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Shopifyは中国展開に最適!市場規模から展開方法まで徹底紹介【詳細データ付き】

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Shopifyは中国展開に最適!市場規模から展開方法まで徹底紹介【詳細データ付き】

 

最近、越境ECという言葉が目に付くようになっています。

越境ECは国境を越えて海外のユーザへ販売するビジネス形態です。

オンラインでの販売が普及する以前は海外で販売するには現地法人を作って販売するか、現地の代理店を探して販売してもらうしかありませんでした。

しかし、ECサイトが普及した現代では現地法人も販売代理店も不要で、日本からECサイト経由で販売することが可能となっています。特に中国はECの市場規模が日本の約20倍で、大きなビジネスチャンスがある市場です。

 

「中国へ越境ECを始めたいけど、市場の事情について知りたい」

「中国への越境ECとどのようにやるのか知りたい」

「中国への越境ECをShopifyでできるのか知りたい」

 

といった方には必見です。

 

 

 

越境ECとは?

 

shopify 越境ECとは

 

越境ECとは国境を越えて、ECサイトによる販売を行うことを指します。

つまり、海外の消費者に向けて日本の商品をECサイト経由で販売するビジネス形態です。

日本国内で事業ができますので、販売先の国に現地法人を作るといった投資をしなくてもすむので、最近注目を集めているビジネス形態です。越境ECの市場規模ですが、下記に経済産業省が推計した数値を掲載します。

 

日本から中国への販売額は1兆6558億円、日本から米国への販売額は9034億円で日本の両国からの購入額3175億円と比較すると圧倒的に日本からの輸出超過の状況にあります。

 

shopify 日本 中国

 出典:令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)報告書 経済産業省

 

また、下記に各国のEC市場規模を示していますが、日本と比較すると中国や米国の規模が突出して大きいことが分かります。特に中国の規模は1 兆 9,348 億 US ドルと格段に大きいです。

 

shopify 中国規模

 出典:eMarketer, May 2019 をもとに経済産業省作成

 

越境ECに進出することは日本の市場規模より数倍~10倍以上の大きい市場を相手にすることができることになります。

 

中国市場について

 

shopify 中国市場

 

中国市場について、以下に説明していきます。

 

中国のEC市場規模

 

中国のインターネットを使った販売金額は以下の図のようになっています。

 

shopify 中国 市場規模

 出典:国家統計局データより中小機構作成

 

日本円に換算すると2019年は182兆1330億円(1元=17.13円)になります。

日本の2019年 BtoC-EC市場規模は19兆3,609億円ですので、中国の市場は日本の約10倍です。

中国でのECプラットフォーム別の売上シェアを下記に示します。

 

B2C 中国 シェア率

 

アリババが主体で運営している「天猫」が1位、テンセントグループの「京東」が2位、3位の拼多多はソーシャルコマースのモデルを取り入れて、急成長しているECプラットフォームです。

日本ではEC市場において圧倒的な存在感を示しているAmazonは2019年に中国市場から撤退することを公表しています。

 

ECが活発な理由

 

なぜ、中国のEC市場が世界1位になることができたのでしょうか?

中国の経済成長が高く、個人消費自体が大きくなっていることが理由として考えられます。

それ以外にキャッシュレス化が韓国、英国に次いで3番目に普及していることが挙げられます。これは高額紙幣が100元までということと偽札が流通していることからキャッシュレスが進んだと言われています。

また、11月11日の「独身の日」に代表されるセールイベントが毎月あり販売を盛り上げるイベントがあることも一因と考えられます。そして、推測となりますが中国の消費者は買い物するときにお店や品物を何回も比較するという傾向があります。リアル店舗では大変ですが、ECサイトでは検索だけでできますので、ECサイトでの購入が進んだと推測できます。

 

日本企業が中国にEC展開すべき理由

 

中国のEC市場で日本の商品は受け入れられており、今後も継続して受け入れられると考えられます。

したがって、中国へEC展開することにより国内販売以上の売上が期待できると考えられます。

一つ目の理由は「越境ECとは」で示した越境ECの市場規模です。日本から中国への販売額は1兆6558億円で米国の2兆94億円と比較しても遜色ない金額です。

中国では日本の商品が受け入れられていることを示しています。

2番目はコロナ後、中国からのインバウンドの大きさです。インバウンド効果により引き続き日本商品が中国で受け入れられると予測できるからです。

2017年12月、日本貿易振興機構(ジェトロ)が「中国の消費者の日本製品等意識調査」によると、越境ECで購入する理由については、「日本へ旅行した時で購入して気に入ったから」が4割になるというデータがあります。

2018年の国別訪日外国人の割合を下図に示しています。

中国からの旅行者数は2018年に838万人で、2019年で960万人弱と国別で1位でした。

 

中国 旅行者数

 出典:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計よりJTB総合研究所作成

 

また、新型コロナが終息した後に訪問したい国は全体の国で日本が1位で、中国人では圧倒的な1位になっています。

 

