ECサイトで効果的に商品を販売していくためには、商品画像を用いたイメージが大きく影響します。
現物を手に取って商品購入を決めるわけではなく、ECサイトで商品を判断する基準は、画像と口コミ・機能性のみです。
しかし、ECサイトに掲載するイメージの良い商品撮影方法がわからない!という方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、ECサイトにおける画像の重要性や商品イメージが良くなる画像撮影の方法について解説していきます。
「ECサイトに写真は本当に重要なの?」
「撮影前に考えるべきことって何?」
「ECサイトの写真撮影前に準備するものとは?」
などとお考えのECサイト担当者に必見です!
目次 1. ECサイトにおける画像の重要性 2-1. ターゲットイメージを定める 3-1. カメラ(三脚含め) 3-2. 背景紙 3-3. レフ板 3-4. 照明(三脚含め) 4. 撮影する際のポイント 4-1. 光を調整して露出を上げる 4-2. 商品に応じて背景や小物を変更する 4-3. 商品に適切なアングルや構図で撮影する 5. 成功事例 5-1. ユニクロ 5-2. 4℃ブライダル 5-3. 北欧、暮らしの道具店 |
前述の通り、ECサイトにおいて商品画像は非常に重要です。
EC運営者の中には、セッション数は伸びているのにもかかわらず、CV数が少ない、といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。サイトに流入し商品を確認してもらっているのにもかかわらず商品購入には至っていない、といったパターンが多いと思います。
上記のような場合であれば、ユーザーはサイトや販売されている商品に関しては興味を持っていますが、掲載されている画像から魅力を感じず、購入に至っていない可能性が高いです。
例えば、綺麗に照明の充てられた商品と、照明を当てることもなく簡単に撮影した写真とでは、全く購買率が異なります。
商品画像は、ユーザーが検討している商品を購入する背中を押してくれます。
そのため、ECサイトにおける画像は非常に重要であると言えるでしょう。
ECサイトの商品撮影の前には、以下2点について考えておく必要があります。
・ターゲットイメージを定める
・撮影種類を決定する
写真撮影前には、ターゲットイメージを定めておく必要があります。
服をメインに販売しているECサイトの中でも、20代女性に向けて販売しているのか、30代男性に向けて販売しているのかでは、撮影方法が異なります。
そのため、撮影前に自社がターゲットとしているユーザーのイメージを定めることで、より具体的に写真撮影方法を決定可能です。また、ターゲットイメージを定める際には、以下2点に注意が必要です。
・ターゲットユーザーが求める商品・情報は一体何なのか
・どのように撮影することで購買意欲が高まるのか
ECサイトでターゲットイメージを定めていくためには、ユーザーが求めている商品や情報が一体何なのかについて考える必要があります。ユーザーニーズに沿った写真を掲載することで、興味を持ってもらった商品の購買率を上昇できます。
また、ユーザーが商品に求めている情報を把握できれば、商品のどの部分を撮影すれば良いのかがわかるでしょう。
前もって商品の撮影方法をイメージしておくことで、商品購入導線を作れます。
例えば、アパレル関連のECサイトが服を販売している場合、商品のインサート撮影を行うのではなく、実際にモデルが商品を着用した上で撮影した方が、ユーザーがイメージを持ちやすいです。
そのため、商品ごとに最適な撮影方法を用いることで、ユーザーの購買意欲をより高められるでしょう。
ターゲットイメージを定めた後は、撮影種類を決定します。
商品画像を撮影する際に用いる手法は大きく分けて、以下の2つです。
・イメージ写真
・ディティール写真
イメージ写真とは、実際に商品を使用しているシーンを撮影する手法です。
例えば、服を着用している写真などはイメージ写真にあたり、購入後のイメージを視覚的に伝えられるため、ユーザーの購買意欲を刺激しやすいです。
