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【テンプレート付き】注文完了メールの書き方と顧客満足度を高めるポイント
ネットショップやECサイトを運営している方にとって、「注文完了メール」は単なる確認通知ではなく、顧客との信頼関係を築く第一歩となる重要なコミュニケーション手段です。商品を購入したユーザーは、「本当に注文できているのか」「いつ届くのか」といった不安や疑問を抱えており、それに即座に答えるのがこのメールの役割です。
特に競争の激しいEC業界では、丁寧でわかりやすい注文完了メールが顧客体験(CX)を左右する要素のひとつになります。逆に、必要な情報が不足していたり、文面が機械的すぎたりすると、顧客満足度が下がり、キャンセルやクレームの原因にもなりかねません。
本記事では、注文完了メールの意味や役割から、記載すべき項目、顧客満足度を高めるための工夫、実用的なテンプレート例まで、明日からすぐに活用できるノウハウをわかりやすく解説していきます。メール1通の質を高めることが、ECビジネスの信頼とリピート率を育てる第一歩になります。
注文完了メールとは?
意味と役割
注文完了メールとは、顧客がオンラインショップで商品を購入した直後に送信される、自動配信の通知メールのことです。購入手続きが正常に完了したことを顧客に伝え、注文内容を明確に確認してもらう役割を果たします。
このメールには通常、注文番号、購入商品、金額、支払い方法、配送先情報などの基本情報が記載されており、顧客が安心して商品の到着を待つために必要不可欠なコミュニケーションです。
ECサイト・ネットショップにおける重要性
ECビジネスにおいては、実際に顔を合わせることなく取引が行われるため、注文完了メールのような自動通知メールが「お店の対応力」を印象づける重要な接点となります。
このメールが適切に設計されていれば、以下のようなメリットが得られます。
- 顧客に「ちゃんと注文できた」という安心感を与える
- 注文内容を確認できることで、誤注文やミスに早期対応できる
- 「あとは商品を待つだけ」とポジティブな体験で顧客満足度が向上する
つまり、注文完了メールは単なる事務的な通知ではなく、信頼構築と顧客体験の向上に直結する重要なタッチポイントなのです。
注文確認メールとの違い
「注文完了メール」と混同されやすいのが「注文確認メール」です。両者は似ていますが、運用しているECサイトのシステムや販売フローによって意味が異なる場合があります。
メールの種類 |
主なタイミング |
目的 |
注文確認メール |
注文受付直後 |
注文を受け付けたことを通知 |
注文完了メール |
決済完了・注文確定時点 |
注文手続きが完了したことを通知 |
特に在庫確認や決済承認が別フローになっている場合は、注文確認メール→注文完了メールの2段階で送信されることもあります。どちらのメールも信頼性を高めるために不可欠ですが、最終的な確定情報を伝えるのは注文完了メールであることが多いため、より丁寧かつ明確な記載が求められます。
注文完了メールの目的とメリット
注文完了メールは、ECサイトやネットショップにおいて、単に「注文を受け付けました」と通知するだけのものではありません。顧客との信頼関係を築き、満足度を高める重要な役割を担っています。ここでは、その目的とメリットを4つの観点から解説します。
顧客に安心感を与える
オンラインショッピングでは、対面でのやりとりがない分、購入直後の顧客は「本当に注文できているのか」「決済は通ったのか」など、不安を抱きがちです。
注文完了メールは、そうした顧客に対し、「注文が確実に処理されている」という安心感を提供します。注文内容が明記されていることで、顧客は手元で確認でき、スムーズな買い物体験を実感できるのです。
誤注文・キャンセルを防ぐ
メールで注文内容を明確に伝えることで、万が一の入力ミスや誤注文を早期に発見・修正する機会を顧客に与えることができます。
たとえば、
- 商品のサイズやカラー違い
- 数量の誤り
- 配送先の間違い
といったトラブルは、注文完了メールが届いた段階で顧客が気づけば、すぐに対応依頼を受けられます。その結果、不要なキャンセルや再注文を防ぐことができ、店舗側の業務効率化にもつながります。
サポートへの問い合わせを減らす
