目まぐるしく顧客のニーズが変化する現代では、コト消費のブームにより顧客の成功体験や顧客満足度を高める動きが企業に求められるようになりました。
顧客の満足度を高めるためには顧客心理を理解する必要があり、近年ではCS分析やVOC分析を用いる企業が増えてきています。
そこで本記事では、VOCについて分析の方法からポイント、重要性まで徹底解説しています。
「VOCって何?」
「VOC分析の方法を知りたい」
「VOC分析を自分の会社に活用したい」
などとお考えの方に必見の記事です!!
目次 1. VOCとは 2. VOC分析とは? 3. VOC分析の重要性 3-1. 顧客ニーズを取り入れたマーケティングが展開できる 4. VOC分析の方法 4-1. VOC分析の目的を決める 5-1. 収集方法の選定 5-2. システムの導入 6-1. 見える化エンジン 6-2. Re:lation 7. まとめ |
VOCとは「Voice Of Customer」の略称で、日本語に訳すと「顧客の声」となります。
「顧客の声」はコールセンターに入った顧客からの問題点や質問、相談などだけではなく、企業が行うアンケートやインタビュー、SNS、口コミサイトなどで発信される情報も含みます。
つまり「顧客の声」とは、顧客満足度を高めたいと考えている顧客の声のことです。
企業が提供する商品やサービスは、全てその対象者である顧客の満足度を高めるためにあります。
この「お客様の満足度」は通称カスタマーサティスファクション(CS)と呼ばれ、このCSを高める施策のことを一般ではCS向上と呼びます。
CSを向上させるためにはお客様の声が必要不可欠であり、VOCをうまく活用し分析することができれば、最も効率的にCSを向上させることが可能です。
このことから、近年ではVOCを用いた分析は企業にとって欠かせないものになっています。
「顧客の声」を収集し、分析することで、自社の商品やサービスに対して
1. 満足している点
などを知ることができ、今後のビジネスを展開する上で必要な商品やサービスの改善、新規商品企画などが行えます。
CS分析に関して詳しくは下記記事にて説明しているので、気になる方は是非ご覧ください
CS分析とは?顧客満足度を分析する、クロス集計とポートフォリオ分析のやり方まで徹底解説!
VOC分析は、1990年代後半から広まったコールセンターのシステム化による顧客との応対履歴が保存されるようになって行われるようになった分析方法です。
ほぼ同時期の2000年前後にテキストマイニング技術が誕生し、その後、進化したことにより大量のテキストデータを高速に精度良く分析できるようになりました。
また、2005年に発覚した「保険金不払い事件」を契機にVOC分析の重要性を経営者と監督官庁が認識したことが後押しになっています。
近年、AI技術とクラウドの進展によりVOC分析システムがコスト的にも、使いこなし的にもハードルが下がってきています。
「顧客の声」の収集先としてはコールセンターやアンケート、インタビューといった顧客から企業、企業から顧客といったルートだけではなくSNSや口コミサイトなども対象となります。
顧客の商品やサービスへの直接的な要望や指摘だけではなく、「好き」「楽しい」といったポジティブな内容なのか、「嫌い」「怒り」といったネガティブな内容なのかも分析できるのがVOC分析の強みです。
インターネットとモバイルデバイスの進化と普及により、消費者の購買行動に対してVOCが大きな影響力を持つようになっています。
そこで、VOCの重要性について解説していきます。VOCの重要な点は、以下の4点です。
・顧客ニーズを取り入れたマーケティングが展開できる
・自社の課題の発見・改善
・行動理由の把握
・顧客満足度の向上
現代はほとんどのカテゴリーで様々な企業の商品やサービスが提供され、消費者はネットから情報を簡単かつリアルタイムで手に入れられる状況にあります。
消費者にとっては自分のニーズにあった商品やサービスを多くの選択肢の中から選べることができますし、消費者自身のニーズは情報によって短期間で変化します。
商品やサービスの提供者にとってはターゲット顧客のニーズをジャストインタイムで把握してマーケティングに活かし、競合との差別化を図る必要があります。
そこでVOCをSNSや口コミサイト・アンケートなどで収集し分析することができれば、消費者のニーズを適切に把握することが可能になります。
