近年ECサイトの発展とともに多くのブランドが立ち上がる中で、EC事業者は競合他社と差別化を図るために様々な施策を試したと思います。
商品の値段、送料、返品ポリシーの改善など売り上げにつなげる施策は多種多様です。
そこでアフターサービスに注目しているEC事業者も多いのではないでしょうか?
しかし「アフターサービスって何をすればいいかわからない」とお考えのEC事業者も多いではずです。
そこで本記事では、アフターサービスの重要性から施策、成功例まで徹底解説していきます。
目次 1. アフターサービスとは 2. アフターサービスの重要性 3-1. アフターケア 3-2. アフターフォロー 4-1. 返品・交換 4-2. 製品保証・修理 4-3. お問い合わせ対応 4-4. リサイクル回収 4-5. クーポン配信 5-1. アフターサービスと顧客満足度の相関性 5-2. LTVの向上 6-1. 対応フローが決まっている 6-2. 社内で顧客情報の共有が出来ている 7. 成功事例 7-1. レクサス 7-2. パタゴニア 7-3. ace. 8. まとめ |
アフターサービスとは、商品を購入した後に提供されるサービスの総称です。
例えば一定期間内に商品に不具合が生じれば無償で交換や修理をすることや商品の使用方法について説明することなど購入後の対応についてを指します。
顧客はアフターサービスがあることで商品を安心して購入することができます。
またEC事業者も顧客に安心して買って頂けるアフターサービスを設けることで売り上げアップにつながります。
アフターサービスを行うことで他のサイトとの差別化を図ることが可能になります。
サイトは商品を販売したとしても、競合している商品との差別化をあまり行うことができず、顧客側に大きな独自性をアピールすることが難しいです。
グローバル化によって海外からの流通も多いので、より独自性の高い製品を販売することも困難となっています。他の競合と差別化ができないなら、優位性がないので利益を得ることが難しくなるでしょう。
そこで、アフターサービスを実施してECサイトに新しい付加価値を与えることで、市場競争で優位に立てるようにする必要があります。
つまり、サイトの独自性をアピールする点で、アフターサービスは今重要視されている1つの方法といえます。
アフターサービスの中には、アフターケアとアフターフォローがあります。
どちらも、似たような言葉となっていますが、この2つには特徴があるため、しっかり確認しておくことが重要です。
アフターケアとは、アフターサービスよりも能動的な対応を意味しています。
企業の場合は顧客との距離を縮めて自社への良いイメージを高め、ファンの増加を狙います。また医療業界では手術後のリハビリテーションや管理などを行って、患者のケアサポートを充実させる狙いがあります。
アフターケアは業種によってやり方に違いがありますが、顧客へのサポート内容を充実させて顧客満足度を向上させることが目的です。アフターケアの内容が良いほどサイトとしての価値も高まるため力を入れている分野です。
アフターフォローとは商品やサービスなどを購入した顧客を対象に、問い合わせや相談があった際に販売した企業が受付けるサービスです。
顧客の中には購入した商品の使い方が分からず、どうすれば良いのか困ってしまうことがあります。
商品の使い方が分からないままだと顧客は価値を見出せず、イメージが悪くなってしまうこともあるでしょう。
しかし、アフターフォローによって困りごとの相談を受付けるなら、使い方に関して説明を受けることができるので安心感を抱くことができます。
そのため、アフターフォローを実施するなら顧客の購入意欲を上げることを期待できます。
ECサイトを運営しているなら、アフターサービスを実施することで顧客の利用率の向上を狙えます。
ただ、どのようなアフターサービスを行うべきなのかポイントを把握しておく必要があるでしょう。
ECサイトにおける有効なアフターサービスは以下の5点です。
・返品・交換
・製品保証・修理
・お問い合わせ対応
・リサイクル回収
・クーポン配信
詳しく解説していきます。
ECサイトの場合は基本的にクーリングオフ制度はないので、顧客は購入した商品を返品することができません。しかし、顧客はサイトで閲覧した商品が実際に届いた物とイメージが違い、返品したいことがあります。