注文完了メールには、注文番号や商品情報、配送予定日、問い合わせ先などの基本情報がすべて含まれているため、顧客が「あとからわからなくなって問い合わせる」といった状況を減らすことができます。
特に以下のような問い合わせを抑制できます。
- 「注文できてますか?」
- 「いつ届きますか?」
- 「支払い方法はこれで合ってますか?」
必要な情報を先回りして伝えることが、問い合わせ数の削減と業務負担の軽減につながるのです。
顧客体験(CX)向上につながる理由
注文完了メールは、購入直後というもっともエンゲージメントが高まっているタイミングで届くため、内容やトーン次第で顧客のブランド印象を大きく左右します。
たとえば、
- 明るく丁寧な文面
- 次回クーポンの案内
- おすすめ商品の提案
などを盛り込むことで、単なる通知メールではなく、「気の利いたコミュニケーション」として印象づけることが可能です。
このように、注文完了メールはCX(顧客体験)を向上させ、リピートや口コミ促進にもつながる重要な接点といえるでしょう。
注文完了メールに記載すべき基本情報
注文完了メールは、顧客に安心感を与え、誤解やトラブルを防ぐためにも必要な情報をもれなく、わかりやすく記載することが重要です。ここでは、メールに必ず含めるべき基本情報と、記載時のポイントを解説します。
件名
まず最初に目に入るのが件名です。件名は、顧客がメールを開くかどうかを左右する大事な要素。一目で「注文が完了したメール」であることがわかる表現にしましょう。
例
- 【○○ショップ】ご注文ありがとうございます(注文番号:123456)
- ご注文完了のお知らせ|注文番号:123456
- 【ご注文確認】ご購入内容をお知らせします
ポイントは、ブランド名と注文完了のキーワードを含めること。迷惑メールと間違われないよう、シンプルかつ信頼感のある文面を心がけましょう。
注文番号・注文日
顧客が問い合わせや注文履歴の確認をする際、必要となるのが注文番号と注文日です。メールの冒頭や目立つ場所に明記し、控えてもらいやすくしておくことが大切です。
例
- ご注文番号:123456789
- ご注文日:2025年3月28日
購入商品名・数量・合計金額
注文内容の確認は、顧客にとって最も関心のある情報です。
- 商品名
- 数量
- 単価
- 小計
- 合計金額
などを明細形式で記載し、視認性を高く・分かりやすくまとめましょう。
支払い方法・配送先情報
支払いに関する情報も明確に記載しましょう。
- クレジットカード決済
- 代引き
- コンビニ払い など
配送先住所も誤りがあるとトラブルの元になるため、顧客自身が再確認できるよう表示しておくと安心です。
今後の流れ(発送予定、配送予定日など)
商品が届くまでの見通しを簡潔に伝えることで、顧客の不安を解消し、問い合わせを防止できます。
記載すべき内容の例
- 「○月○日までに発送予定です」
- 「発送完了後に追跡番号をご案内します」
- 「到着予定:○月○日〜○月○日」
配送業者名や追跡リンクを後日送る旨も事前に触れておくと親切です。
カスタマーサポートの連絡先
万が一トラブルがあった場合に備え、問い合わせ先の情報も必ず記載しましょう。メールアドレス・電話番号・営業時間など、複数の連絡手段を提示するのが理想です。
例
ご不明点がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。
カスタマーサポート:support@example.com(平日10:00〜17:00)
注文完了メールのテンプレート【コピーOK】
ここでは、すぐに使える注文完了メールのテンプレートを3パターンご紹介します。丁寧さとわかりやすさを意識した文面を基本としながら、用途に応じてアレンジしやすい内容になっています。文面の構成や言葉遣いを調整することで、ブランドのトーンにもなじみやすくなります。
シンプルな基本テンプレート(汎用)