VOCの収集と分析を行うことにより自社の各部門で課題の発見と改善を行うことができます。
・マーケティング部門
自社の商品やサービスの改善点が抽出できます。また、新商品開発につながる要望を得ることができます。
さらに、自社の強みを活かせるターゲット層がどの辺りに存在するか予想することも可能です。
・広報部門
ポジティブな評価をしているVOCを広報に利用することにより説得性の高いリリースにすることができます。
また、広報宣伝活動のフィードバックとして利用することで適切に改善することができます。
・品質部門
商品やサービスの不具合を初期段階でキャッチ出来るため、大事に至る前に対処することが可能です。
商品やサービスに不満を持っている人のうちクレームを言う人はたったの4%です。(グッドマンの法則より)
商品を購入しなかった人がなぜ購入しなかったかを販売店へ言うことはありませんし、ECサイトでの行動からもわかりません。
しかし、VOCの収集と分析を行うことにより上記のような「顧客の声」を捉まえることができるようになり、顧客心理を理解することが可能になります。
VOCの収集と分析を行うことにより「顧客の見える化」が行われ、要望やクレームに適切に対処することにより顧客満足度が向上します。
顧客満足度が高まると自社の商品やサービスをリピート購入する可能性が高くなるため、LTV(顧客生涯価値)が高まり売上向上と利益率改善に寄与します。
VOCを自社の事業で活用する流れは以下の通りです。
1. VOC分析の目的を決める
となります。
それぞれのステップについて以下に説明します。
インターネットが普及した現代ではVOCを集めるハードルは低いので大量の件数を集めることができます。
大量のVOCを対象に分析して有意な施策を打ち出す必要がありますので、作業の開始時点で目的を明確にすることが重要です。
たとえば以下の様な目的が考えられます。
・20代向けの商品を開発するために必要な情報を収集したい
目的を決める際には顧客との接点を持つ部署の意見を参考にするのもいいでしょう。
また、最終的なゴールを定めて、その効果測定のための具体的な方法についても選択しておきましょう。
目的に沿った収集先を選びます。
自社商品もしくはサービスの不満についてはコンタクトセンターに寄せられた電話やチャット、問合せフォーム、メール、SNS、口コミサイトなどが収集先の候補になります。
新製品のためのVOCであればインタビューやWEBアンケートなどが主な対象となります。
収集先を一つにすると対象者が偏ってしまうおそれがありますので、複数用意するようにします。
VOCの分析結果を社内の関係部署と共有し、活用します。
以下の様な活用が考えられます。
部門 |
活用内容 |
マーケティング部門 |
自社商品やサービスの問題点や改善点を抽出し、より競争力のあるものする。 |
営業部門 |
ポジティブなVOCを見込客へのアピールの材料として活用する。 |
サービス部門 |
顧客への回答をスムーズに行うためにFAQ構築・整備に使用する。 |
品質管理部門 |
商品・サービスの不具合や不満、要望を分析して品質向上に役立てる。 |
施策を行った後にNPSやアンケートなど、あらかじめ選択した方法で効果測定を行います。
VOC分析を定期的に繰り返すと時系列で効果を検証することができますので、より精度の高い打ち手を打つことが可能となります。
NPSに関して詳しくは下記記事にて紹介していますので、気になる方は是非参考にしてください。
NPS®とは?顧客満足度との違いから特徴や効果的な活用方法まで徹底解説
VOCの収集は収集先を偏らず、さらに適切な収集先を選択する必要があります。
下記に複数の収集先について説明しましたので参考にしてみてください。
[電話・コールセンター]
顧客からの問合せを受ける窓口としてコールセンターが設置されている場合は対応履歴からVOCを集めることができます。
お客様とのやり取りを直接行えますので他の手段よりも多くの情報を得ることができます。
また、声のトーンや話し方などから顧客の感情を推測できるのも電話の強みです。
ただし、顧客にとって電話をかけるという行為はハードルが高いので、強い動機を持った顧客のVOCに偏るという点にも配慮する必要があります。
