YouTubeやTikTok、Instagramのリール(Reels)などの盛り上がりを見ると、動画は非常に人気のあるコンテンツで広く受け入れられていることが分かります。フレッツ光などの高速な光ファイバーが普及したことと処理性能の高いスマートフォンやパソコンがリーズナブルな価格で提供されていることにより動画視聴のインフラが整ったことがネット環境下での動画視聴の普及を後押ししています。
しかし、ほとんどのECサイトでは商品を説明するのに使っているのは写真とテキストです。
動画へのシフトはECサイトでも起きています。数年後にはECサイトの商品ページに動画があるのは一般的になるでしょう。
今回の記事ではなぜ動画が使われると予測するのか、その理由と動画取り込むための方法について説明しています。
「写真撮影するのも大変なのに動画なんてできない」
「他のECサイトと差別化するのに動画を使いたいけれど、どうすればいいか分からない」
「商品をオンラインでもうまくイメージを掴んでもらう方法を探している」
などと考えている方には必見の記事です。
目次 1-1. ECサイトに動画が有効な理由 1-2. Shopifyが動画と相性が良い理由 3-1. ozie 3-2. ミナト電機工業株式会社 3-3. ACE Online Store |
ECサイトでリアル店舗と比べて一番劣る点は商品のイメージを掴みにくいという点でしょう。
特にファッション系だと手に取ったり試着したりできないので、サイズ感や質感がわかりにくいことがあります。
そのため、購買までに至らないということもありますし、実際に届いてイメージと違ったということで返品になったりすることもあります。この商品のイメージを掴んでもらうための手段として、動画は有効なツールになります。
モデルが試着して動いている状態を見せることができますので、静止した状態の写真よりも商品をよりよく見せることができます。商品の良さや機能を詳細に説明する場合にテキストで行うと長文になってしまいユーザは途中で読むのを止めて離脱してしまう恐れがあります。
ところが、動画であれば商品説明を短時間で理解してもらい、かつ、印象づけることが可能になります。
Shopifyで動画を埋め込むのは簡単なステップでできます。
商品ページやブログ記事に動画を埋め込むには2つのやり方があります。
・動画ファイルをShopifyにアップロードする
・YouTubeなどの動画サイトのURLを埋め込む
商品ページでは動画のファイルをアップロードするか、動画投稿サイトのURLを指定すれば完了です。写真データをアップロードするのと変わりません。
ブログでは動画ファイルを別途アップロードしてリンクを取得しておいてブログ編集画面からビデオタグで囲んで貼り付けます。YouTubeなどの動画投稿サイトの動画を埋め込むには埋め込み用のコードを取得して、やはりブログ編集画面の動画挿入から行います。
ブログにおいても一手間掛かりますが、Wordpressなどのブログ運営の経験があれば対応可能なレベルの作業で動画を埋め込むことができます。次の章から動画の活用方法と実際の埋め込み方法について解説していきます。
日本国内のYouTube視聴者数は2020年9月で月間利用者数が6500万人以上となっています。
また、「なくなったら最も寂しいプラットフォーム」で1位となっています。(出典:Google)
集客するには最適な動画プラットフォームといえます。
YouTubeを集客に活用するにはまずはご自分のショップのチャネルをYouTubeに開設します。
そして、動画をアップすることと並行して、多くのユーザにチャネル登録してもらうようにします。
ショップに会員登録しているお客様にYouTubeチャネルをアナウンスしたりして増やすのも一つの手です。
商品の訴求ばかりではなく、ユーザにとって役に立つ情報や興味を引く情報を提供することによって、ユーザを増やすようにします。チャネルに登録しているユーザには新規の動画をアップすると通知が届きますので、動画を通じてショップへの流入が期待できます。
動画をアップするときに設定でECショップへの導線を付け加えることができます。
①ティーザテキストを設定しておくと動画画面右上に表示され、クリックするとカードが表示されます。
カードにショップのリンクを設定しておけばユーザが訪問してくれるようになります。
②動画の説明にショップのリンクを記載すればクリックすればジャンプできるようになります。
上記の画面は動画のアップロードする際に説明文やタイトルなどを設定していく画面の一つです。
こちらでは動画に追加で表示できるカードの設定画面になります。
リンク先のURLやティーザーテキスト、行動を促すフレーズなどを設定していきます。
ECサイトの商品ページやブログ記事に動画を埋め込むことは、写真だけでは伝えきれない質感やサイズ感などをお客様にイメージしてもらう上で大きなツールになりますし、他のショップと差別化することもできます。
動画について以下の調査があり、これからますます動画がECサイトにおいても重要な伝達手段になることがわかります。
項目 |
全体(18歳以上) |
18-34歳 |
動画を視聴した後にECサイトで 商品を購入したことがある |
76% |
85% |
製品やサービスの情報を動画で 伝えることが重要 |
59% |
62% |
出典:Brightcove Inc.「2018年版動画マーケティング調査(2018 Video Marketing Survey)」
Shopifyで動画を埋め込む手順について説明していきます。
まずはYouTubeなど動画サイトに投稿している動画を埋め込む方法です。
最初に対象となる動画のURLを取得します。
取得方法は上図のように「共有」をクリックし、ポップアップした画面よりURLが表示されている右にある「コピー」をクリックします。これで、クリップボードにURLがコピーされました。
取得した動画のURLを商品ページのメディアに登録する手順を説明します。
