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【2023最新版】ECサイトにおけるKPIとは?基本から成功事例まで徹底解説

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ECサイトのKPIとは?基本から成功事例まで徹底解説【ECサイト担当者向け】

 

 

ECサイトを伸ばしていくためには、目標の設定が非常に重要です。

 

そのためには、KPIの導入・設定を行い、正しい目標設定をしていく必要があります。

しかし「KPIをどのように導入・設定すればいいのかわからない!」という方も少なくないのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、ECサイトの目標設定に用いられているKPIの活用方法やECサイトにKPIを置く際に考えることを解説していきます。

 

「そもそもKPIって何?」

「ECサイトでKPIを置く理由はあるの?」

「どのようにKPIでECサイトを分析していくの?」

 

などとお考えのECサイト担当者の方に必見です。

 

 

 

KPIとは?

 

KPIとは

 

KPIとはKey Performance Indicatorの略で、日本語訳では「重要業績評価指標」となります。

現在進行中もしくは今後進行予定のプロジェクトに対して目標を定め、具体的にどの進行するかを視覚的に表示させることを指します。KPIを置くことで目的と手段を明確に分け、業務を効率的に進めることが可能です。

 

KGIとの違い

 

プロジェクト進行においてKPIとKGIは混合させてしまいがちです。

KGIとは、Key Goal Indicatorの略で、日本語では「重要目標達成指標」となります。

例えば、「5月のECサイト売上目標を500万円に設定した」こと自体がKGIとなり、「500万円の目標をどのように達成するのか」がKPIとなります。そのため、KGIは予め定めた最終目標に対しての指標となるため、KPIとは全く異なるのです。

KPIとKGIの性質の違いを認識していなければ、正しく目標に向かうことはできないと言えるでしょう。

 

ECサイトでKPIを置く理由

 

ECサイト運営にかかわらず、定めた売上を達成することが最終目的となるビジネスの場合、KGIを設定していることは多いです。KPIを置く理由を把握していないため、プロジェクトを立ち上げたとしても、KGIのみを設定してしまいます。

 

しかし、KGIを達成するためには、必ずKPIを置く必要があります。

KPIを置いていない場合、自社で展開している商品を誰が・なぜ・どのように商品を購入したのか把握できません。

さらに、KPIを置くことでより売上の最大化につなげることが可能です。

 

指標を基に集めたデータを活用することで、KGIだけの設定を行っていた時には見えなかった、顧客の動きや具体的な売上の増減を把握できます。そのためKPIを置くことでECサイトの売上最大化につなげることができるでしょう。

 

KGIとKPIの関連性

 

KGIとKPIには、非常に密接な関係性が存在しています。プロジェクトを開始した際には、最終目標となるKGIを設定します。しかし、KGIを置いただけでは、プロジェクトをどのように進めればいいのか把握できません。

そのため、KGIに沿った形でKPIを置いていきます。

KGIを基にKPIを置くことで、より具体的な指標の確認が可能値なり、スムーズに目標に対しての指標確認が可能です。

さらに、KPIを細かく置いていくことで、目標達成までの明確な戦略を立てることができます。

 

ECサイトにおけるKPIの基本項目

 

ec KPI 基本項目

 

ECサイトにおけるKPIの基本項目は以下の通りです。

 

  ・セッション数

  ・回遊率

  ・LTV

  ・リピート率

 

セッション数

 

セッション数とは「ECサイトに訪問したユーザー数」のことを指します。

顧客満足度の高いECサイトを運営していたとしても、セッション数が少なければ売上を最大化することはできません

 

そのため、ECサイトを運営していく上では、セッション数をKPIの基本項目として定める必要があるのです。

また、セッション数に関連して、ユーザーのページ訪問数を表した「PV数」や、ユニークユーザー数を含めた指標として「アクセス数」と表すこともあります。

セッション数を増やす施策としては、以下の通りです。

 

  ・複数の媒体に対して広告掲載(紙媒体・電子媒体含む)

  ・自然検索数の増加(SEO対策)

  ・SNS経由の流入(Twitter・Instagram上でのブランディング対応)

 

ECサイトのセッション数を増やすためには、広告掲載だけでは効果が見られません。

つまり、上記で紹介している3つを掛け合わして、セッション数を増やすことが重要なのです。

 

EC セッション数 施策

 

セッション数を増やす施策を具体的に分解すると上記図のようになります。

ECサイトのセッション数が伸びない理由がわからない場合は、他の基本項目を並べ、一つづつ考えられる施策をKPIしていくことで、戦略を明確にできます。

 

回遊率

 

回遊率とは「セッションユーザーがECサイトを何ページ閲覧したか」を指します。

回遊率は「PV数/セッション数」で導き出すことができます。

サイト内のセッション数が増加している場合でも、回遊率が下がっていては顧客を満足できていない可能性が高いです。

そのため、サイトのクオリティを確認するために、回遊率をKPIの項目として定める必要があります。

例えば、1日のサイトセッション数が20,000・回遊率が10の場合、ユーザーがサイトに流入してから平均して10ページは閲覧していることがわかります。回遊率が高くなればなるほど、サイトのコンテンツが充実していると言えますので、セッション数同様に高めていく必要がある数値なのです。