[チャット]
チャットはスマホやPCに慣れた顧客層では電話よりもハードルは低くなります。
テキストベースでのやり取りですので電話よりも対応履歴を残しやすい利点があります。
その反面、顧客の感情面が把握しにくいデメリットがあります。
[メール・問い合わせフォーム]
チャットよりもさらにハードルが低いのがメールや問い合わせフォームです。
一方的なコミュニケーションとなりますので情報量は少なくなりますがより多くのVOCを集めることができます。
[SNS・口コミサイト]
購入した商品や利用しているサービスの感想やレビューを自身のSNSアカウントに投稿したり、口コミサイトに投稿したりする人が増えています。
メーカーや販売者に忖度しないストレートな感想やレビューを得られる可能性が高い場所です。
テキストマイニング技術の進歩でツールを使うと大量のVOCを短時間で収集することができます。
しかし、SNSや口コミサイトに投稿する顧客層には偏りがある点を注意が必要です。
[ECサイトレビュー]
SNSや口コミサイトとは違って、自社ECサイトのレビュー欄やアマゾンなどのレビュー欄であれば購入した人に絞ったVOCを集めることが可能です。
[顧客アンケート・インタビュー]
顧客からの働きかけではなく自社からのアプローチでVOCを集めるのが顧客アンケートやインタビューです。
何を聞きたいか、誰に聞きたいかを自社でコントロールできます。ただし、他の収集先と比較するとコストが発生するのがデメリットとなります。
コールセンターからVOCを収集するには対応するオペレータの負担が大きくなるおそれがあるため、音声認識ツールや問い合わせ内容を簡単に入力できるツールの導入検討すべきです。
また、SNSや口コミサイトなどには大量のVOCが存在するため手動では不可能なため収集や分析は専用システムを導入して行う必要があります。
「見える化エンジン」は株式会社プラスアルファ・コンサルティングが開発・運営しているテキストマイニング・ソリューションです。
データ取り込み上限が15億件で若者言葉やトレンドも抽出可能なエンジンです。
また、データ活用する上で相談にのってくれるコンサルタントも用意されています。
特長は以下の通りです。
1. 幅広いデータソース
SNS:TwitterやInstagram、ブログが対象
問合せ:チャットやメール、コールログが対象
社内アンケート
2. モニタ調査
直感的なUIによるデータをわかりやすく見える化
経営者向け、商品企画向け、営業向けのサマリー
データソース毎の自動レポート作成
3. 高精度な自然言語処理技術
生活者トレンドの把握
顧客体験の見える化
CS・NPS評価工場
リスク検知
アイデア創出
販促施策の反響分析
開発・運営会社 |
株式会社プラスアルファ・コンサルティング |
料金 |
問合せ |
公式サイト |
|
電話 |
03-6432-4016 |
株式会社インゲージが開発・運営している「Re:lation」は電話やメール、LINEなどの顧客からのコミュニケーションチャネルをまとめて管理して、漏れのない顧客対応を支援するシステムです。
以下の機能が提供されています。
1. マルチチャネル
下記の様々なコミュニケーションチャネルを一元管理
メール、電話、チャット、LINE、RMS、SMS、問合せフォーム、楽天あんしんメルアド、Yahoo!ショッピング
2. 対応、応対メモ、Twitter連携
Twitterソーシャルリスニング
キーワード登録することにより該当ツイートが自動的に受信箱へ
3. 対応アンケート機能
対応品質のアンケート調査~分析
開発・運営会社 |
株式会社インゲージ |
料金 |
問合せ |
公式サイト |
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問合せ |
成熟期に入った市場では、顧客の声を経営に活かす「顧客志向経営」が重要です。
いち早く顧客のクレームに反応することや好みの変化などを捉え社内の各部門で対応することが必要となります。
「顧客志向経営」を支えるのがVOC分析になります。自社の商品やサービスにあったVOCの収集と分析をすることで顧客の創造と維持を行ってみてはいかがでしょうか。
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