①「URLからメディアを追加する」をクリック
②「埋め込みビデオ」を選択
③クリップボードからURLをペーストします。
以上で完了です。
最初に対象となる動画のURLを取得します。
取得方法は上図のように、
①「共有」をクリックし
②ポップアップした画面より「< > 埋め込む」をクリック
③ポップアップした画面より画面右下にある「コピー」をクリック
これで、クリップボードにURLがコピーされました。
動画を埋め込みたいブログ記事を開きます。
編集メニューで「ビデオ」アイコンをクリックし、ポップアップした画面に先ほど取得したURLをペーストします。
「ビデオを挿入する」をクリックして完了です。
次にローカルに動画ファイルが存在している場合の手順について説明します。
動画をアップロードすることになります。
上の図のように「メディアを追加する」の部分に動画ファイルをドラッグするかクリックして指定します。
アップロードされ「メディア」に反映されます。
まず最初に動画ファイルをアップロードします。
①管理画面左下にある「歯車」マークをクリック
②「設定」の「ファイル」をクリック
③「ファイルをアップロード」をクリックして、動画ファイルを指定
④アップロードが完了するとファイル情報が表示されます。
「リンク」をクリックして動画ファイルのURLをコピーしておきます。
コピーしたURLを以下のようにビデオタグで囲みます。
<video controls="controls" style="max-width: 100%; height: auto;">
<source src="URLを貼付" type="video/mp4" />
お使いのブラウザはこの動画に対応していません。
</video>
動画を埋め込みたいブログ記事の編集画面を開きます。
メニューバーにある「< >」をクリックしてHTML表示にします。
先ほどのビデオタグで囲んだコードを貼り付けます。
以上で完了です。
Shopifyでは、3Dモデルのデータファイルを取り込んで表示させることができます。
また、3DモデルとAR(拡張現実)を組み合わせて、商品を実際の周りの環境に置くことができます。
出典:Pure Cycles
上記の自転車を我が家の庭に置いてみます。
このような形で現実の環境に商品である自転車を置いて確認することができます。
サイズ感など認識することができるので、例えば家具やインテリアなどは実際に自分の部屋に置いて確認してみることができます。現時点では表示端末の要件はiPhone + Safariの組み合わせとなります。
3Dモデルを商品ページに配置する手順は次の通りです。
用意する3Dモデルはglb形式のものを用意します。
手順としては加増データをアップロードするのと同じで、「商品を追加する」ページの「ファイルを追加」から3Dモデルのファイルをアップロードします。
アップロードした3Dモデルは以下のように上下左右や拡大表示することができます。
様々な視点から見ることができますので、今までの画像データよりも十分に商品のイメージを伝えることができます。
3Dモデルの表示はChromeやEdgeで表示することが可能です。
ozieは株式会社 柳田織物が運営するシャツを専門に販売するオンラインショップです。
ozieはYouTubeを認知度アップのために活用しています。
認知度を上げるため、動画投稿には商品の説明以外に「ネクタイをプレゼントする際の選び方~就職・転職祝いといった20代の方向け」や「ビジネススタイルにおけるマスクの色の選び方」といった、ユーザの知りたいノウハウや知識を伝えていて、ユーザが知りたいと思って検索から流入してきた潜在ユーザに自社ブランドの「ozie」を印象づけています。
また、「ネクタイの結び方」といった動画で何回も見返してもらうという工夫もしています。
ミナト電機工業 オンライン店はミナト電機工業株式会社が運営している各種機械のオンラインショップです。
動画は主に商品ページに埋め込められていて、商品の使い方を説明している実演動画です。
動画の目的としては商品を知ってもらうことに焦点が当たっています。知ってもらうことにより、ユーザが納得することにより購入につなげていくという考えだと思われます。
URL:http://minatodenki-online.jp/
ACE Online Storeはエース株式会社 が運営するバッグのオンラインストアです。
ACE Online Storeでは3D/AR技術を用いて、試着体験ができる機能を提供しています。
iPhone + Safariでアクセスすると上記のような商品ページが表示されます。
「タッチでAR起動」をタッチすると、バーチャル試着ができます。
本当は人の背中にバックがくっついているパターンになるシーンです。
友人や大事な人にスクリーンショット撮ってもらって確認することになります。
もちろん、バッグのモデルは3Dですので360度あらゆる方向で見ることができます。
新型コロナの影響で実際にお店に出かけて手に取ったり、試着したりすることが難しい中でバーチャル試着体験を提供することによりオンラインでも納得のいく購買をしてもらうことができます。
URL:https://store.ace.jp/shop/default.aspx
ECサイトには動画や3Dは商品イメージをネットでも、きちんと伝えることができるという点で親和性の高い技術です。
特に動画についてはYouTubeの盛り上がりにより、動画を制作できるツールや人材が増えて制作コストも下がってきていますからお客様の納得性を高めてコンバージョン率を高めるために積極的に使っていくことが大切です。
また、3Dについてはモデル制作がハードルになるかと思いますが、単価の高い商品については制作していくことでブランドイメージも高めることができます。今回の記事を参考にして、動画や3DをECサイトに使っていくことを始めて下さい。
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