広告やSNSでサイトに訴求する際、イメージと違う商品を訴求していては、回遊率が低下する可能性がありますので、適切な広告・SNS対策が必要と言えるでしょう。

 

LTV

 

lTVとはLife Time Valueの略で、日本語訳すると顧客生涯価値となります。

「1ユーザーが自社ECサイトに対して生涯支払う費用のこと」を指しています。

LTVを計算する方法は、「平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間-(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)」となり、平均購入単価×平均購入回数でも計算可能です。

LTVは単体でも算出できますが、CPA(顧客獲得単価)と比較することで、より具体的にKPIを置くことができます。

例えば、CPAの数値がLTVより高い場合は、1人の顧客が自社サイトで生み出す収益よりも広告費が発生していることを指します。そのため、集客戦略の改善を行い、LTVの数値の方を向上させる必要があるでしょう。

 

リピート率

 

リピート率とは「自社ECサイトで商品を購入した顧客がもう一度商品を購入してくれること」を指します。

リピート率の計算方法は全体顧客/リピート顧客となります。

 

ECサイトの売上を向上させるためには、新規顧客の売上だけに頼ることは非常に危険です。

新規顧客の売上だけに頼り切っている場合、常に新規顧客を集める集客戦略が必要になるため、広告費の比率を下げることができません。しかし、リピート顧客に対しての集客戦略は広告費をかける必要がないため、支出を抑えることが可能です。また、リピート率を上げるためのKPIの設定方法は以下の4つです。

 

  ・会員制導入

  ・SNS

  ・キャンペーン

  ・サイトデザイン改善

 

上記のようなKPI設定を行うことで、リピート率向上につなげられるでしょう。

 

ECサイトでKPIを置く際に考えること

 

kpi 考える事

 

ECサイトでKPIを置く際に考える必要があることは以下の3つです。

 

  ・仮説を立てる

  ・経費もKPIに含める

  ・ユーザーシナリオを考える

 

仮説を立てる

 

ECサイトでKPIを置く際は、KGIまでの予め仮説を立てる必要があります。

売上を最大化するためには、上記で紹介した通りセッション数や回遊率を高める必要があり、「どの部分に集中して施策を立てるのか」が重要です。そのため、「セッション数が増加しているが販売数量は変わっていない」・「回遊率が上がっているのにもかかわらずCPAが下がっている」などの、仮説を立てて問題点を炙り出す必要があります。

自社ECサイトの売上を高めていくためには、問題点を把握し仮説を立てながらKPIを置くことが重要と言えるでしょう。

 

また、複数個仮説を立てておくことで、PDCAサイクルを回すことが可能です。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことを指しており、立てた仮説が必ず成功するわけではないため、PDCAサイクルを行うことで実証できます。

例えば、PDCAサイクルを行った結果、「セッション数が増えないのは、ターゲットに絞った広告運用ができていないのではないか」などといった、経験を踏まえた仮説を立てていくことが可能です。

 

経費もKPIに含める

 

KPIを設定する際は経費も含める必要があります。売上をKGIとしてKPIを設定していくことが多いのですが、経費をKPIに含めていない場合があります。経費が必要以上にかさんでしまうと、せっかく上がった売上が利益として残らなくなってしまいます。

 

また、変動費が多いECサイトでは、経費は必ず発生してくるため、KPIとして経費を設定しておくことは重要と言えるでしょう。さらに、CPAやセッション数に関しては細かく数値化することが多いのですが、経費に関しては大まかな予算だけを定めて、数値化することは少ないです。

人件費などの固定費は、上がり下がりすることが少ないため数値化しない傾向にありますが、必要経費だけでも数値化しておくことで、全体を通した支出の確認もできます。

支出の確認ができれば、今まで把握できていなかった問題点を改善するきっかけにつながりますので、経費もKPIとして定めることが重要です。

 

ユーザーシナリオを考える

 

集客面でのKPIを設定していく上で、ユーザーシナリオは非常に重要です。

ユーザーシナリオとは「顧客の行動仮説を立ててどのように集客を行い成約につなげるか」を表すことです。

 

ユーザーシナリオをKPIとして定めることで、顧客の行動に基づいた集客戦略や訴求対応ができます。

例えば、12月から1月にかけてのKPIを設定する場合のユーザーシナリオは「ボーナスやお年玉」によって購買意欲が高まっていることが予想されます。それに伴い、「電化製品やゲーム機」などを意識した広告を用いて、自社ECサイトまで流入できるでしょう。また、具体的な電化製品名やゲーム機・ゲーム用のソフトなどのキーワードを基に、SEO対策が可能となります。

顧客の視点に立ち行動を考えることで、最適な集客や訴求戦略を生み出すことが可能です。

 

