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UGCとは?ECサイトと相性抜群の施策を徹底解説【5つの成功事例付き】
ECサイトで売上を増大する方法は訪問者数、成約率、客単価を高めることです。
このうち訪問者数と成約率を高めるのに有効な手段の一つとしてUGC(ユージーシー)の活用があります。
UGCという言葉は聞いたことがあっても気にはなるけど、どのようにしてUGCを実施すればいいのか分からないというECサイト運営者の方は多いのではないでしょうか。
今回はそんな運営者の方のために、UGCを使ってECサイトの売上をアップする方法をご紹介します。
UGCの説明からメリット・デメリット、向き不向きの商品・サービス、事例紹介まで説明します。
コストパフォーマンスの良い販売促進手段を探しているECサイト運営者はぜひ参考にしてみてください。
「ECサイトの売上アップのために色々やったが効果が上がらない」
「ECサイトのファンを増やしてリピート率を高めたい」
「インスタグラムの公式アカウントがあるが上手く活用できていない」
といった悩みを持っているECサイト運営者には必見の記事です!
目次 1. UGCとは 2. UGCの種類 4. UGCのメリット・デメリット 4-2. デメリット 8-1. UGCの収集 8-2. UGCの拡散 8-3. 効果検証・改善 9-1. レゴ:みんなのレゴユニコーン 9-2. フィトリフト:お肌悩みコメントに合わせたスキンケアを10名様にプレゼント 10. ECサイトでのUGCの活用例 10-1. PHOEBE BEAUTY UP 10-2. NICORIO(ニコリオ) 10-3. WAKAZE 11. まとめ |
UGCとは?
UGCは「User Generated Contents」の略称で、ユーザによって作られたコンテンツを意味します。
「ユーザ」を「消費者」もしくは「購入者」と言い換え、コンテンツの内容を商品やサービスに関することとすると、ECサイトにおけるUGCの意味がより明確になります。
もう少し具体的に説明すると、消費者によるインスタグラムなどSNSへの写真やテキストによる投稿、オンラインモールの商品レビュー、ブログに投稿されたレビュー記事がUGCに該当します。
インターネット普及以前では、アナログ的な隣近所や友人間の口コミや専門雑誌への投稿記事程度しかなく拡散度合いや数量において極めて限られていました。インターネットとスマートフォンの普及により「口コミ」の拡散速度と範囲の広がり、爆発的な数量の増大によりマーケティング的に「UGC」が重要な意味合いを持つようになっています。
UGCの種類
UGCには投稿するメディア別に下記のように様々な種類があります。
SNS |
Instagram、FaceBook、TwitterなどのSNSに投稿された写真やテキスト、動画などが含まれたもの。近年、Instagramの活用が積極的 |
オンラインモールのレビュー欄 |
アマゾンなどのオンラインモールに投稿された購入者からのレビュー投稿と評価 |
口コミ・レビューサイト |
食べログ、フォートラベル、映画.com等のジャンルごとに口コミ・レビューサイトが存在 |
動画サイト |
YouTubeなどで動画による投稿が多い |
ブログ |
主にテキストと写真でレビュー記事が投稿が多い テキストでじっくりと読ませるタイプの記事があるのが特徴 |
ECサイトで何故UGCが重要なのか?
インターネットとスマートフォンが普及した現代ではテレビを持たず、新聞も購読せず、情報を得るのはスマートフォンからだけという若者が大半です。当然、購買行動を決定するのはスマートフォンを介したネットの情報になります。
しかも商品やサービスを購入する際に参考とするのは広告や販売元のサイトよりも口コミを利用することが多いです。
このような傾向は若者だけではなく上の世代でも広がっています。
商品・サービス購入時に重視する情報源として、テレビと並んで口コミサイトやSNSが上位三位までにあげられています。
このアンケートの調査結果より販売を行う上でUGCは無視出来ない存在であり、有効に活用すべきものといえます。
また、テレビなどマスメディアで広告を打つにはかなりの費用が発生しますが、UGCを利用するには上手く工夫すると比較的安価にできますので、中小のECサイトは積極的に活用すべき重要なツールといえます。
UGCのメリット・デメリット
UGCは販売促進に有効で重要なツールであることは間違いありませんが、その特性を理解して活用する必要があります。
メリット
メリットは3点あります。
・消費者への影響が大きい
・消費者視点のコメント
・改善点や新商品の気づきになる
①消費者への影響が大きい
UGCを購買時に参考にしているユーザが多いことです。
下図にあるように、口コミを目にしたことがある人は72.4%、商品購入時に参考にしている人は70%以上になります。
つまりUGCは消費者の購買行動に大きな影響を与えていますので、販促効果は大きいと考えられます。
②消費者視点のコメント
消費者ならではのコメントや使い方の提案が寄せられて、そのコメントを見た人が購買するというプラスのサイクルが生まれることが良くあります。例えばファッションにおいてはユニークな着こなしが投稿されたり、LEDライトの商品においては動画での活用方法が投稿されたりして、購買意欲を刺激することが多々あります。