その時、返品ポリシーが寛大であることで、本当に欲しかった商品と交換することができるので、顧客満足度が向上します。
また、衣類の場合はサイズが違ってしまうこともあるため、返品のアフターサービスが無いなら顧客は購入をためらってしまうことになります。ただ、商品の返品を期限を設けて実施するなら、顧客はお金が戻ってくる安心感があるため、積極的に購入してくれることを期待できるでしょう。
また、購入した商品に不備があった際に手厚いアフターサービスを行うことで、顧客の信頼も向上させることができるため、実施するのがおすすめです。
下記記事では、返品をリピート向上に活用する方法などを紹介しているので、気になる方はご覧ください。
▶︎ECの返品を解説!返品率や返品処理、リピーターを生む成功事例までご紹介
ECサイトでは製品の保証や修理によるアフターサービスも重要です。
商品の中には初期不良を起こすことや、商品が届いた際にすでに部分的に破損していることがあるからです。
もし、商品を購入したものの直ぐに不備が生じるなら、顧客は不信感を持つようになり利用率が下がることが予想できます。
そのため、製品についてはある程度の保証や修理を設けて顧客に誠実さを感じてもらう必要があります。
製品に1ヶ月や3ヶ月ほどの保証期間を与えるなら、顧客は不備があっても修理や交換をしてくれるため、購入への心配を軽減できます。保証や修理は製品のメーカー先によって期間や条件が変わりますが、アフターサービスの中でも重視すべき項目です。
ECサイトではお問合せ対応を実施しているところは多いです。顧客はECサイトで商品を購入する前に内容を見て検討しますが、サイトの説明文だけでは疑問が残ってしまい購入を悩んでしまうことがあります。
対面式の場合は疑問点があれば直ぐに質問できますが、ECサイトの場合は人がいないためできません。
ECサイトではお問い合わせフォームを作成して、顧客の悩みや疑問に答えて安心感を抱かせるようにしましょう。ただ、お問い合わせフォームを作成しても返信が遅いなら顧客は離脱する可能性が高くなるため、早く返信する必要があります。
似たような質問が多いなら「よくある質問」というページを作成して顧客の疑問をすぐに解消することで購入率アップに繋がるでしょう。
以下の記事では、ECサイト運営者におすすめなお問い合わせ管理ツールを紹介しているので、気になる方はご覧ください。
ECサイトの中には、リサイクル回収をアフターサービスとして実施しているところもあります。
リサイクル回収は小型家電などを引き取るサービスであり、例えば商品を購入した際にすでにある製品を引き取ること、またダンボールに詰められるだけの家電を、料金設定に合わせて引き取る方法で実施しています。
家電などの製品は今使用しているものが古くなったり壊れたりしたため購入するという理由も多いので、顧客側は古い家電の処分に困ってしまうでしょう。サイト側がリサイクル回収のサービスを実施するなら、顧客は製品の購入と既存の処分をスムーズに行えるため、購入意欲を向上させることが狙えます。
顧客は「商品をお得に購入したい」と思っています。そのため、サイトの運営側は「10%オフ」や「100円引き」などのクーポンを配信して、顧客の購入意欲を高めることを狙えます。
サイトによっては対象商品のみに「1,000円引き」など大きく値下げできるクーポンを出したり「ポイント10倍」などポイント関連のクーポンを提供したりするなど、様々な方法があげられます。
以下の記事では、クーポンの活用方法について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください
▶︎クーポンで売り上げアップ!ECサイトにおけるクーポンの活用方法について徹底解説
アフターサービスは売上に大きく影響します。
アフターサービスの充実はCS(顧客満足度の向上)とLTV(顧客生涯価値)の向上につながります。
詳しく解説していきます。
顧客満足度は「顧客期待」「知覚品質」「知覚価値」の3つに分けられています。
顧客が減ると売上も下がることになるため、アフターサービスの質を良くして3つの項目で満足度を得ることが、売上を伸ばすことにつながります。
以下の記事では顧客満足度について詳しく説明しているので、気になる方はご覧ください。
▶︎顧客満足度向上のための施策とは?メリットから成功事例まで徹底解説!