コロナ収束後 行きたい国

 出典:「DBj・JTBF アジア・欧米豪 方に津外国人旅行者の意向調査」より弊社グラフ作成

 

つまり、日本商品のファンになってくれる中国人消費者がコロナ後に増えることが期待できるということです。

 

中国でECを展開する方法

 

shopify 中国 始め方

 

中国でECを展開する方法は大きく分けて次の3つに分類されます。

 

・現地法人による中国ECプラットフォームでの販売

・中国ECプラットフォームの越境EC専用プラットフォームでの販売

・自社のECサイトによる越境EC販売

 

1の現地法人を設立して中国ECプラットフォームに出店する方法はかなりの準備やコストが必要となり中小EC店舗では難しいことと、今回のテーマは「越境EC」ですので、2と3について説明していきます。

 

中国越境EC専用プラットフォームでの販売

 

日本国内から中国のECプラットフォームに出店するには各プラットフォームが越境ECのために用意しているEC専用プラットフォームへ申し込むことになります。

中国の現地法人がなくても出店することができます。

以下のようなステップで出店を進めていきます。

 

・越境EC専用プラットフォームの選定

・越境EC専用プラットフォームへの契約書提出

・取引用の決済口座開設

・カスタマーサポートの構築

・店舗および商品ページの制作

・販売促進のための広告運用

・商品の配送網の整備

 

Tmall Global (天猫国際)

 

EC Tmall Global (天猫国際)

 

 

Tmall Global (天猫国際)はアリババグループが運営しているTmall (天猫)の越境EC専用のプラットフォームです。

出店に必要な初期費用と諸費用は以下の通りです。

 

・保証金 15万~80万人民元

・年間技術サービス料金 3万もしくは6万人民元

・商品販売手数料 2%もしくは5%

 

詳細はTmall Global Fee Standardsを参照してください。

また、出店に当たっては厳しい審査があります。

出店をサポートする会社がありますので、自社だけでやるよりはそちらの利用検討をおすすめします。

Tmall Globalに出店している日本の著名な企業は、花王、小林製薬、資生堂、象印マホービン、ライオンなどがあります。

URL:https://www.tmall.com/

 

JD worldwide(海囤全球)

 

EC JD worldwide(海囤全球)

 

JD worldwide(海囤全球)はテンセントグループが運営している京東の越境EC専用のプラットフォームです。

出店に必要な初期費用と諸費用は以下の通りです。

 

・保証金 1万5千ドル

・年間利用料 1千ドル

・ロイヤリティ 2~5%(商品カテゴリによる)

 

JD worldwideはTmall Globalと比較すると審査は通りやすいです。

JD worldwide(海囤全球)に出店している日本の著名な企業には、赤ちゃん本舗、ミキハウス、楽天などがあります。

 

Shopifyを使った自社越境ECでの販売

 

中国の越境EC専用プラットフォームを利用せずに、日本国内でECサイトを立ち上げて中国の消費者に向けて販売することも可能です。自社越境ECでは中国のECプラットフォームへの支払いも審査も不要となりますが、中国の消費者をどのように集客するかが大きな鍵になります。

また、次のステップは自社ECでも必要となります。

 

・カスタマーサポートの構築

・店舗および商品ページの制作

・中国向け決済手段の導入

・販売促進のための広告運用

・商品の配送網の整備

 

中国向けの越境ECサイトで重要となる部分について、Shopifyならではのソリューションを下記に説明します。

 

アプリによる翻訳支援

 

店舗のデザインや商品ページなどは中国の消費者に使いやすくするために翻訳が必要となります。

中国語が堪能な人材に翻訳をすべてお願いできればいいですが、メニューや商品名など機械的、定型的に翻訳できる部分や繰り返し同じフレーズが登場することもあります。

そういった翻訳を効率的に行えるアプリがShopifyにはあります。

詳しくはこちらを参照:Shopify app store 国際化

 

翻訳アプリのうち「Translate My Store & Currency」を参考のために紹介します。

 

shopify Translate My Store & Currency

 

 本アプリの機能は以下となっており、しかも無料で提供されています。

 

・チェックアウトページのローカル言語での表示と対象国の通貨表示

・SEOフレンドリー、ローカライズされたURL

・自動AI翻訳

・手動翻訳機能

 

中国向けの決済手段

 

Shopifyは2020年11月に中国の決済システムである、Alipay(アリペイ)とパートナーシップを結んだとアナウンスしています。ただし、日本ではまだサービスはリリースされていません。

日本ではSBペイメントサービスが、「Shopifyマルチ決済にAlipay決済を追加」を2020年12月にリリースしています。

Shopifyを利用している事業者はSBPSの決済サービスを導入すると中国の消費者向けにAlipay決済が利用してもらうことができます。Alipayはアリババグループの会社が提供している決済サービスです。

Alipayが中国における決済のシェアは54%で、中国の消費者に一番使われている決済手段です。

 