KPIの設置〜仮説検証の流れ

 

KPI 流れ

 

KPIを設置してから、仮設検証するまでの流れは以下の通りです。

 

  ・SMARTに基づきKGIとKPIを設置する

  ・ユーザーシナリオに沿って仮説を立てる

  ・PDCAサイクルを意識して仮説を検証する

 

SMARTに基づきKGIとKPIを設置する

 

KGIとKPIを設置していく上ではSMARTを意識する必要があります。

SMARTとは、下記のの各英単語の頭文字をとった言葉です。

 

  Specific:具体的な

  Measurable:計測可能な

  Achievable:達成可能な

  Relevant:関連した

  Time-bounded:期限を定めた

 

年間の収益目標を1億円としてKGIを設置する場合でも、達成可能な目標である必要があります。

そのため、希望的観測で目標を立てるのではなく、具体的に達成可能な目標を立てることが重要です。

また、KPIを設定する上でもSMARTに基づき、CPAやセッション数・リピート率を定めていきます。

フィードバックできない項目を設定してしまうと、継続できませんので、具体的に達成可能な計測できるKPI項目を設置していきましょう。

 

ユーザーシナリオに沿って仮説を立てる

 

上記でも解説している通り、実際にKPIを立てていくためには、いくつかの仮説が必要です。

仮説を立てずにKPIを設置してしまうとただの目標になってしまいます。そのため、ユーザーシナリオに沿った仮説を立てていく必要があります。ターゲティングしている顧客に対して、集客から成約までの流れを考えることでより具体的な仮説を立てることが可能です。

 

また、ユーザーシナリオはKPI項目として立てる内容と関連させることが重要です。

KGI達成のためにセッション数を上げるKPIを設置した場合、ターゲティングした顧客のセッション数を増やすユーザーシナリオを考える必要があります。例えば、20代女性のセッション数を増やしたいと考えている場合は「人気のある化粧品を取り扱っている広告の展開」や「取り扱い化粧品に関するコンテンツを増やし、SEO対策を行う」などの施策が考えられます。さらに、季節感も重要になってきますので、6月から9月頃に展開する広告に関しては、「汗でも落ちにくい化粧品」の訴求を積極的に行い、11月から2月頃には「乾燥を防ぐ化粧品」など、季節に合わせた対応が必要と言えるでしょう。

 

PDCAサイクルを意識して仮説を検証する

 

ユーザーシナリオに沿った仮説を立てた後は、PDCAサイクルを意識して仮説を検証していきます。

項目に合わせてPDCAサイクルを行い、自社に適した施策が何なのかを細かく探っていき、KGIにつなげます。

例えば、「コンテンツ数を増やしてSEO対策を行ったが、セッション数が増えない」といった場合は、コンテンツの質や量、ターゲットユーザーに適した内容なのかを確認し、それぞれ改善していきます。

コンテンツの内容を大幅に変更したことで、セッション数が伸びたのであれば、「ターゲットユーザーに適したコンテンツ内容」の作成に成功したと言えるのです。このように、立てた仮説をPDCAサイクルを行うことで、自社ECサイトに適したKPI項目の検証ができます。

 

ECサイトでの成功事例

 

kpi 成功事例

 

続いては、実際にKPIをおいて成功した以下2つのECサイトの事例を紹介していきます。

 

  セブンイレブン

  Abercrombie & Fitch

 

セブンイレブン

 

ec kpi 事例 セブンイレブン

 

セブンイレブンは、2016年に今まで蓄積したデータを活用するために、顧客データを分析する仕組みを構築し2018年にローンチしています。基本的なKPIを置き、システム内のダッシュボードで管理しながら業務を進めることで、データを根拠とした施策立案を可能にしています。

同社では、以前からKPIを置いてはいたのですが、項目を設定できてらず蓄積したデータを活用できていませんでした。

しかし、SMARTを意識してKPIを置くことで蓄積した顧客データを上手く活用し目標達成につなげています。

 

Abercrombie & Fitch

 

ec 成功事例 アバクロ

 

 

Abercrombie & Fitchでは、グローバルに実店舗からECサイトまで運用していたのですが、事業が拡大しすぎたため、細かくKPIを設定していませんでした。

特に目標達成するためだけの施策を打ち出していたため、経費をKPIとしては定めておらず、利益を追求できていなかったのです。しかし、自社で蓄積した顧客データを基にKPIを置くことで、求められる顧客体験に仮説を立てたビジネスが可能になっています。また、算出したデータを活用することで、複数のチャネルとスムーズにつながり、より利益を追求した行動を行っています。

 

まとめ

 

ec kpi まとめ

 

いかがだったでしょうか?ECサイトの目標設定に用いられているKPIの活用方法やECサイトにKPIを置く際に考えることを解説していきました。ECサイトの利益を追求するためには、自社に合わせたKPIを置くことが非常に有効です。

是非、この記事を参考に適切なKPIを設計してみてください。

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