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NPS®とは?顧客満足度との違いから特徴や効果的な活用方法まで徹底解説

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NPS®とは?顧客満足度との違いから特徴や効果的な活用方法まで徹底解説

 

メールやアプリの起動時・終了時に次のようなアンケートを受け取ったことはないでしょうか?

 

「あなたは○○を友人や同僚にどの程度お勧めしたいと思いますか?」(○○には商品名サービス名が入ります)

 

こんなシンプルな質問で何を測定しようとしているのか、不思議に思ったことはないでしょうか? 

 

実はこのアンケートはNPSというもので、顧客ロイヤルティを数値化するものです。

数値化することにより顧客ロイヤルティを獲得するための改善点などを知ることができます。

 

顧客ロイヤルティは昨今の成熟化した社会や市場では非常に重要となる概念です。

 

今回の記事ではNPSについて、定義や計算方法、そのメリットについて解説しています。

 

「顧客満足度調査をしたら高い数値が得られたけれど売上が上がらない」

「NPSについて最近、目にしたり耳にしたりするけれど今ひとつわからない」

「経営幹部からNPSの調査をしていないのかと聞かれて困ってしまった」

 

などと考えている方には必見の記事です。

 

 

NPSとは?

 

NPSとは?

 

NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略称で、「正味推奨者比率」と訳され顧客ロイヤルティを数値化した指標です。

 

NPSが登場した背景には「顧客満足度」調査では不十分であるということが分かってきたからです。

 

Satmetrix社の調査では顧客満足度調査で「満足」と回答していたにもかかわらず、そのうちの約8割は解約してしまったという結果が得られています。

 

この結果は商品やサービスに満足していても再度購入してくれるとは限らないし、継続的なお客様になってくれるとは限らないことを表しています。

つまり、お客様が将来にわたって自社の商品やサービスを継続的に購入してくれるかどうかは顧客満足度調査では分からないということであり、別な指標が必要となりました。

 

その別な指標として2003年に米国コンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー社」のフレドリック・F・ライクヘルド氏が発表したのがNPSでした。

 

NPSは欧米の上場企業の1/3が利用していると言われている指標です。

 

 

NPSの計算方法

 

NPSの計算方法

 

計算方法

 

NPSの顧客ロイヤルティを測定するための質問は、以下のような問いかけが基本的な例の一つです。

 

「あなたは商品を友人や同僚にどの程度お勧めしたいと思いますか?」

 

そして、回答は0~10の間で回答してもらいます。0は「全く思わない」から10は「非常にそう思う」までの11段階で回答者がどの程度思っているかを回答してもらうというシンプルなアンケートです。

 

NPS 例

 

上記の図のように0~6を批判者、7~8を中立者、9~10を推奨者と3つに分類します。

 

カテゴリ

点数

説明

推奨者

9~10

推奨者は商品やサービスのファンです。友人や同僚にお勧めしてくれますし、再購入もしてくれます。また、口コミサイトやSNSなどに好意的なコメントや評価を書いてくれます。

中立者

7~8

中立者は商品やサービスに満足していますが特に友人や同僚に勧めてはくれません。また、競合商品に容易に乗り換えます。

批判者

0~6

批判者は商品やサービスに満足していません。友人や同僚に批判的に紹介する可能性があります。また、口コミやSNSへ批判的なコメントを書く子もあるかも知れません。他社の商品やサービスに容易に乗り換えます。


NPSの指標は以下のように算出します。

 

NPS = 推奨者の割合 - 批判者の割合

 

たとえば推奨者が40%、中立者が30%、批判者が30%の場合は、

 

40 - 30 = 10

 

NPSは10となります。

 

 

業界別のスコア

 

日本人の場合は国民性から極端な数字を付けることはせずにほどほどの真ん中あたりの数字を回答するのではないかという懸念が容易に浮かびます。

 