件名:【○○ショップ】ご注文ありがとうございます(注文番号:123456) ○○様 このたびは○○ショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。 以下の内容でご注文を承りました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ご注文内容 注文番号:123456 注文日:2025年3月28日 【商品名】○○○○×1 【合計金額】3,980円(税込) ■お支払い方法 クレジットカード払い ■配送先 〒123-4567 東京都○○区○○町1-2-3 ○○マンション101 電話:090-xxxx-xxxx ■発送予定 ご注文日より1〜2営業日以内に発送いたします。 ■カスタマーサポート ご不明点がございましたら、お気軽にご連絡ください。 support@example.com(営業時間:平日10:00〜17:00) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 商品到着まで今しばらくお待ちくださいませ。 引き続き、○○ショップをよろしくお願いいたします。 |
パーソナライズ対応テンプレート(名前や購入商品入り)
件名:【○○様】ご注文ありがとうございます|○○○○のご購入確認 ○○様 このたびは○○ショップにて【○○○○】をご購入いただき、ありがとうございます。 ご注文が正常に完了しましたので、下記に内容をお知らせいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ご注文番号:123456 ■注文日:2025年3月28日 【ご購入商品】 ・○○○○ ×1 ・△△△△ ×2 【合計金額】8,920円(税込) ■お支払い方法:コンビニ払い ■配送予定日:3月30日頃を予定しております ■お届け先:東京都○○区○○… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ なお、発送完了時には改めてメールにてご連絡いたします。 今後とも○○ショップをよろしくお願いいたします。 ○○ショップ https://○○shop.jp |
サブスク・定期購入向けテンプレート
件名:【定期便】ご注文完了のお知らせ(次回分:2025年4月分) ○○様 いつも○○定期便をご利用いただき、誠にありがとうございます。 以下の通り、今回の定期便の注文が完了しました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ご注文番号:SUB-123456 ■お届け予定:2025年4月1日〜4月3日 ■内容:○○定期セット(○○×1、△△×2) ■金額:5,980円(税込・送料込) ■お支払い方法:自動クレジット決済(2025年3月28日処理済) ■次回発送予定日:2025年5月1日 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今後も快適にご利用いただけるよう、サービス改善に努めてまいります。 ご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください。 ○○定期便 カスタマーサポート support@example.com |
注文完了メールで顧客満足度を高めるコツ
注文完了メールは、ただ情報を伝えるだけでなく、顧客との関係性を深める重要な接点でもあります。特に、メールの表現や構成に少し工夫を加えるだけで、満足度・リピート率・ブランド好感度の向上につながります。ここでは、顧客体験(CX)を高めるための実践的なコツを4つ紹介します。
商品到着までのワクワク感を演出する文言
商品が届くまでの時間は、顧客にとって「楽しみに待つ時間」。注文完了メールには、期待感や楽しみを高める一言を添えることで、ポジティブな印象を与えることができます。
例文
- 「ご注文ありがとうございます!商品は現在、心を込めて準備中です」
- 「まもなくお手元に届く○○○○、楽しみにお待ちください!」
- 「あなたの暮らしにちょっとしたワクワクをお届けします」
このような温かみのある表現を加えるだけで、機械的な通知メールから脱却し、顧客にとって印象に残る体験となります。
クロスセル・アップセルのさりげない提案
注文完了のタイミングは、顧客の購買意欲が高まっている瞬間でもあります。その流れを活かし、関連商品や人気商品をさりげなく紹介することで、追加購入や次回の来店を促すことができます。
工夫のポイント
- 「この商品を購入された方はこちらもチェックしています」
- 「お得なセット商品もございます」
- 「次回のお買い物で使える○○円クーポンをプレゼント」
ただし、あくまで“さりげなく”提案することが重要です。売り込み色が強くなりすぎないよう、自然な導線として設計しましょう。
