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Facebookを使ったEC集客とは?基本から成功事例まで徹底解説
ECサイトでの集客や広告はリスティング広告やSEO対策など多くの方法があります。
その中の方法の一つにSNSを活用した集客や広告があります。
SNSにもFacebookやInstagram、Twitterなど複数ありますが、今回の記事ではFacebookの活用方法を採り上げます。
Facebookならではのマーケティング戦略がありますので、データを示しながら活用方法を事例とともにご紹介します。
「FacebookをECサイトでどうやって利用するの?」
「FacebookとECサイトをどのようにつなげるの?」
「Facebookは自社のECサイトに向いているの?」
などとお考えのECサイト担当者の方に必見です。
まとめ 1. Facebookとは? 4-2. 花七曜 4-3. NAPRON 5. まとめ |
Facebookとは?
FacebookはGAFAと略称で呼ばれるアメリカの巨大なIT企業の一社であるFacebook社が運営しているSNSです。
Facebookは全世界で27億4千万人(2020年8月)、日本国内で2千6百万人(2019年)の月間アクティブ利用者数を数える巨大でグローバルなSNSです。Facebookの特徴の一つとして実名によるアカウント登録があります。
これによりリアルな世界の顔見知り同士がオンラインでもつながってコミュニケーションをする場として活用されています。
出典:Gajax社「2021年4月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ」より
一般的にFacebookの利用者は年齢層が高いと言われていますが、上記のグラフからも40代がピークとなっています。
Facebookは個人間のコミュニケーションツールとして運営されていますので、企業がFacebook上でマーケティング活動する際にも必ず個人のアカウントが必要となります。
個人のアカウントから企業のFacebookページを作成して、作成したFacebookページを使って企業としての各種マーケティング活動を行う形になっています。Facebookページは会社名や商品名、ブランド名などで登録できます。
また、友達リクエストの代わりに、ページに「いいね」をしてくれた人が「ファン」になります。新規投稿するとファンになってくれた人のニュースフィードに表示されることになります。
ECの運営でFacebookを使う理由
SNSは下図のように着実に普及してきています。
出典:総務省「令和元年通信利用動向調査」より
広く普及してきたためSNSを単なる個人間のコミュニケーションだけではなく、商品購入に対して影響を与える存在になってきています。下図は「SNSの情報をきっかけや参考にして初めて利用するECサイトで商品を購入したことがありますか?」という質問に対して「ある」と回答した人の比率を表しています。
出典:アライドアーキテクト社「 【2020年最新版】5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」公開!(Twitter、Instagram、Facebook、LINE、YouTube)」より
インスタグラムが一番比率が高く、Twitter、Facebookがその後に続きます。
この結果からFacebookをはじめとしたSNSをECサイトの販売促進のために使うことは意味あることだと結論づけることが出来ます。更にアカウントの開設は無料で開設可能で、企業の情報発信する投稿についても無料で行うことが出来ます。
そのため、非常にコストパフォーマンスの高い販売促進のためのメディアといえます。
Facebookでは文字数の上限が6万文字と長文を書くことが出来るうえに、写真や動画も投稿可能なので、自社製品の紹介やブランドイメージ、ブランドメッセージの発信がしやすい広報ツールの一つとなります。
また、URLを書くことも出来ますので、自社のECサイトへ誘導することも簡単にできます。