アンケートが提示されるときには推奨者、中立者、批判者の区分けはされずに質問されますので5~7程度に集まる傾向があるのではないかと思われるでしょう。

NPSの計算方法では5と6は批判者に区分けされてしまいます。

 

実際にメルボルン大学のハージング教授の研究(※)で日本人はアンケートの回答が中心により易いことが示されています。                    ※Response Styles in Cross-national Survey Research: A 26-country Study Anne-Wil Harzing August 1, 2006

 

このようなことから日本ではNPSのスコア値がマイナスであることが多いです。

つまりマイナスだからダメという判断をするのではなく、時系列で並べてみて改善されているのか、競合他社と比較してどうなのかという分析をすることが重要です。

 

したがって、NPSを行う場合には経営幹部には十分にスコア値について事前に説明しておかないと、マイナス値だけを示してしまうと思わぬハレーションを起こしてしまう場合があります。

 

業界別のスコアについて次に示します。

 

業界

1位企業名

1位スコア

平均値

人材派遣

マイナビワークス 

-28.7

-44.4

動画配信サービス

Netflix

-0.4

-26.4

銀行

ソニー銀行

-33.1

-49.1

ネットスーパー

ライフネットスーパー

3.1

-19.7

アパレルECサイト

ZOZOTOWN

-13.3

-21.7

ネット証券

GMOクリック証券

-35.0

-39.9

通販化粧品

FANCL(ファンケル)

-11.2

-21.6

出典:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 NPS®業界別ランキング&アワード

 

上記の結果を見て分かるとおり、NPSスコアは日本においてマイナスが普通といえます。

 

 

NPSと顧客満足度(CS)の違い

 

NPSと顧客満足度(CS)の違い

 

顧客満足度とNPSの違いは消費者に問いかけている質問の内容にみることができます。

 

NPS

顧客満足度

あなたは○○を友人や同僚にどの程度お勧めしたいと思いますか?

あなたは○○に満足していますか?

 

NPSは親しい人に勧めたいと思うかを問うていて、顧客満足度は購入した商品やサービスが自分の期待通りだったかを問いています。

 

顧客満足度の「期待通り」というのは競合他社が同様に「期待通り」の商品やサービスを提供すれば容易に乗り換えられますが、NPSの親しい人へ「お勧め」できるということは競合他社にはない価値を認めていることになり容易には代替できないものです。

 

また、違う観点から両者を比較すると以下のようになります。

 

NPS

顧客満足度

将来にわたる評価

現時点の評価

感情として価値観や世界観を評価

理性的に機能を評価

 

上記の違いからNPSは将来の業績に連動することと、競合他社への移行性を示すといえます。

 

これらのことはフレドリック・F・ライクヘルド氏が「業績につながる顧客行動を測定できる質問は? 」という観点で32業界を対象に調査した結果に表れています。

 

質問

その後の購買・推奨行動と相関が高かった業界数

その会社を友人や同僚に勧めますか?

11

その会社はロイヤルティを持つに値しますか?

8

その会社から商品やサービスを継続購入しますか?

7

その会社は業界の優れた基準になりますか?

2

その会社は取引しやすいですか?

1

次もその会社を選びますか?

1

その会社は革新的な解決策を用意していますか?

1

その会社に満足していますか?

1

 

「その会社を友人や同僚に勧めますか?」という質問がその後の購買・推奨行動がトップで「その会社に満足していますか?」が最低というのはNPSと顧客満足度の違いを象徴しています。

 

 

NPSを利用するメリット

 

NPSを利用するメリット

 

 

成熟社会・成熟市場への対応

 

現在の日本は少子高齢化などの影響で新規ユーザーを獲得するために莫大なコストがかかります。

そのため安定的に売上と利益を上げていくには新規ユーザー獲得よりも既存ユーザーを継続的に購入して頂け、さらに周囲にお勧めもしていただけるロイヤルカスタマーを増やすことが重要になっています。

 

