近年、Amazonや楽天市場などのECサイトで商品を購入することが、当たり前になりつつあります。
しかし、「ECサイトで購入した商品はクーリングオフできるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、クーリングオフの概要やできる場合とできない場合、手続き方法を解説します。
「そもそもクーリングオフってなに?」
「クーリングオフが適用されないことがあるの?」
「具体的にクーリングオフはどのように行えばいいの?」
などとお考えの方に必見です。
クーリングオフとは?
クーリングオフとは、契約の締結をした場合でも、契約を再考できるように、一定期間の間に申し出ることで契約の撤回や解約ができる制度です。
国が定める「特定商取引法」に則っていない販売方法・商品に関しては、クーリングオフの適用が可能です。
冷静な判断ができない状態で締結した契約は、無条件で解除できます。
例えば、キャッチセールス・アポイントメントセールスなどの訪問販売や電話勧誘販売で契約した後「やはり内容に納得できない」と感じた場合は、8日〜20日間の間に申し出れば解約可能です。
しかし、全ての商品・サービスを契約後にクーリングオフ制度が利用できるわけではなく、限られた消費行動時のみ利用できる制度となるため注意しましょう。
クーリングオフができる場合
クーリングオフが適用されるケースは、以下表の通りです。
商品・サービス販売形態
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クーリングオフ対象期間
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適用法律
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訪問販売 (キャッチセールス、アポイントメントセールス、催眠商法など)
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8日間
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特定商取引法
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電話勧誘販売
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8日間
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特定商取引法
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特定継続的役務提供 (エステティックサロン、特定の美容医療サービス、語学教室など)
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8日間
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特定商取引法
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業務提供誘引販売取引 (内職商法、モニター商法など)
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8日間
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特定商取引法
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連鎖販売取引 (マルチ商法)
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20日間
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特定商取引法
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訪問購入
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20日間
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特定商取引法
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クレジット契約
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8日間
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割賦販売法
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ローン契約
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8日間
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割賦販売法
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宅地建物取引
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8日間
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宅地建物取引法
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基本的には、上記9つの商品・サービス販売形態でクーリングオフを利用可能です。
クーリングオフ対象期間は、購入商品・サービス販売形態によって異なります。
自分が購入した商品がどの販売形態にあたるかわからない場合は、消費生活総合センターに連絡することで相談できます。
また、クーリングオフ対象期間でも、ギリギリに申し出ると対象外になってしまう商品・サービスもあるため注意が必要です。
クーリングオフができない場合
購入した商品・サービス・販売形態によっては、クーリングオフを利用できないケースがあります。
例えば、以下のようなケースは商品・サービスを購入した後でも、クーリングオフを利用できません。
・投資一任契約で訪問購入した場合
・3,000円未満の現金取引の場合
・購入商品を消費した場合(食品・健康食品・化粧品など ※未使用の場合はクーリングオフが適用されるケースもある)
・路上勧誘きっかけの飲食店・マッサージ、カラオケボックス・タクシー乗車
・自動車及び自動車リース
また、ECサイトなどの通信販売で購入した商品にはクーリングオフが適用されません。
基本的にはECサイト側が提示している特定商取引法に関する返品ポリシーに準じて、返品処理が行われます。
ただし、ECサイトに返品ポリシーが設定されていない場合は、クーリングオフを適用できる可能性が高いです。
一般的には購入日を起算して8日以内に申し出ることで、ECサイトで購入した商品でも無条件で返品できます。
返品ポリシーの詳細については弊社の以下の記事を参考にしてください。
売上に直結する返品ポリシーの書き方とは?重要性や成功事例まで徹底解説!
クーリングオフの手続き方法
クーリングオフの手続きは、以下の通りです。
・クーリングオフ用のハガキを用意する
・クーリングオフ期間内に商品・サービスを契約した事業者宛にハガキを送付する
・ハガキは「特定記録郵便」または「簡易書留」など、発信の記録が残る方法で送付し、記録を残しておく
基本的にクーリングオフ対応は紙媒体で対応が必要です。
Web上で行うことはできませんので、必ずハガキを用意しておきましょう。
また、クーリングオフができる商品なのか、具体的な期間はいつまでなのか不安な場合は、最寄りの消費生活センターに問い合わせることで確認可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか?クーリングオフは、冷静な判断ができない状態で締結した契約であれば、8日〜20日間に申し出れば、契約を解除できます。
訪問販売などで不当な契約が発生しても、支払ったお金が帰ってきます。
しかし、ECサイトなどの通信販売で商品を購入した場合、基本的にはサイトの特約に則って対応が行われるため、クーリングオフを適用できない可能性が高いです。
クーリングオフを利用する際は、購入した商品・サービスの形態や購入場所を確認した上で対応が必要です。
対応方法やクーリングオフできるか不安な場合は、最寄りの消費生活センターに問い合わせると良いでしょう。