レビュー依頼やSNSシェアの導線づくり
商品の使用後、レビューを書いてもらう・SNSでシェアしてもらうことで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を生み出し、他の顧客の購入促進にもつながります。
注文完了メールの最後や追伸に、軽く促すような文面を加えておくと効果的です。
例文
- 「商品のご感想をレビューでぜひお聞かせください」
- 「#○○ショップ での投稿もお待ちしております」
- 「Instagramでシェアしていただいた投稿は公式アカウントでも紹介させていただくことがあります」
このような導線を用意しておくことで、ユーザーとのエンゲージメントが自然に深まり、口コミによる集客効果も期待できます。
ブランドらしさを伝えるデザイン・文体
注文完了メールは、ブランドの世界観やトーンを表現できる貴重な機会でもあります。メールのレイアウトや色使い、文章の口調などに一貫性を持たせることで、ブランドイメージを強化できます。
工夫例
- ナチュラル系ブランドなら…やわらかい文体+落ち着いた配色
- 若年層向けなら…フレンドリーな言葉+カジュアルなデザイン
- 高級感を出したいなら…丁寧な敬語+シンプルで上質なレイアウト
ブランドの印象を伝えるトーン&マナーを意識することで、メールひとつでも「らしさ」を感じてもらえる設計が可能です。
注文完了メールに関するよくある質問(FAQ)
注文完了メールの運用にあたって、現場でよく聞かれる疑問点をまとめました。メールの設計や対応に迷ったときの判断材料としてお役立てください。
注文確認メールと完了メールは別で送るべき?
場合によりますが、運用フローに応じて分ける方が適切なケースもあります。
- 注文確認メール:注文受付直後に自動送信。「注文を受け付けました」という一次的な通知。
- 注文完了メール:在庫確認や決済完了後に送信。「注文が確定し、出荷準備が整った」ことを伝える通知。
とくに在庫状況や決済処理に時間差がある場合は、2通に分けることでトラブル回避がしやすくなります。
一方、即時決済・即出荷が可能なショップであれば、1通に集約しても問題ありません。大切なのは、顧客にとって情報が明確で安心できる構成になっているかどうかです。
メールが届かないと言われたときの対処法は?
メールが届かない原因としては、以下のようなケースが考えられます。
- メールアドレスの入力ミス
- 迷惑メールフォルダへの振り分け
- フリーメール(Gmail、Yahooなど)での自動ブロック
- HTMLメールが受信拒否されている
対処法
- まずは迷惑メールフォルダを確認するよう案内
- メールアドレスの再確認と、誤入力があれば訂正依頼
- 必要に応じて、テキストメール形式の再送や、マイページからの確認方法を案内
また、システム側での送信ログの確認ができる場合は、正常に送信されたかどうかを把握することで原因の特定に役立ちます。
HTMLメールとテキストメール、どちらが良い?
目的や顧客層に応じて使い分けるのがおすすめです。
種類 |
特徴とメリット |
HTMLメール |
デザインや画像が使え、ブランドの世界観を表現しやすい。 リンク導線やバナーも設置可能で、視覚的訴求力が高い。 |
テキストメール |
どのデバイス・環境でも表示が崩れにくく、迷惑メール扱いされにくい。 シンプルで誠実な印象を与えやすい。 |
ブランドイメージを大切にしたい場合や、クロスセル・レビュー導線を設けたい場合はHTMLメールが適しています。
一方で、確実な到達とシンプルな伝達を優先する場合はテキストメールも有効です。
現在はHTMLとテキストを両方含めた「マルチパートメール」の活用が主流となっており、両者のメリットを併用するのが理想です。
まとめ
注文完了メールは、単なる購入通知ではなく、顧客に安心感を届け、ブランドの信頼を築くための大切なタッチポイントです。必要な情報を明確に伝えるだけでなく、文面やデザインに少しの工夫を加えることで、顧客体験(CX)の向上やリピート率アップにもつながります。
メール1通の質を見直すことは、小さな改善のようでいて、長期的には大きな成果につながるマーケティング施策のひとつ。ぜひ自社のブランドや運用に合った形で、効果的な注文完了メールを設計・活用してみてください。