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本質的な「UGC」を実践して成功するための5つのステップ

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UGC(User Generated Content)とは、企業やブランドが制作するコンテンツではなく、一般のユーザーが自発的に作成・発信するコンテンツのことを指します。例えば、SNSの投稿、口コミ、レビュー、ブログ記事、動画、写真などが含まれます。企業にとっては、信頼性の高い宣伝手法として活用されることが多く、特にSNS時代においてマーケティングの重要な要素となっています。

 

UGCはSNSであれば、数百万円の予算を投じて、デジタルギフトを特典としたキャンペーンを展開することで多数のUGCが生まれますが、そのようなキャンペーンばかり展開すると公式アカウントのエンゲージメントも下がり、中・長期的に自社商品・サービスのファンを形成することにはつながりません。

 

UGCに本格的に取り組むなら「自社商品やサービスが好きなファンを増やす」ための本質的なUGC施策に取り組むべきでしょう。

 

この記事において、自社商品やサービスのファンを形成するための本質的なUGCを実施する5つのステップを解説するので、最後までご覧ください。

 

担当者が知るべき「UGC」の3つの成功事例

 

成功事例①SNSで拡散した「アイスバケツチャレンジ」

 

世界で最も成功したUGCの取り組みと言えるのが「アイスバケツチャレンジ」ではないでしょうか?まずはアイスバケツチャレンジの以下ルールをご覧ください。

 

◆アイスバケツチャレンジのルール


アイスバケツチャレンジはALS(筋萎縮性側索硬化症 ) の研究を支援し、ALSという難病を多くの人に認知してもらうために、以下の画像のように、氷水の入ったバケツを頭からかぶる様子を動画で撮影し、FacebookやTwitterにハッシュタグ(#IceBucketChallenge)をつけて公開することで、著名人が次々とアイスバケツチャレンジに参加し、世界中に拡散しました。


 

 

引用先:Bill Gates ALS Ice Bucket Challenge

 

日本でも孫正義氏やサッカー選手の香川真司選手などの多くの著名人が参加して、当時のSNSはアイスバケツチャレンジの露出が非常に高くなりました。当時、筆者が勤めていた会社においても、同僚がこのチャレンジに参加するなど、多くの方がこれらのUGCを目の当たりにしました。アイスバケツチャレンジには多くの賛否があったもののALS協会は、この難病の認知と、世界中で2億2000ドル(3兆1700万円)以上が寄付されることになり、UGCにおける代表的な成功事例となりました。



成功事例②UGCとECサイトを連携させた「WEAR(ウェア)」

以下のSNSアプリの画像をご覧ください。

◆WEARのアプリ画面

画像:筆者のスマホにて画面キャプチャー

 

WEARは、ZOZOTOWNが運営するファッションコーディネートアプリで、WEARのアプリユーザーが自身のコーディネートを投稿し、他のユーザーと共有できるプラットフォームです。この仕組みは、まさにUGCの活用によって成り立っています。企業が一方的に発信するのではなく、一般のユーザーが自らコンテンツを作り、それが他の人の購買意欲を刺激する流れになっているのが特徴です。

このアプリでは、ユーザーが日々のコーディネートを投稿し、他のユーザーがそれを参考にすることで、アパレル商品の購買のキッカケにつながっています。ブランドが用意したプロのモデルによる写真よりも、実際に着ている一般の人の投稿のほうがリアルな着こなしとして受け入れられやすく、消費者の信頼を得やすいというのがポイントです。そのため、気に入ったコーディネートがあれば、そこからZOZOTOWNのECサイトで直接アイテムを購入することができ、購買行動に自然につながる仕組みが構築されています。

 

このように、UGCをうまく活用することで、ファッションアプリとしての価値を高め、ECとの連携もスムーズに進めているのがWEARの強みといえます。

 

成功事例③リライブシャツ

リライブシャツは、株式会社りらいぶが開発・販売する機能性ウェアで、着用するだけで身体機能を向上させる効果があるとされており、​この製品は、UGCの活用と、代表取締役である佐々木貴史社長のUGCマーケティングにより、驚異的な成功を収めています。​

 

リライブシャツは、その効果を実感したユーザーが自発的にYoutube動画やSNS、ブログで体験談を共有することで、製品の信頼性と認知度を高めました。​実際のユーザーからのシャツに関するポジティブな体験談は、他のユーザーにとっても強い購買動機となり、結果として売上の拡大につながりました。​

 

◆YouTubeのショート動画にも多くのUGCが見られる

画像:筆者のPCからYoutube画面をキャプチャー

 

筆者も、リライブシャツを購入しXでその効果を投稿したことがありますが、すぐにリライブの代表の佐々木社長からリプライを直接いただき、フォローまでしてくれました。

 

佐々木社長は「令和の虎」などのWEBメディア露出を活用し、短期間でリライブシャツの知名度を向上させ、市場浸透と売上拡大を実現しました。その結果、累計150万枚以上を販売し、年商50億円超の企業へ成長しました。まさにUGCの成功事例のひとつと言えるでしょう。

 

「ハッシュタグキャンペーン」によるUGC施策は有効なのか?