また、全体的なサイズ感なども伝えられるため、ユーザーが最も求めている写真とも言えるでしょう。
ディティール写真とは、商品の全体を撮影するのではなく細かい部分を撮影する手法です。
例えば、服のボタンや生地感、光が当たった際の透け具合などを表すことが多く、ユーザーが抱えている不安や問題点を取り除くことを目的としています。
ユーザーは購入後のイメージを把握していたとしても、自身が利用したことも考えて細かい部分も気になります。
そのため、ECサイトに写真を掲載する際は、イメージ写真だけではなくディティール写真の掲載も必要です。
ECサイトの商品撮影を行う前に準備するものは、以下の通りです。
・カメラ(三脚含め)
・背景紙
・レフ板
・照明(三脚含め)
ECサイトの商品写真を撮影する際は、もちろんカメラが必要です。
カメラにも様々な種類が存在していますが、できれば一眼レフのようなカメラが好ましいです。
iPhoneなどのカメラでも撮影自体は可能ですが、カメラ内に搭載されている機能や商品を最大限綺麗に見せるための機能が揃っていないため、デジカメや一眼レフカメラが良いでしょう。
また、撮影した写真にはある程度統一感を持たせる必要があるため、カメラ専用の三脚が必要です。
三脚がなければカメラを固定できないだけではなく、距離感や高さや平行間がなくなってしまいます。
ECサイトの商品撮影は、数十枚から数百枚以上撮影するため、人が手に持った状態で撮影していると、どうしても時間が経つにつれて平行感がなくなり、写真がブレてしまいます。
そのため、撮影時はカメラと三脚が必要です。
背景紙とは、商品の後ろに設置する真っ白な紙のことを指します。
スタジオで撮影する際は、背景が真っ白な場合もありますが、完全な白色ではないため商品が強調されない可能性が高いです。販売する商品以外の情報は削ぎ落とす必要があるため、背景紙は準備しておきましょう。
レフ板とは、撮影中に照らしている照明の逆光を減らす板です。
屋外・屋内の撮影ともに使用する機材の一つであり、光の明暗を調整する際にも使用します。
対象に照明を当てていてもピンポイントで当たることは少なく、大きい商品であれば光が発散してしまい、暗く写ってしまうことがあります。そのため、発散している光をレフ板で集めて、対象をより白くすることで、綺麗な写真を撮影可能です。
個人で写真撮影を行う際はレフ板を忘れてしまいがちですので、忘れずに準備しておきましょう。
照明とは、対象を光で照らす機材です。
屋内で写真を撮影していても、天井から照らしている光だけでは対象に影が写ってしまいます。
特にディティール写真を撮影する際は、細かい部分をしっかりと撮影する必要があるため、照明を活用してどの報告から見ても影が残らないように撮影が可能です。
照明は当てる部分によって大きく写りが変わるため、三脚を含め用意しておけば、影を残さずに撮影できるでしょう。
ECサイトの写真を撮影する際のポイントは、大きく分けて以下の3つです。
・光を調整して露出を上げる
・商品に応じて背景や小物を変更する
・商品に適切なアングルや構図で撮影する
商品の撮影を行う際は、細かく光を調節して露出を上げる必要があります。
照明で光が当たってる商品でも、綺麗に写るわけではないため、照明の強さやレフ板の当たり具合・撮影後の写真を加工して露出を上げていきます。
露出を上げることで商品の明暗が浮き出てくるため、商品の細い部分の凹凸をはっきりと映し出せるのです。
露出が低ければ写真が白飛びしてしまい、商品の細かい部分が見えなくなってしまいます。
そのため、上記で紹介している機材を揃えて、撮影写真を確認した上で、加工する作業が必要になります。
基本的にECサイトの商品写真を撮影する際は、背景を白に統一する必要があります。
また、Amazonや楽天市場のような大手モールタイプのECサイトのガイドラインにも「背景は白を基調とする」と表記されており、白以外を使用するとガイドライン違反となります。
