近年、新型コロナウイルスの影響もあり、ユーザーの心理状況に変化が起こっているため、デジタル思考で顧客体験の向上を図っていく必要があります。
しかし、「そもそもデジタル思考ってなに?」といった疑問が出てくることも少なくないでしょう。
そこで本記事では、デジタル思考の概要や顧客体験に必要な理由、具体的な思考方法と顧客体験の創生方法について解説していきます。
「デジタル思考はなぜ顧客体験に必要なの?」
「具体的にはどのようにデジタル思考を通して顧客体験を提供すればいいの?」
「顧客体験を重要視した対応って一体なに?」
などとお考えの方に必見の記事です。
デジタル思考とは?
デジタル思考とは、デザイン思考を活用してビジネスやサービスをデザインする思考です。
一般的にはアナログ思考と対比として使用されていることが多いですが、ビジネスの観点においては、DXの推進や通常とは異なった見方・考え方、といった意味で用いられています。
デジタル思考を保つことで、現代の消費者が求めているものを正しく判断できます。
従来までは、テレビや新聞・口コミなどでしか情報を得られなかったユーザーが、インターネットやスマートフォンの普及によって、様々な情報を得られるようになりました。
ユーザーは断片的な情報ではなく、より細かい情報を得られるようになっています。
そのため、ユーザーのニーズは簡単には満たされなくなっており、単純な思考では満足させられなくなっています。デザイン思考を活用して、様々なタッチポイントでユーザーのニーズに沿ったサービスを提供する必要があるでしょう。
デジタル思考が顧客体験に必要な理由
デジタル思考が顧客体験に必要な理由は、大きく分けて以下の3つです。
1. 顧客体験の変化に対する対策
2. 顧客目線でサービスを提供できる
3. 課題を素早く解決できる
顧客体験の変化に対する対策
デジタル思考を持っていることで、顧客体験の変化に対応できます。
上記でも解説している通り、インターネットやスマートフォンの影響により、顧客ニーズは大きく変化しています。
また、新型コロナウイルスの影響もあり、これまであまりデジタルな感覚を持っていなかった方も、デジタルに関わらざる追えない状況と言えるでしょう。
例えば、会社への出社や会議はzoomなどを活用したリモートに置き換わり、実店舗が営業していないため、ECサイトで商品を購入するケースが増えています。
以前までは当たり前だった行動が無くなり、顧客の求める体験が変化しているため、デジタル思考でニーズを読み解いていく必要があります。
そのため、リモート環境に適した商品の展開や実店舗ではなく、ECサイトに流入を促す仕組みづくりが重要です。
ECサイトに関しては、より利用者が満足できるように、販売画面のアップデートや購入・返品体験の向上が求められます。
顧客目線でサービスを提供できる
デジタル思考を保つことで、顧客目線で商品やサービスを提供できるため、顧客体験の向上が期待できます。
多くのECサイトユーザーは、Amazonや楽天など機能性の高いサイトを普段から利用しているため、購入した商品が1日〜2日で到着することが当たり前になっています。
他のECサイトにはない顧客体験をユーザーに提供しなければ、自社ECサイトを利用してくれないでしょう。
逆に言えば、商品購入後の体験に注力することで、他にはないサービスを提供することが可能になります。
例えば、ユーザーが返品を希望する際にECサイトへメールや電話して対応するのではなく、専用チャットを用意することで、利用者の負担を減らせます。
また、利用者が商品の返品処理を行うのではなく、EC運営者側が商品を回収する場合、本来マイナスな印象を抱きやすい返品対応をきっかけに、良質な顧客体験を提供できるでしょう。
利用者が他にはない良質な顧客体験を得ることで、自社ECサイトのファン化・リピーター増加を見込めます。
デジタル思考を持つことで利用者が潜在的なニーズを探し出し、最適なサービスを提供することができるのです。
課題を素早く解決できる
デジタル思考を持つことで、顧客体験に関する課題を素早く解決可能です。
急速にデジタル環境が浸透したことにより、オンライン環境を活かした消費体験はなくてはならないものになっています。一方で、ユーザーは既存サービスの問題点や課題を感じているため、より良い顧客体験にアップデートしていかなければ、別のサービスに移行してしまうでしょう。
例えば、従来までのECサイトであれば、購入した商品の到着を待つだけでした。
しかし、ユーザーの中には「もっと早く欲しい」や「配達時間内に受け取ることができない」といった不満を感じている人もいるでしょう。解決策として、サービスをECサイトと実店舗を連携させたオムニチャネル化することで、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取れるようになり、利用者の課題解決が可能になります。
このように、デジタル思考で既存サービスについて考えることで、現状の課題を把握でき、素早く課題を解決できるようになるでしょう。
具体的な思考方法と顧客体験の創生方法
具体的な顧客体験の創生方法は、以下の4つです。
1. バリュージャーニーの再デザイン
2. アルゴリズム要素の強化
3. オムニチャネル機能の促進
4. 購入後体験の向上
バリュージャーニーの再デザイン