これは新規顧客を獲得するには既存顧客の5倍かかると言われる「1対5の法則」、顧客離れを5%改善すると25%の利益改善が見込める「5対25の法則」と言われていることからも有効なマーケティング戦略です。

 

下図は通販化粧品業界でのNPS分類別の1年間の購入金額(批判者の購入金額を1としています)です。

 

NPS® ベンチマーク調査

 出典:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

「NPS® ベンチマーク調査 2019 通販化粧品」

 

この調査結果から「批判者」の年間購入金額を1とした場合、「推奨者」は1.9倍購入していることになります。このことから、ロイヤルカスタマーを多く獲得することが重要かわかるかと思います。

 

ロイヤルカスタマーを獲得するのに使える指標としてNPSが存在します。

 

NPSを使うことにより自社のお客様を推奨者、中立者、批判者の3つに分類し、中立者や批判者をいかに推奨者へ移行させることが出来るかを知ることができます。また、推奨者をその位置に維持させる方法を知ることができます。

 

改善点を知るには、

「あなたは○○を友人や同僚にどの程度お勧めしたいと思いますか?」

 

という質問に合わせて、そのように判定した顧客体験を聞く必要があります。

さらに詳細化するには顧客との接点ごとにNPSを計測して改善点を明確にしていきます。

 

改善するに従って推奨者=ロイヤルカスタマーが増えることになりますので安定した売上と利益を見込めることができます。

さらに、定期的にNPSを調査することにより、推奨者、中立者、批判者の割合と数の推移を知ることにより売上の見込を立てることができます。

 

 

NPS®の効果的な活用方法

 

NPS®の効果的な活用方法

 

次に、このNPS®の効果的な活用方法についても詳しくご紹介します。

NPSを測定するための具体的な方法についてご紹介しますので、参考にしてください。

 

NPS®は、様々な事業や企業で測定してマーケティングに活かすことが可能です。

測定方法とNPS®の効果的な活用方法を知っておくといいでしょう。

 

NPS®を算出するためには、どのような質問内容を考えたらより効果的になるのかも参考にしてください。

 

 

質問内容・対象者の設定

 

 

■ NPS®算出のための質問内容1

 

NPS®算出のための基本となる質問内容は次のようになります。

 

「あなたはこの製品やサービス、ブランドなどを友人や知人など誰かに薦めたいと思いますか」

 

これによって推奨度を測ることができるでしょう。人に薦めるというのは、とても気に入っていたり、喜びや感動を感じていたり、自分も次も何らかの物やサービスをまた利用したいと強く思っていることになります。

 

 

■ NPS算出のための質問内容2

 

そして、さらに質問の回答に対して

 

「評価された際の理由を具体的に教えて頂けますか」

 

と推奨や批判の理由を書いてもらうといいでしょう。

どのような点が満足度に繋がるのかを実際に具体的に教えてもらうようにします。これを聞くことでどうしたら、NPS®値を上げ、顧客ロイヤルティを高めることができるのかが具体的にわかっていいでしょう。

 

「あなたが考える満足度とは?を教えてください」

 

と具体的に質問するのもおすすめです。

NPS®値が低い場合は、それをきちんと改善することができるように、顧客が商品やサービス、ブランドに触れる顧客体験ごとに、NPS®値にどう影響を与えたかを質問してみます。

 

例えば、次のように顧客の来店前から購入後まで、顧客との接点のポイントを細かく分析してみるといいでしょう。

 

・来店前の広告やチラシ、DM、口コミなどからのイメージ

 

・店舗への実際に行きやすいかどうか、アクセスなど

 

・商品やサービスの見つけやすさ、わかりやすさ

 

・商品やサービスの種類の多さや豊富さ

 

・商品のデザイン

 

・価格や割引などのサービス

 

・接客・対応・実際の店舗の雰囲気

 

・購入後や利用後の使いやすさや長持ち度合い

 

・返品、交換や修理などのアフターサービス

 

