ShopifyがShopify Unite 2021でShopify史上最大のプラットフォーム投資をしたと報告しました。
Shopify UniteとはShopifyが一年に一度開催するカンファレンスで、Shopifyパートナーや開発者向けにShopifyの新機能が発表される会です。
今回はUnite 2021で発表された新機能を分かりやすく紹介しようと思います!
Shopify Unite 2021の概要
今回のShopify Unite 2021ではShopify歴史市場最大規模のプラットフォーム投資について発表がありました。
Shopifyのミッションである「すべての人のためにコマースをより良くする」ためにストア体験を向上させるための新機能・アップデートが発表されました。今年後半には今回発表した機能以外にも多くの機能が追加で搭載されるようです。
追加された新機能
ノーコードでストアのレイアウトとデザインのカスタマイズ
Shopify Unite 2021の最大の発表は「オンラインストア2.0」です。
新機能と機能改善のアップデートで、ストアのカスタマイズ性を大幅に向上させました。
ストアページのパーソナライズ化が可能になり、コード編集なしでコンテンツの追加や編集、削除が可能になりました。
これによってノーコードでストアを感覚的に編集できるようになったので、コーディングの知識がなくても自由に自社ECサイトをカスタマイズできるようになります!
メタフィールド機能
2021年8月からShopify管理画面からメタフィールドが編集できるようになりました。
メタフィールドとは商品、顧客、注文等に追加できるデータのことで、Shopifyの管理画面にない情報を保存するために作られています。 例)配送期間や商品に関する注意事項など
今まではMetafield Guruなどを利用して編集していたので、編集までのアクセスが容易になりました。
これによってShopifyの管理画面にない情報を、外部アプリを利用せずとも純正管理画面で編集できるようになります!
新テーマ「Dawn」
DawnとはShopifyが新しく発表したストアの標準テーマのことです。画像を中心とした商品ページや洗練された商品グリッド、カラースタイルなど「美しさ」に重点を置いて作られたテーマです。
また既存人気のテーマより35%高速で読み込むことができるので、どのブランドにも柔軟に対応できるDawnは多くのECサイトが使うことになるテーマになることでしょう。
詳細が気になる方はこちらの公式サイトをご覧ください(英語)
Shopifyメールのパーソナライズ化
2021年8月からカスタムフィールドを使ってShopifyメールをパーソナライズ化しキャンペーン改善などの施策が打てるようになります。Shopifyメールとは商品の再入荷や新商品の発売、セールのお知らせなどを顧客に伝えるためにメールを送れる機能で今回のアップデートでマーケティングをより促進することが可能になります。
決済方法の多様化
Shopifyは「Shopify paymentプラットフォーム」の構築を発表しました。これによりより多くの決済サービスプロバイダーがShopify上で決済機能を提供できるようになり、世界中どの国のどんな顧客にも商品が販売できる可能性が高まりました。
また今回のアップデートではチェックアウト速度が2倍になることも発表されたのでよりスムーズな購買体験を提供できるようになります。
これによって越境ECサイトを運営している方にとっては各国独自のローカライズ通貨を導入できるようになるので購入率が高くなることが予想されます!
受取ロケーションの指定
受取ロケーションを指定することで商品の受取体験を向上させることができるようになりました。
受取ロケーションとは倉庫から商品を顧客の元に発送するのではなく、直接商品を受取専用ロケーションを受け取ってもらう機能です。複数のロケーションで在庫管理をしている事業者の方にとって発送処理や在庫管理はとても煩雑なので、今回のアップデートは時間・コストの面で大幅に短縮できる可能性が高いです。
ストアフロントAPI
ストアフロントAPIを使うことでストアフロントをカスタムに編集できるようになります。
具体的には国際価格の設定や、商品の店舗受取指定、定期購買機能など一部Shopify Plusで使用できた機能が通常のShopifyでも利用できるようになりました。
これによってサブスクモデルの商品を販売している方や実店舗を運営している方にとってもShopifyを使って効果的に商品を販売できるようになります!
チェックアウト拡張機能
チェックアウト画面を拡張できる機能が新規で搭載されました。
Shopifチェックアウト画面のカスタマイズが従来よりも容易になり、配送先に対応して画面表示を柔軟に変更するなどの機能を搭載することができます。今後はアップセルや寄付リクエスト等の機能もカスタマイズできるよう調整していくようです。
これによってより自由度の高い決済管理画面の編集ができるようになり、購入数や購入率向上の為の施策を打てるようになります!
カスタムストアフロントの構築を簡略化
「Hydrogen」と「Oxygen(Hydrogenのホスト接続機能)」という開発者向けのカスタムストアフロントの構築を簡素化するReactフレームワークが発表されました。カートやバリュエーションピッカーなどのカスタムフロントの複雑な構築箇所の編集を容易にできるようになり、ブランド構築を実現させます。
フロントデザイナーの方は今後「Liquid」で編集するか、今回のReactフレームワークの「Hydrogen」でストアフロントを編集するか選択する必要があります。
これによってヘッドレスコマースを促進することができます!
ヘッドレスコマースとはユーザーとの接点であるフロントと決済や配送設定などのユーザーが触れない裏側のシステムを分離して管理するECの形です。従来ではフロントとバックがシステム的に繋がっていた為、ユーザーが使いやすいように商品遷移画面のUI/UXを変更しようとしてもエンジニア、デザイナーを巻き込み費用も〜百万円かかるのが通常でした。
しかし、フロントとバックを分離させることで独立してフロントを開発できる為自由度の高いユーザー視点のECを構築することができます!
こちらの公式サイトではShopify CEOではルークさんがHydrogen機能を使ってストアフロントを構築している様子が動画で確認できるので興味のある方はぜひご覧ください。
アプリ開発のレベニューシェアが0に
年間の売上高が$1M以下(日本円で約1.1億円以下)のアプリ開発者に対して、既存では20%かかっていた手数料を0円にすると発表しました。テーマ開発をしている開発者に対しても同じ手数料制が導入されるようで、Appleの動きを追従する形となっています。この発表によりShopifyを中心としたエコシステムがより活発になることが想像できます!
まとめ
今回の発表ではノーコードを促進しより非開発者以外の人に対して、Shopifyを身近に簡単に構築できるように作り上げたなという印象を受けました。
また、アプリ・テーマ開発の手数料を0円にするなどShopifyの売上高を大きく構成する部分が削減されますが、Shopifyエコシステムがより加速・進展することによって多くのストアの売上が比例的に伸びて全体としての売上は上がっていくと思います。Shopifyに参画している方にとっては今回のUnite 2021の発表は今後大きな影響を与えそうです。