③改善点や新商品の気づきになる
UGCには販売・開発元に有益な情報が含まれています。
否定的な意見でも商品の改善点の気づきになったり、新商品のアイデアとなったりすることがあります。
大手のECサイトでは寄せられるコメントやレビューなどは大量になってしまうので、AIなどを活用して自動化するケースがあるようですが、中小のECサイトではおそらく人間で対応できるレベルの数と思われます。
担当者で読んで重要なUGCは関連部署や経営幹部に上げていく仕組みを作ることが重要です。
デメリット
デメリットも3点あります。
・販売に与える負の影響
・情報の正確性
・権利侵害
①販売に与える負の影響
口コミが良くなかった場合に「購入を取りやめる」「購入を取りやめることの方が多い」を合わせると75%以上になります。
例えば初期不良が10万台に1台という商品があった場合に100万台販売されると10台は初期不良となる確率があります。
その初期不良の10台のうちの1台を購入してしまった消費者にとっては100%の不良として受け取ってしまいます。
口コミサイトに動作しない商品が届いたと書かれてしまうと影響は大きくなります。このような事態が発生した場合には迅速に対応する必要があります。メリットのところで先述した"重要なUGCは関連部署や経営幹部に上げていく仕組み"はこのようなケースでも必要な仕組みです。
②情報の正確性
専門家ではない一般の消費者が投稿しますので、事実誤認や不正確な記述のある投稿がなされることがあります。
その不正確な投稿が拡散すると自社の商品・サービスに悪影響を与える可能性があります。
③権利侵害
多くは写真による投稿で見受けられますが、撮影禁止の場所での写真や第三者の写り込みなど権利侵害にあたる投稿があります。権利者からのクレームにつながる場合があります。
UGCが有利な商品・不利な商品
UGCはほぼ全ての商品で有利な影響を与えてくれる可能性があると考えられます。
不利となる商品はたった一つのネガティブなUGCでも多大な影響を受けてしまい、そのコメントを否定するのには「ゼロリスク」を払拭するといった立証不可能なことをする必要があるような商品といえます。
例えば医薬品が考えられます。医薬品は薬効とともに必ず副作用が伴います。
ところが、そのことを理解していない利用者から、ネガティブに副作用について書かれてしまった場合、「ゼロリスク」を主張する人たちを納得させることは不可能です。このような商品はUGCによるメリットよりもデメリットが大きいので不利な商品といえます。
UGCが向いてる商品・サービス
UGCに向いている商品やサービスの特性としては、
1. 人の感性に訴えるもの
例)ゲーム、コスメなど
2. 自己表現につながるもの
例)音楽、小説、映画
3. 承認欲求を満たすもの
例)高級ホテル、高級レストラン、おしゃれなカフェなど
このような商品の購入者は購入体験を誰かに語りたくなり、潜在的な顧客はUGCに感性を刺激されて購入する確率が高いです。
UGCが向いていない商品・サービス
UGCに向いていない商品やサービスの特性としては、
1. 日常品で普段購入しているもの。
例)トイレットページ、電池、ゴミ袋など
2. 他人に利用していることを知られたくないもの。
例)アダルト商品、カウンセリングなど
3. 独占的な商品やサービス
例)水道など
4. 病院から処方される医薬品
ただし、例外はあります。
・日常品でも特別なキャラクター商品や画期的な性能を持ったものなど特別な商品
・匿名性が担保されている場合
ECサイトでのUGC活用方法
UGCを活用するには次のようなサイクルを回す必要があります。
UGCの収集→UGCの拡散→効果検証→改善→最初に戻る
①UGCの収集
UGCを収集するには、まずはユーザに書いてもらう動機付けが必要です。
動機付けが必要な理由は、下図にあるように口コミやレビューを月1回以上投稿しているユーザは22%弱しかいないためです。
さらに言えば22%の人たちはおそらくネット経由で複数の商品やサービスを購入していると考えられますので、複数の中からあなたの商品について投稿してくれるかどうかはユーザ次第となります。販売者から見ると投稿される率というのは22%よりも、さらに低いものと思われます。
ではどのように自社商品の投降を促すのでしょうか?下記のような施策が投稿数のアップにつながります。
投稿してもらうための動機付け
1. クーポンの付与
2. プレゼント
3. フォトコンテストの実施
投稿のハードル軽減
1. シェアしたくなる画像の提供
2. “映える”画像を撮るためのTIPS提供
3. Q&Aページの設置
◼︎投稿内容の誘導
1. 特定商品のレビューにクーポン付与などの実施
2. 誘導方向に合致するレビューに販売元からのリツイートなどのリアクション
②UGCの拡散
ユーザの声を掲載したサイトのリンクをSNSで拡散してもらうために、フォロー・リツイートしてくれたユーザにプレゼントするキャンペーンの実施したり、ハッシュタグを指定して商品のレビューのツイートを募集したりなどで拡散します。
③効果検証・改善