デジタル思考を活用した顧客体験の創生方法の一つとして、バリュージャーニーの再デザインが考えられます。
バリュージャーニーとは、タッチポイントで顧客に寄り添い、体験の提供を主体としたスタイルです。
また、従来までの販売スタイルをバリューチェーンと呼び、商品やサービスに付加価値を生み出す手法です。
バリューチェーンでは、大多数の顧客に適した商品を提供することを目的としています。
デジタルに慣れて考えられる課題が多様化した現代では、通用しない可能性が高いため、顧客体験を重要視したバリューデザインでサービスを提供する必要があります。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、既存のバリュージャーニーでは顧客満足度を高められない可能性が高いです。そのため、バリュージャーニーを再デザインしましょう。
顧客一人ひとりが抱える課題や悩みは複雑化しているため、その悩みを解決できるサービスは何なのか把握し、良質な体験を提供する必要があります。
アルゴリズム要素の強化
デジタル思考で顧客体験を提供するためには、これまで獲得したデータを活用してアルゴリズム要素の強化が必要です。従来は技術的な部分の影響で、アルゴリズム要素を高めることはできませんでしたが、ビッグデータが活用できるようになりました。
例えば、「商品をカートに入れる」や「ページを切り替える」など、自社ECサイト利用者の購入データを集めて、特定の行動に関連する心理状態を把握することで、アルゴリズム要素の強化が可能です。
このように、アルゴリズムを強化して顧客が求めている商品を自動で表示できれば、コンバージョン率を急激に高めることができます。
しかし、アルゴリズム要素の強化は非常に難しく、膨大なデータとリソースが必要になります。
そのため、ソフトウェアを活用しながら、別の施策と並行して強化を進めることが重要です。
オムニチャネル機能の促進
デジタル思考で顧客体験を創生する方法の一つとして、オムニチャネル機能の促進が考えられます。
オムニチャネルとは、実店舗やECサイト・SNSなど、自社が保有しているチャネルを全て連携させることを指します。
顧客ニーズは大きく変化しているため、企業が保有しているチャネルを単体で活用するだけでは、顧客のニーズを満たすことができません。
そのため、実店舗とECサイト・SNSを連携させることで、ECサイトで購入した商品の受け取りが実店舗でできるようなり、SNSで取得したクーポンをサイトで活用できます。
また、アプリを提供して複数のチャネルと連携することで、シームレスな顧客体験を提供できるでしょう。
購入後体験の向上
デジタル思考で顧客体験を創生方法の一つとして、購入後体験の向上が考えられます。
ECサイトなどは購入前までの体験が重視されがちですが、顧客満足度を高めるためには、購入後体験に注力が必要です。
例えば、購入した商品を返品する場合、購入者が運営者と連絡を取り合い、商品発送手続きを行います。
そのため、返品対応が発生すると必然的に顧客満足度の低下が懸念されます。
しかし、運営者が返品対応をサポートし、購入者の負担を減らすことで、購入後体験を向上させられるでしょう。
購入後体験の詳細については弊社の以下の記事を参考にしてください。
成功事例
続いては、デジタル思考で顧客体験を向上させた下記2社を紹介します。
1. ストライプインターナショナル
2. ナノ・ユニバース
ストライプインターナショナル
引用元:https://www.stripe-intl.com/
ストライプインターナショナルは、様々なファッションブランドを展開している企業です。
実店舗とECサイトで獲得した自社の販売データを「STRIPE CLUB」と呼ばれる一つのサイトに集めて、顧客理解を深めています。
また、データを集めて分析することで、ECサイト利用者の9割以上が実店舗を利用していることが判明しました。
そのため、自社ECサイトの利用経験のあるユーザーに対して、ECサイト限定のクーポンを配布するなどのキャンペーンを展開しています。
ECサイトを中心として顧客理解を深めることで、実店舗利用者の顧客満足向上を実現しています。
ナノ・ユニバース
引用元:https://store.nanouniverse.jp/jp/
ナノ・ユニバースは、実店舗とECサイトを展開しているアパレルブランドです。
実店舗では、顧客の表情や行動から感情を読み取ることができていたため、スタッフが顧客に合わせた接客を行なっていました。
しかし、ECサイトではユーザーの表情が確認できないため、スタッフによる最適なサービスを提供できないことを懸念していたのです。
そこで、ECサイトを利用している顧客の検討具合を数値で表し、スコアの高い顧客にだけアプローチをかけています。
購買意欲をスコアリングすることで、顧客の検討状況を見える化することに成功し、ロイヤリティ指数も把握可能になりました。
また、直近の購買スコアに合わせて、より精密なアプローチをかけて成約率を高めています。
まとめ
いかがだったでしょうか?デジタル思考でサービスを考えることで、良質な顧客体験の提供が可能です。
また、デジタル思考でサービスや施策を考案すれば、顧客体験の変化に対する対策やユーザーの抱える課題を素早く解決できます。
そのため、顧客体験向上を考えている場合は、デジタル思考で潜在的に考えている顧客のニーズを満たすと良いでしょう。