・その後のメルマガやDMなどのアフターフォロー

 

顧客との接点を洗い出し、NPS®の質問内容を考えてみてください。

 

どの内容がNPS®にプラス、マイナスにどう影響したのかを上記の接点内容ごとに3~5段階などで評価してもらうのがおすすめの方法です。

 

 

■ NPS®の質問内容での注意点

 

しかし、ここで注意しなければならない点もありますので、ご紹介します。

せっかくNPS®では、「誰かに薦めたいと考えていますか」と答えやすい質問内容にしていますので、あまりいくつもの質問内容を詰めこまないことが大切です。

 

答えるのが面倒なため、きちんとした回答がもらえない懸念があるでしょう。

 

 

■ NPS®算出のための質問内容3

 

また、顧客の実際の行動を分析するために次の質問をしてみるのもいい方法です。

 

「製品やサービス、ブランドについて、何人の友人や知人に実際に薦めましたか」

 

と実際の行動を聞き、顧客動向を探って傾向を見ていくのもおすすめです。

よりリアルな顧客の動向、これからの業績アップを知ることができる指標になるでしょう。

 

 

■ 質問対象者の設定は?

 

また、NPS®をどう役立てたいのかによって、質問対象者の設定も変える方法があります。

 

新商品・新サービスや今の商品・サービスを評価したいならば、広い範囲で来店した人全体を対象者として、多くの人への調査をするのがおすすめです。

 

どの内容がNPS®に影響を与えたのかを広い対象に探ることができていいでしょう。対象を広げることで、他との競合なども分析できるようになります。

 

また、地域や店舗ごとに質問対象者を設定して比較する方法もあります。どこの地域で強いのか、弱いのか、アクセスがどうなのかなどが分析できますので定期的に質問をしていくといいでしょう。

 

そして、経営層がビジネス全体について評価をしたいならば、年に1回や半年、四半期に1回などで業績を評価する際に、それまでに利用した顧客などを対象に質問するのもいい方法です。実際に利用した顧客について深く分析することができます。

 

 

多くの数を集める

 

さらに、年齢や男女なども幅広く質問対象者とすることで、商品やサービスの顧客市場を把握することができるでしょう。

 

多くの質問対象者を集めることで、それぞれの客層への対応を考えることができるようになります。NPS®は、答えやすい内容のために、多くの数の回答を得る事ができておすすめです。

 

最近ではLINEなどでも気軽に質問、アンケートを取ることが可能になり、多くの不特定多数に質問をすることができます。SNSを活用して質問してみるのもいい方法です。すぐに多くの数から分析ができて、商品やサービスに反映できておすすめです。

 

 

フィードバック

 

顧客との接点ごとに来店前から、来店時、そして購入、購入後についてNPS®への影響を質問内容にすることをおすすめしました。しかし、それと同時にそれを元に店舗ごとに現場での評価をしていくことが大切です。

 

商品やサービス自体がNPS®に影響しているのか、商品やサービスの種類や接客が影響を与えているのか、アフターサービスやアフターフォローがどう評価されているのかを詳しく分析してフィードバックしてみましょう。

 

NPS®で得た質問内容の結果によって、実際に現場にフィードバックしてすぐに変えていくことができれば効果的です。NPS®が高いかどうかは業績に比例していきますので、NPS®の細かな分析内容を用いて業務改善に活かしましょう。

 

まとめ

 

まとめ

 

NPSはシンプルでありながら現代の成熟社会に適合した強力な測定方法です。

日本においてはマイナスが多くなってしまうという傾向がありますが、競合他社や過去と比較して分析するスコアと考えれば問題なく使えるものです。

 

NPSだけではなく他の調査でもいえることですが、調査して終わりだけではなく改善サイクルをきっちりと回して改善することが重要です。そして改善サイクルを定期的に回し続けることが成功の鍵になります。

本記事を参考にNPSを効果的に活用して見てはいかがでしょうか。

 

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