見込み客とのコミュニケーションも投稿への返信やメッセンジャーによって可能なので、新規客の獲得やリピート客になってくれるためのツールとして有効です。
Facebookの活用方法
Facebookには大きく分けて以下の機能があります。
・Facebookページ
・Facebook広告
・Facebookショップ
ECサイトでのFacebookの活用方法をそれぞれ説明していきます。
Facebookページ
Facebookには一般のユーザが実名の個人アカウントで使用する「個人ページ」と会社名や商品名などで登録できるFacebookページがあります。ECサイトで利用するのはFacebookページとなります。
特徴
Facebookページは会社名や商品名、ブランド名などで登録できるページです。
Facebookページでは友達リクエストの代わりにページに「いいね」をしてもらいファンになってもらいます。
「いいね」をしてもらうと、Facebookページに投稿した記事がファンになってもらった人のニュースフィードに表示されるようになります。
Facebookページの投稿にはテキスト、写真、動画を使うことが出来るので、自社の商品やブランドイメージを様々な方法で表現して伝えることが出来ます。特に文字数は6万文字と長文が可能なので不足することはまずないでしょう。
また、ユーザを誘導するためにFacebookページに用意されている7種類の「CTAボタン」から1個設置できます。
CTAは「Call To Action」の略語でFacebookページを訪れたユーザに行動を促すボタンとなります。
ECサイトの場合は「購入する」や「問い合わせ」、「登録」などが売上につながるアクションになるかと思います。
平均費用
Facebookページの開設には費用は発生しません。
開設方法は特に難しいことはありませんので、Facebookページの開設を自社で行うことは十分に可能です。
向いてる方
次のような方にFacebookページでの販促活動は向いています。
・自社の商品やブランドをしっかりとお客様や見込み客に伝えたいと思っている
・お客様と密なコミュニケーションを取りたい
・こまめにアクセスして記事更新や返信のやり取りができる
活用事例
①ライスフォース ( RICE FORCE )
株式会社アイムが運営している基礎化粧品のブランド「ライスフォース ( RICE FORCE )」です。
同社がスポンサーしているFM放送の内容やキャンペーンの告知、シーン別の化粧品の使い方などが投稿されています。
コアとなるユーザ層に響くコンテンツを意識して投稿しています。
ページの上部に「購入する」ボタンを付けて、自社のECサイトへ誘導するようにしています。
URL:https://www.facebook.com/riceforce
いいね数:83,405(2021/4/13時点)
更新頻度:1週間に1度
②全量純米大吟醸 プレミアム日本酒「楯野川」
楯の川酒造株式会社が運営している日本酒の蔵元のFacebookページです。
対談記事、現場の様子の動画、商品の紹介などが投稿されています。
同社の様々な取り組みをお客様や見込み客へ伝えることをメインにしているFacebookページです。
こちらも同様にページの上部に「購入する」ボタンを付けて、自社のECサイトへ誘導するようにしています。
URL:https://www.facebook.com/tatenokawa.jp
いいね数:4,018(2021/4/13時点)
更新頻度:数日に1度
③AZULbymoussy Official
株式会社バロックジャパンリミテッドおよび株式会社ビービーエフが運営するファッションブランド AZULのFacebookページです。キャンペーンの告知、新作の告知が主体の投稿です。
旬の情報を届けようと意識した投稿になっています。
こちらも同様にページの上部に「購入する」ボタンを付けて、自社のECサイトへ誘導するようにしています。
URL:https://www.facebook.com/azul.official/