国際発送手段

 

国際発送手段は大きく分けると以下の2つがあります。

 

項目

EMS(国際スピード郵便)

クーリエ便(DHLなど)

概要

公的機関による国際郵便

民間企業による国際宅配便

通関手続き

税関職員が問題ありそうなものをピックアップ

配送会社の通関士が申告を行う

関税の支払い

受取人払いのみ

発送人払いか受取人払いかを

選択可能

返送費用

不要

発生する

配送スピード

料金決定方法

実重量のみ

実重量と容積重量の重い方

適している商品

軽いがかさばるもの

高級品、精密機器、壊れ物

コロナの影響

影響を受け配送停止があり

自社貨物便があり影響が少ない

 

自社で直接配送業者と契約する方法と物流業者に代行して発送してもらう方式があります。

また、中国の消費者に直接届ける「国際個別配送型」と一旦、保税区倉庫に在庫しておき、注文が入る都度発送する「保税区活用型」があります。

「保税区活用型」を利用すれば在庫を中国国内で持つ形になりますので、配送日数を短縮することができます。

 

中国に進出する際の注意点

 

shopify 中国進出 注意点

 

越境ECとはいえ、中国の消費者への販売には変わりがありませんので、日本国内での販売と同じやり方ではできません。

 

法規制について

 

電子商取引活動に関わる人に適用される法律として、「中華人民共和国電子商務法」があります。この法律は中国国内だけではなく、中国国外から中国の消費者に販売を行う電子商取引を行うものにも適用されます。

「中華人民共和国電子商務法」の和訳がジェトロより公開されています。

URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20190101_jp.pdf

 

ECサイトを運営する経営者が遵守すべき項目が規定されています。

その他、商品カテゴリ別の法的規制については、ジェトロの中国における越境ECの概要を参照してください。

 

インターネットのプラットフォームの違い

 

日本ではGoogleやAmazonがプラットフォームとして存在しますが、中国では別のサービスが存在します。

 

項目

日本

中国

検索エンジン

Google

百度(バイドゥ)

短文投稿サイト

Twitter

Weibo

SNS

FaceBook

Weibo

写真SNS

Instagram

小紅書(RED)

Eコマース

Amazon、楽天

Tmall、京東

メッセンジャー

LINE

Wechat

 

例えばSEOをするには百度(バイドゥ)に適した方針が必要ですし、コンテンツマーケティングやUGCを利用した広告活動をするにしても中国のプラットフォームにあった方法でする必要があります。

 

文化などの違い

 

日本とは大きく違う点について以下に示しました。

日本とは違ってチャットで値引き交渉が普通にあるので事前に違いを知ってから展開するようにしましょう。

 

・徹底的に検索してから購入する。

・口コミ重視

・サポートはチャットが主流

・決済方法の違い

 

集客方法の違い

 

日本との大きな違いは中国版インフルエンサーとも呼ばれるKOL(Key Opinion Leader)の存在が非常に大きいことです。これは上記の文化の違いで2項目に書いている「口コミ重視」からくるものです。

つまり、自分が信頼できる人が推している商品を信頼して購入する傾向があることです。

多くの人たちから信頼されているKOLに自社の商品を取り上げてもらって、KOLのフォロワーに訴求してもらうことが売上につながります。KOLによるライブコマースも行われていて、2018年時点でKOL経由でのEC市場規模は約1,000億元(1兆5,310億円)となっていることからも、非常に重要な存在であることが分かります。

 

成功事例

 

Fujico

 

shopify 中国 成功事例 Fujico

 

Fujicoは「株式会社かならぼ」が運営している化粧品ブランドのオンラインショップです。

「フジコポンポンパウダー」というヘアケア商品に絞って、KOL(中国版インフルエンサー)を使ってプロモーションしました。結果は予測を超えた売上となり生産が追いつかないほどだったそうです。

URL:https://fujiko.tmall.hk/shop/view_shop.htm?spm=a230r.7195193.1997079397.2.27bb17b25pm0hL

 

Hedy

 

shopify 中国 成功事例 Hedy

 

Hedyは株式会社ファイヤーワークスが運営しているヴィンテージ品のオンラインショップです。

Hedyの世界観を知ってもらうためにWeiboや小紅書(RED)などで積極的に発信をしています。その結果、それらのSNSからECサイトへの流入がかなりあります。

中国への販売は日本向けと同等以上の売上を上げています。

URL:https://www.hedyjp.com/#

 

まとめ

 

shopify 中国 まとめ

 

今回は中国向けの越境ECを行うための方法について説明しました。

中国の越境ECプラットフォーマを使う方法と、Shopifyで越境ECサイトを構築して行う方法を説明しました。

中国では日本とは違うネット環境や文化などがあり、さらに言語の壁も存在します。

しかし、EC市場規模は世界第一位で魅力的ですので、ハードルを乗り越えて越境ECにチャレンジしてみてください。

 

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