Googleアナリティクスやリツイート数やフォロワー増加数などで効果検証を行います。
売上や認知度向上に役立つ施策やUGCが見極めをして改善していきます。
UGCの成功事例(キャンペーン事例)
レゴ:みんなのレゴユニコーン
レゴ・ジャパンと株式会社朝日新聞社がコラボレーションして行ったキャンペーンです。
レゴブロックを使って空想上の動物である「ユニコーン」を創って、できあがった作品を撮影してTwitterにハッシュタグを付けて投稿するというものです。キャンペーンの特徴として、SNSと新聞という二つの異なるメディアのコラボレーションという点と投稿した作品が新聞広告にも掲載されるかもしれないという点です。
新聞広告に掲載されるかもしれないという点が投稿する動機付けに上手く使われている点です。
フィトリフト:お肌悩みコメントに合わせたスキンケアを10名様にプレゼント
株式会社Jコンテンツのコスメブランド「フィトリフト」がインスタグラムの公式アカウントで実施したキャンペーンです。
公式アカウントをフォローして、お肌の悩みをコメントに書いてもらった人の中から抽選でプレゼントするというものです。
キャンペーンの特徴として、「お肌の悩み」をコメントしてもらい賞品としてはそのコメントに相応しいコスメが届くというものです。お肌の悩みと賞品を結びつけることで、お客様の生の悩みの声が聞けるということと、単なる一行コメントではなくちゃんとしたコメントが期待出来るという仕組みになっています。
ECサイトでのUGCの活用例
PHOEBE BEAUTY UP
「PHOEBE BEAUTY UP」はDINETTE株式会社が運営しているコスメブランドのオンラインストアです。
インスタグラムで「PHOEBE BEAUTY UP」に関連したハッシュタグを付けた投稿がされたのを引用して、商品LPのリンクを付けて同ブランドのインスタグラムのアカウントから投稿するということをしています。引用して投稿する際には、投稿してくれたユーザのタグ付けと感謝のコメントが付けられています。
また、「PHOEBE BEAUTY UP」のサイトにはトップページや商品ページにユーザが投稿したインスタグラムが掲載されています。ユーザが投稿したインスタグラムの掲載の仕方は「PHOEBE BEAUTY UP」の世界観が崩れないようにうまくデザインされています。コスメブランドとしては世界観が崩れないように活用するというのは大事なポイントだと考えられます。
効果としてCVRが1.27倍に改善されたそうです。
NICORIO(ニコリオ)
「ニコリオ」は株式会社ニコリオが運営する機能性食品のオンラインストアです。
機能性表示食品「フラボス」の新規ユーザ獲得のためのLPページに、「みんなのレビュー」というタイトルで購入者が投稿したインスタグラムを掲載しています。また、掲載に際しては購入対象者の興味を引くと思われる内容が含まれた投稿を選んで掲載したとのことです。加えて、写真については様々なバリエーションとなるよう投稿を選んで、効果検証としてどの投稿のクリックが多いかを測定しています。
効果としてCVRが1.1倍に改善されたそうです。
LPページ URL:https://www.nicorio.co.jp/d/1fv_ji/
WAKAZE
WAKAZEは株式会社WAKAZEが運営している日本酒のオンラインストアです。
WAKAZEのオンラインストアのトップページに「#みんなのWAKAZE」というタイトルで、購入者が投稿したインスタグラムが掲載されています。購入者がWAKAZEの日本酒をどのように楽しんでいるかがわかるような選び方をしています。
ボトルのデザインからするとワインのテイストかと思われるのですが、やはりワイングラスで飲まれている写真の掲載が多いように感じます。
また、商品ページにはコメント欄が設けられています。自由に投稿ができるようで「自分には合わなかった」というよなネガティブなコメントも掲載されています。マイナス意見がしっかり取り上げられているのも消費者の信頼性を担保するための施策の一つです。効果としてCVRが1.1倍に改善されたそうです。
まとめ
UGCは上手く活用すると非常にコストパフォーマンスの良い販売促進手段となります。
UGCを活用するためには購入者にレビューを投稿してもらう必要があります。レビューを書いていただける購入者はある意味で自社の商品のファンといえます。ファンを作るために本記事でご紹介した事例を参考に様々なキャンペーンなど工夫をしてみてください。
最近では若い世代を中心に検索するプラットフォームとしてInstagram(インスタグラム)が使われています。
ハッシュタグで上手く検索することにより、商品やサービスのイメージが写真で一瞬にして多くの情報量を得ることが出来るからです。つまり、Google検索だけを意識したSEO対策では不十分な時代です。
UGCを活用することはGoogle検索とは違う手段で検索するユーザ層を捉まえることが出来ます。
また、UGCを自社サイトに掲載するに当たってはユーザに掲載許可を得ることになります。
この掲載許可はオンラインストアとユーザとのコミュニケーションとなり、信頼関係を築く一助にもなりますのでリピートオーダにもつながる可能性があります。UGCの活用はメリットの多い施策ですので、積極的に実施してみてください。