フォロワー:6.1万人(2021/4/13時点)
更新頻度:1日に1度
Facebook広告
特徴説明
Facebook広告とは、主にFacebookのニュースフィードに表示される広告です。
投稿と同じ形で配信されますので自然な形でユーザのニュースフィードに表示されます。
広告の配信先はFacebook以外に以下の広告媒体があります。
・インスタグラム
・メッセンジャー
・オーディエンスネットワーク
また、Facebook広告ではユーザの属性に合わせた広告配信が出来るので、自社の商品のターゲットユーザ層に絞って広告を配信出来ます。ターゲットの設定には以下の3種類があります。
①コアオーディエンス
以下の顧客の属性によってターゲットを絞り込むことが出来ます。
・ユーザの基本データ(例:年齢、性別、仕事、学歴など)
・ユーザの投稿などの分析からの「興味・関心」
・住所や位置情報
これらの情報を使ってターゲットを絞ることでより効果的な広告配信が可能になります。
Facebookは特にこのターゲット設定が正確で評判があります。
②カスタムオーディエンス
以下のデータとFacebookユーザデータをマッチングさせます。
・自社ECサイトのリード(メールアドレス等)で自社の既存客を見つける
・自社ECサイトの訪問客
③類似オーディエンス
カスタムオーディエンスの情報からFacebookのシステムが類似したユーザを選定します。
最初に「コアオーディエンス」で広告配信を実施して実績データを積み上げてから、既存顧客を狙うなら「カスタムオーディエンス」、新規顧客を狙うなら「類似オーディエンス」を利用するといった使い方が出来ます。
平均費用
Facebook広告では「クリック課金」と「インプレッション課金」のどちらかを選択することが出来ます。
「クリック課金」はユーザが広告をクリックしたときに利用金が発生する方式です。
クリックが1回発生するごとに課金されます。
「インプレッション課金」は広告が表示されると料金が発生する方式です。
1000回表示されるごとに課金されます。
また、Facebook広告では表示される広告はオークションで決定されます。
一番高い金額を入札した広告が表示されるわけではなく、金額に別の要素を加味して「広告の総合的価値」が一番高い広告に決まります。算出方法は次の通りです。
入札価格:広告主が設定した入札価格
推定アクション率:広告を見たユーザが広告の目標のアクションを起こす率
広告品質:ユーザのメリットがある度合い
オークションなので料金は一定しませんが、1日1,000円、月額3万円から開始して効果を計りながら決めていくようにするのがいいでしょう。
向いてる方
Facebook広告は以下のような方が広告するのに向いています。
・商品のターゲット層が明確
・価格の安いフロント商品を品揃えしている
・リスティング広告に限界を感じている
活用事例
①キャノンマーケティングジャパン
キヤノン製品ならびに関連ソリューションの国内マーケティングを行っている、キヤノンマーケティングジャパン株式会社のFacebook広告です。
こちらの広告では同社が取り扱っているESET社のセキュリティ対策ソフトを紹介しています。
気軽にクリックして貰えるように「無料 ホワイトペーパ公開中」と目に付くようにアピールしています。
『詳しくはこちら』のジャンプ先:万が一の侵害に備えた 事後対策
②INTERNET ACADEMY(インターネット・アカデミー)
インターネット・アカデミー社が運営しているプログラミングスクールの広告です。
大きく「受講料が最大70%支給される制度をご存じですか?」とあり、プログラミングを学びたい人が思わずクリックする画像になっています。
『詳しくはこちら』のジャンプ先:経済産業省認定のReスキル講座
③マイブック(MyBook)
株式会社アスカネットが提供している写真アルバムの作成サービスの広告です。
「自分の写真で作る1冊からの写真集」というキャッチコピーで目を引いてサイトへ誘導しています。
『詳しくはこちら』のジャンプ先:お気に入りの写真集、マイブックで写真集にしませんか?
