称名です。
中国にて流行しており、インフルエンサーマーケティングの進化形と呼ばれているマーケティング手法です。
基本的にインフルエンサーマーケティングと似ており、影響力を持つ人に商品を紹介してもらうというものです。
KOLとインフルエンサーは似ていますが、大きく違うのは専門的な知識を持っていること。
つまり、インフルエンサーに比べて専門性のあるKOLの方がフォロワーへの影響力が強いため、より効果の良い結果が見込めます。
事例として中国で有名なWeiboというサービスでは、赵梦玥UUというモデル出身の方が人気です。
モデル出身とあってコスメやファッションなどに造詣があり、500万以上のフォロワーを抱えており絶大な影響力を持っています。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、自社コンテンツの制作と発信を通して消費者を顧客化し、自社ブランドのファンに育てるマーケティング施策のことです。具体的な例ですと、自社ECサイトに記事コンテンツを用意することや、SNSを利用した情報発信やプロモーションなどが挙げられます。
糸井重里が主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」は代表的な成功事例と言えます。
メディア内にアドネットワーク広告の枠は設置されておらず、ほとんどが物販による利益と推定される中、過去には50億円にものぼる売上高を出しています。(※参照元:http://kanpo-kanpo.blog.jp/archives/26469030.html)
求められる記事コンテンツや動画コンテンツを制作・発信することで、顧客をファン化することに成功しています。ファンを増加させることで、競合との値下げ競争から離脱でき売上が増加するとともに、人的リソースを顧客サービス向上やマーケティング施策にさくことが可能になります。
詳しく読みたい
▶︎コンテンツマーケティングとは?基本説明からECサイトの成功事例まで【ECサイト担当者向け】
UGC
UGC(ユージーシー)とは、User Generated Contentの略称名です。SNSにアップされたレビュー投稿などの一般ユーザーによって作れられたコンテンツのことを指します。
遠い存在のインフルエンサーよりも、身近な一般ユーザーの高評価なレビューを見ることによって信頼性が上がり購入に繋がります。一般ユーザーの行動なので、コントロールが難しいですが、実現できたら高い効果が見込めるマーケティング施策です。
成功事例として、公式オンラインストアや全国1,000店舗以上の小売店での販売に止まらず、中国や韓国のアジアからイギリス・フランスなどのグローバル展開を行い、現在大注目のメンズスキンケアD2Cブランド「BULK HOMME(バルクオム)」が挙げられます。
BULK HOMMEは、LPやSNS広告にユーザーのinstagram投稿を起用したことにより、1年で新規獲得数が10倍増加しました。※参照元:https://seleck.cc/1241
詳しく読みたい
▶︎UGCとは?ECサイトと相性抜群の施策を徹底解説【5つの成功事例付き】
O2O
O2O(オーツーオー)とは、Online to offlineの略称名であり、オンラインとオフラインを行き来を促すマーケティング施策のことを指します。具体例としては、訪れたユーザーに実店舗で利用可能なクーポンを配布して、デジタルからリアルへと行動を誘導する施策などが挙げられます。
成功事例として、米国のスターバックスが挙げられます。アプリで注文が完了し実店舗で直ぐに商品を受け取りできる施策を米国のスターバックスが行ったところ、この方法での注文は売上の10%を達成しました。webを利用して注文してもらうことで、データドリブンなマーケ施策が行えたり、オンライン上で実店舗への集客を行うことができます。
詳しく読みたい
▶︎O2Oとは?O2Oの目的から実践例まで徹底紹介【成功事例付き】
OMO
OMO(オーエムオー)とは、Online Merges with Offlineの略称名です。オンラインとオフラインの境をなくし、消費者のあらゆる行動をデータとして集約し、UX(顧客体験)を向上させるためのマーケティング施策のことを指します。
具体例としては、商品に付属しているQRコードを読み取ると、商品の詳細情報や購入者のレビューをその場で確認できるなどが挙げられます。
この行動によって、実店舗で商品を見た/詳細情報を調べた/レビューを確認した/というデータが個別IDに紐づけられて蓄積されます。このようにデータを蓄積することで、各消費者にカスタマイズされたマーケティング施策を展開することが可能になります。
国内の成功事例としては、全国に店舗展開を行っている「RF1(アール・エフ・ワン)」が挙げられます。レストランでQRコードを読み取るだけで注文から決済までが完了させるという仕組みを取り入れ、オペレーション負荷軽減し、月間のオーダー数が倍以上伸びました。
UI/UX/CX
UI(ユーアイ)とはユーザーインターフェースの略称名であり、ユーザーに見えて触れる部分を指します。ECサイトでいうと、デザインなどの全ての情報がUIとなります。
UX(ユーエックス)とはユーザーエクスペリエンスの略称名であり、UIを通して得られる体験を指します。ECサイトでいうと、デザインなどの情報に対して「使いやすい」や「美しい」などの感想がUXとなります。
CX(シーエックス)とはCustomer Experience(カスタマーエクスペリエンス)の略称名であり、ユーザーが商品を認識・検討・購入・購入後の使用感など、商品にまつわるすべての体験のことをさします。
CXを向上させた成功事例として、昨今注目を集めているスーツD2Cブランド「FABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ)」が挙げられる。店舗に行き数時間かけて注文していたオーダーメイドスーツを、オンライン上から簡単に注文できる“スマートオーダー”という体験と、D2Cだからこそ実現する安価さを提供することで話題と人気を集めました。
そして、オンラインショップをリリースしてから約3年で東京を中心に7店舗を構えるまでに事業が拡大しました。
まとめ
今回は、昨今流行のD2C(ECサイト)の最新マーケティング事情についてご紹介いたしました。
ご存知の用語はいくつありましたでしょうか?
ネットショップは作るだけでは効果は出ません。
売れるデザインをカスタマイズし、ECサイト内のデータを整理し、どこに問題があるのかを洗い出します。
問題に対して最適なマーケティング施策を行うことで、EC事業を成長させることができます。