しかし、全ての商品を白を基調とした背景で撮影していては、魅力を十分に引き出せない可能性が高いです。
そのため、白い商品を撮影する場合は、背景を暗めに設定して白を映えさせたり、夏向けのアパレル商品であれば海を背景に撮影する、といった形で工夫が必要です。
ただし、背景色と相性が合わない場合や小物が多すぎてしまっては、商品の魅力を阻害してしまう可能性がありますので、注意しましょう。
写真を撮影する際は、商品に適切なアングルや構図で撮影することで、より一層魅力を伝えられます。
カメラアングルは大きく分けて以下の3つが存在しています。
・ハイアングル
・水平アングル
・ローアングル
ハイアングルでは、商品を上から俯瞰した撮影を行い、全体的なイメージをユーザーに伝えます。
水平アングルでは、商品とカメラを水平に立てて撮影することで、商品のリアルなサイズ感を伝えます。
ローアングルでは、商品を低い位置から撮影を行い、見上げた際のイメージやハイアングルでは見えなかった部分をユーザーに伝えることが可能です。
さらに撮影構図にも型が存在しており、大きく分けて以下の3つです。
・日の丸構図
・三分割構図
・対角線構図
日の丸構図とは、商品を構図の中央に配置して撮影する構図を指します。
比較的シンプルな構図のため、写真撮影初心者の方でも直感的に撮影でき、商品のイメージをわかりやすく伝えられます。
三分割構図とは、写真全体を線で3×3に分割して4つ戦が交わる部分を撮影する方法です。
全体的にバランスが良い写真撮影が可能であり、安定感のあるイメージを伝えられます。
対角線構図とは、写真全体を対角線上に線を引き、商品のサイズ感に応じた撮影を行う方法です。
奥行きある撮影ができるため、商品のサイズ感を視覚的にわかりやすく伝える写真を撮影できます。
撮影する商品に合わせてアングルや構図を設定することで、よりユーザーの求める画像を届けられるでしょう。
続いては、商品撮影が上手く画像をメインにEC運営を行なっている事例を3つ紹介していきます。
紹介するECサイトは以下の通りです。
・ユニクロ
・4℃ブライダル
・北欧、暮らしの道具店
引用元:https://www.uniqlo.com/jp/ja/
ユニクロは、ファッションブランドの1つで様々な衣類を販売しています。
実際に着用しているイメージ写真と生地感を伝えるディティール写真を活用して、購入後のイメージを増幅させています。
また、商品写真だけではなく着用イメージ動画も公開しているため、画像では伝わりづらいサイズ感や着用している感覚もわかりやく伝えている点が特徴です。ユニクロでしか使用していない特別な生地なども存在していますが、ECサイトに掲載している画像だけで収益を上げています。
4℃ブライダルは、高級感のあるブライダルリングの販売を行なっているECサイトです。
背景と小物を活用してブライダルリングを映えさせるような構造となっており、ジュエリーの輝きを伝えられるような高画質で写真撮影を行なっています。販売している商品の価格設定は数十万円になるため、写真だけでブライダルリングの高級感を伝えています。
引用元:https://hokuohkurashi.com/
北欧、暮らしの道具店は、北欧をイメージした小物や雑貨を販売しているECサイトです。
完全な白背景の商品は少なく、日常生活でよく見かける雑貨と共に撮影されています。
そのため、完全白基調の背景よりも生活感が生まれ、ディティール写真だけでも購買後の利用イメージを生み出してくれます。他にはない独特なアングルと構図を採用しているため、オリジナリティあふれる写真が多い点も特徴的です。
いかがだったでしょうか?ECサイト運営に置いて写真撮影は非常に重要な部分です。
商品に対して適切な写真撮影を行うことで、少ない流入数でもCV数を増加させることができます。
販売商品の魅力やイメージを最大限ユーザーに対して伝えられるため、継続的に売上アップが期待できるでしょう。
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