Facebookショップ
特徴説明
Facebookショップは2020年6月から日本でも利用が可能になったサービスです。
商品やサービスを売りたい企業や組織がFacebookショップを使うことによりFacebookのユーザやInstagramのユーザに販売出来る機能を提供します。
Facebookショップの開設は無料で、カスタマイズも可能ですのでブランドイメージに合ったショップにすることが出来ます。
Facebookショップを開設すると、下図のようにFacebookページに「ショップ」のタブが表示されるようになります。
「ショップ」タブをクリックするとショップのページに遷移します。
海外ではFacebookやInstagram内で決済可能ですが、日本国内では未提供のため自社のECサイトへ誘導して決済してもらう設定が必要です。将来的には日本国内でも決済機能が使えるようになるとのことです。
平均費用
Facebookショップの開設費用は無料ですが、購入者が決済した時点で手数料が発生します。
手数料(※)は販売額の5%もしくは$8以下の取引については定額で$0.40となります。
手数料は税込み金額で支払手数料を含んでいます。
※期間限定の措置として、2021年6月30日午後11時59分(米国太平洋時間)までに「発送済み」になったすべての注文について、標準の販売手数料が免除されます。
向いてる方
Facebookは個人間のコミュニケーションを取るプラットフォームですので、ECサイトにおいてもお客様とECサイトとのコミュニケーションを取っていくことをメインに考えるべきでしょう。
つまり、お客様との長期的な関係を築くことによって、結果的に売上のアップを図るということになります。
従ってお客様とのお付き合いを中長期的に考えたマーケティング戦略を取れるECサイトが向いていることになります。
継続的な投稿の更新、お客様からのコメントに対しての的確な対応、タイムリーなキャンペーンの実施が必要となりますので、それなりの工数と期間が必要となります。中長期的にじっくりと対応していくECサイトには向いていますが、短期的に売上を上げたいというECサイトには不向きといえます。
活用事例
①SLY OFFICIAL
株式会社バロックジャパンリミテッドが運営するファッションブランド SLYのFacebookショップです。
「コレクション」機能を使って、アピールしたい商品をショップ画面の上部に置いています。
URL:https://www.facebook.com/SLYOFFICIAL/shop/
いいね数:59,537人(2021/4/14時点)
②株式会社ダイアナ
エステサロンをフランチャイズで展開している株式会社ダイアナの美容用品を販売するショップです。
こちらのショップではトップに一番売りたい商品を一つ掲載しているスタイルです。
URL:https://www.facebook.com/DianaOfficial/shop/
いいね数:134,789人(2021/4/14時点)
③備前屋/本店
愛知県岡崎市で和洋生菓子を販売している合名会社 備前屋が運営しているショップです。
こちらのショップでもトップに一番売りたい商品を一つ掲載しているスタイルです。
URL:https://www.facebook.com/bizenya1782/shop/
いいね数:2,762人(2021/4/14時点)
成功事例
Facebookをうまく活用して売上をあげたECを3店ご紹介します。
①Riedel Japan (リーデル・ジャパン)
265年以上の歴史を誇るワイングラスの老舗 Riedel Japan (リーデル・ジャパン) が運営しているFacebookページとFacebookショップです。グラスを売り込む前にお酒の魅力を伝えることをかなり前面に出しているページ作りをしています。お酒とグラスが作り出す世界観を伝える写真が素晴らしいです。
お客様との継続的なリレーションシップを通じて、同社のファンを作っていこうとしているのが見て取れます。
URL:https://www.facebook.com/riedeljapan/
いいね数:136,652人(2021/4/14時点)
更新頻度:3週間に1度
②花七曜
北海道上富良野町でカフェレストランや雑貨屋、ドッグランを営んでいる花七曜が運営しているFacebookページとFacebookショップです。日常のことや季節のことを話題にして読む人に親しみやすさを感じさせるページになっています。
長期的にファンを作っていこうとしているのが見て取れます。
URL:https://www.facebook.com/hanasichiyo/
いいね数:2,347人(2021/4/14時点)
更新頻度:ほぼ1日に1度以上
③NAPRON
株式会社Rayが運営するエプロンを主体としたブランドNAPRONのFacebookページとFacebookショップです。
「ワークウェアを街で着用できるものに進化させたい」という想いが詰まったページです。
商品を一つずつしっかりと説明していく投稿になっています。
URL:https://www.facebook.com/NAPRONOKAYAMA/
いいね数:9,541人(2021/4/14時点)
更新頻度:ほぼ1月に数回、間欠的な更新
まとめ
Facebookは実名性で、30代~50代のユーザ層が多いので大人の付き合い方ができるプラットフォームです。
中長期的にじっくりとユーザと向き合って自社のファンになっていってもらうというマーケティング戦略が相応しいSNSです。投稿をうまく工夫することと、広告を自社の商品に最適な層に届けることによってコストを抑えながらユーザを獲得することが出来ますので、じっくりと持続的に活動できるECサイトの方には最適なSNSといえます。