ここまで、UGCの成功事例を紹介してきました。企業が実践するUGCというと、以下のような「デジタルギフト等のインセンティブ」を用いた、ハッシュタグキャンペーンが一般的です。

 

◆ハッシュタグキャンペーンによるUGC

①企業アカウントをフォローするなど、キャンペーン条件を作る
②企業アカウントで、ハッシュタグキャンペーンを告知する
③ユーザーが指定のハッシュタグをつけて、商品やサービスの口コミや意見などを投稿する
④企業が条件を満たしたユーザーにDM等でデジタルギフトを送付

 

競合差別化要素の訴求しにくい、耐久消費財(食料品、飲料、洗剤、トイレットペーパー)などにおいては「第一想起」を生むためのUGCとしては有効だと考えますが、中・長期的なファンの形成においては、良い施策とは言えない面もあります。

 

なぜなら、インセンティブつきのハッシュタグキャンペーンは、自社商品やサービスを好きなファンを作らず、インセンティブ目当てのフォロワーばかりが増えてしまい、自社商品・サービスのファンの形成に至らないからです。また、自社公式アカウントのエンゲージメントも弱くなってしまいます。

 

それでは、ユーザーに中・長期的に指示を得られるための「本質的なUGC」を実行するために、どのような手順をとれば良いのか?筆者の経験を交えて5つのステップを解説します。

 

「本質的なUGCを実行する」ためのたった5つのステップ

ここでは、ユーザー自身が「この良い商品を多くの人に共有したい!」と思わせて、多くのUGCを生むための本質的なUGCの以下の5つのステップを解説します。

 

◆本質的なUGCを実行するための5つのステップ

ステップ①突出した「商品・サービス」を企画する
ステップ②UGCを促すプラットフォームや仕組みを考える
ステップ③ユーザーと直接コミュニケーションをとる
ステップ④UGCに対して企業アカウントで「即レス」を心掛ける
ステップ⑤ユーザーの投稿を企業アカウントで取り上げる

それではひとつずつ解説します。

 

ステップ①突出した「商品・サービス」を企画する

まず、UGC施策を実行する前に、提供する自社商品や自社サービスを確認してみましょう。それらの商品やサービスが、突出するような差別化ができているモノであったり、あるいは人々の生活を変えるような役に立つものでしょうか?今一度この点を確認してほしいのです。

 

なぜなら、商品やサービスに高い価値がないと、UGCが成功するものではないからです。

筆者の知り合いには、UGCを成功させた「BtoB企業の事業部長」がおりますが、その部長は、部下が進めていたマーケティング施策で「自社サービスのレビューを顧客に依頼してUGCを増やす施策」をストップさせました。その理由は以下のとおりです。

 

◆レビュー依頼をストップさせた理由

事業部長「サービスに満足してもらってない状態で、レビュー依頼を行うと、悪い口コミが増えるだけだ。この1年はカスタマーサービスに力を入れて、レビュー依頼は1年後に実施するぞ!」

そのため、まずは自社のカスタマーサービスに力を入れて、顧客満足度を高めることを、最初の1年間に徹底して行いました。その後、レビュー依頼を全顧客に実施したところ、ほとんどが星4~5という採点とともに以下のようなコメント※が投稿されるようになりました。

 

◆レビューの一部

採点:★★★★★

担当の方が親切で丁寧に教えてくれます。

サポート体制は充実しており、機能のことで不明な点があると、電話で問い合わせをしていますが、いつも丁寧にわかりやすく教えていただいております。担当の方も新しい情報を教えてくださったり、親身になってアドバイスしていただけるので本当に感謝しています。

※コメントは匿名にするために実際のコメントを筆者が一部編集しております。

このことから、本質的なUGCを成功させるためには、まず商品やサービスを徹底的に磨くことが求められるのです。このような施策は特別なことではなく、SNSでのバズや口コミレビューを想定して、商品企画時からUGCを意識した商品作りを行う会社は多々存在するため、このようなアプローチこそ、UGCを成功させるために欠かせないことなのです。

 

ステップ②UGCを実行するプラットフォームや仕組みを考える

次に考える必要があるのは、UGCを実行するためのプラットフォームです。以下にUGCを実施するプラットフォームと、相性の良い商材や業界を筆者の経験から一覧化したので、これからUGCを検討する方は、以下の表をご覧ください。

◆UGCと各プラットフォームの相性

プラットフォーム

UGCの主な形式

相性の良い商材・業界

Instagram

画像・ショート動画・ストーリー

ファッション、美容、飲食、ライフスタイル、旅行

X(Twitter)