LTVとは1人の顧客がどれだけ利益をもたらしてくれたのか示す指標です。
数値が高いほど1人の顧客がもたらす利益が高いことを意味しているため、顧客のリピートを増やすためアフターサービスに力を入れることは価値があるでしょう。
例えば、サイトのお問い合わせによる良い対応、クーポンによる割引などを実施して顧客が満足するなら、同じサイトを継続して利用する可能性が高くなります。リピーターになる顧客はサイトを利用することに満足感と安心感を抱いている傾向があるため、アフターサービスを充実させるならLTVが上昇して、売上も伸ばすことができるでしょう。
アフターサービスを実施するときは成功しなくては意味がありません。
アフターサービスは何かを実施すれば良いわけではなく、顧客に効果を実感してもらうためのプロセスなども理解しておくべきです。
アフターサービスの成功には以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
ECサイトのアフターサービスは、対応フローが決まっていることが成功のポイントです。
例えば、お問い合わせによる質問が来たときに誰が対応するのか決定しているなら、スムーズに応答できるためスピーディーな返信をすることができます。
クーポンもどの担当がどんな内容で配信するのか決定しているなら、常に顧客に商品購入のアピールを行うことができます。
サイトのアフターサービスをする際に対応フローが決定しているならスムーズに運行することができるため、顧客にもサービスを実感してもらうことができるでしょう。
ECサイトのアフターサービスを行う際に、社内で顧客情報を共有できているかも重要なポイントです。
サイトを利用している顧客にはどのような年齢層が多いのか、どんな系統の商品がよく購入されているのかなど、情報を認識しておくことが大事です。
例えば、ある顧客が電子機器の購入が多いなら、宣伝として新しい機器が販売されたことをメール配信によりお知らせすることができます。また、顧客が購入した際に関連した商品の宣伝を行って、さらに製品の購入を狙うこともできます。
顧客情報を共有できていることで 、各担当者が顧客1人1人に適切なアプローチとアフターケアを行えるようになるため、システムの確立をしっかり行うようにしましょう。
アフターサービスを適確に実施することで、顧客の満足度を上げて商品の売上アップやにつなげることができます。ただ、アフターサービスを利用してどのような成功を収めた企業があるのか知っておきたい人もいるでしょう。アフターサービスを実施して成功しているところはたくさんありますが、その中で3つの企業について紹介します。
レクサスはアフターサービスとしてレクサスオーナーデスクを行っています。このアフターサービスでは24時間365日オーナー専用のコールセンターを実施しており、故障や事故などのトラブル対応から目的地までのドライブサポート、さらにホテルやレストランなどの紹介・予約を行います。
レクサスを所有しているオーナーは移動に関することだけでなく、予約なども行えるなどサービスが充実しているため、顧客の満足度を大きく伸ばすことができました。車体そのものが故障しにくく、万が一故障しても修理費を安くできるため、2019年の自動車サービス満足度調査では、ラグジュアリー部門で総合満足度1を取り13年連続で受賞する快挙を得ています。
パタゴニアはクライミングやサーフィン、スキースノーボード、フライフィッシング、マウンテンバイクに最適で高機能なアウトドアウェアやギアを製造や販売しています。アフターサービスでは注文内容の変更やキャンセルなどの機能を付帯しており、返品や交換、リサイクル回収など充実した内容となっています。
さらに、製品のお手入れや修理も行っているので、万が一購入した製品が壊れた際も再度修理して長く使用することも可能です。電話によるフリーコールやチャットでの質問も行えるので、自分の好きな方法で気兼ねなく相談できます。
aceは多種多様なバッグを販売しているため、いろいろな用途で利用されます。
アフターサービスでもバッグの修理を有償で行い様々な破損原因にも対応しています。他にもチャットによる相談やLINE友達の登録によって問い合わせができるなど、アフターサービスもしっかり実施して顧客満足度を上昇させています。
これまでアフターサービスの重要性、施策について解説してきました。
アフターサービスについて今一度考え直し、改善するきっかけにしてみてはいかがですか?
弊社Recustomer では返品業務の効率化も行っていますのでアフターサービスを改善したいEC事業者の方はぜひRecustomer株式会社にご相談ください。
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