テキスト・画像・ショート動画

エンタメ、ニュース、テック、書籍、BtoBサービス

TikTok

動画・ショート動画・画像

音楽、ゲーム、フィットネス、美容、食品、旅行

YouTube

動画・ショート動画

家電、ガジェット、教育、DIY、旅行、BtoBサービス

Facebook

テキスト・画像・動画

ローカルビジネス、教育、健康・ウェルネス、ニュース、旅行

先に「良い商品やサービスを企画する」とステップ①を解説しましたが、それだけではなかなかUGCは生まれません。プラットフォームが決まったのなら、まず自社アカウントを作成して、自社商品やサービスの露出を始め、InstagramやXであれば商品に関するハッシュタグを作ります。

 

また、UGCとはSNSの投稿だけではなく、Amazonや楽天市場、あるいは自社サイトのレビューもUGCであり、特に物販においては、レビューや口コミなどのUGCが商品の大きな決め手となります。このようなプラットフォームにおいては、購入後のレビュー依頼の自動送信メールを設定して、UGCを増やすための設定をしっかり行いましょう。

さらに、商品の同梱物にSNSアカウントのQRコードやレビュー依頼のパンフレットを同梱することで、UGCを生みやすい状態を作ることができます。

 

ステップ③ユーザーとコミュニケーションをとる

UGCがInstagramや、ECサイトの口コミ、Youtube動画のコメント欄などで、ユーザーが投稿を行ったのなら、自社の担当者が直接コミュニケーションをとります。UGCによって投稿してくれたユーザーは、企業側の担当者が直接コミュニケーションをとることで、ファンを形成することにつながります。

筆者自身もYouTube動画を運営しておりますが、コメントをくれたユーザーに、感謝を込めて個別に、投稿内容に沿った返信を行うように心掛けております。具体的には、以下のような素気ない返事はしておりません。

 

◆素っ気ないコメント対応(良くない例)

「ありがとうございます!」
「参考になりました!」
「コメントありがとうございます!」

返信するだけでも悪い対応ではないのですが、これだけですと、それ以上のコメントは生まれません。UGCをさらに促すためには、以下のように、相手のコメントを読んだうえで、相手のコメントに寄り添ったコメントを返すべきです。

 

◆さらにUGCを促す対応

「○○さん、コメントありがとうございます!確かに○○は、○○ですよね!私の体験ですと、○○ですね!また質問あれば気軽にコメントしてくださいね!」

 

◆コメントに対する返信の3つのコツ

①相手の名前をいれて感謝を伝える「○○さん、ありがとうございます!」
②相手のコメントに対して返信する「○○は○○ですね」
③相手に返信を促すコメントを入れる「また質問があれば気軽にコメントくださいね!」

 

このように、相手の名前を表記し、相手に感謝を伝えた上で、相手のコメント内容をみて返事をすると、返事に対して、さらに追加でコメントがくることがあり、UGCを拡大しやすくなります。

しかも、それを見た第三者のユーザーが「この人は返信してくれそうだ!私もコメントを書いてみよう!」という気になりやすいので、実は、ユーザーと担当者が直接コミュニケーションをとることは、ファンを育成することにつながるのです。

 

このようにユーザーとコミュニケーションをとることで、投稿者が商品のファンになってくれて、繰り返し投稿を行ってくれると、UGCがさらに加速していきます。InstagramやXのようなSNSプラットフォームの場合「いいね」や「コメント」が増えることで、エンゲージメントが高まり、より多くのユーザーに露出されるアルゴリズムとなっており、多くの拡散を生むための固定ファンを形成することができるのです。

 

ステップ④UGCに対して企業アカウントで「即レス」を心掛ける

ユーザーがSNSやレビュー欄で投稿してくれたのなら「即レス」を心掛けます。なぜなら、投稿したユーザーは、投稿後数時間以内であれば「気持ちが熱い」状態と言えますが、数日後はどうでしょうか?ユーザーによっては投稿したことすら忘れてしまっていることもあり「気持ちが冷めて」しまっていることが多いはずです。

 

そのような状態になってから企業担当者が投稿に対して返信をしたのでは、ユーザーの気持ちは覚めており、さらなる返信は生まれにくくなります。

ユーザーによっては投稿欄で、商品やサービスの質問するユーザーもおりますが、返信速度が遅いと、ユーザーがその質問に関心がなくなったり、自己解決している場合があります。ですから、企業担当者は投稿に対して即レスすることで、ユーザーがさらに反応してもらえたり、交流を重ねることへのキッカケとなるのです。

 

このような即レスを行うための体制を整えるのは大変ですが、筆者の場合は、YouTube動画の管理画面やSNSはスマホで常にウォッチできるようにしており、仕事のデスクを離れている時でも、返信できる体制を作ることで、即レスをできる運営を実現しておりました。

このような運営が難しい企業も多いと思いますが、その場合でも営業時間内はスムーズに返信できるように心掛けましょう。

 

ユーザー投稿を企業アカウントで取り上げる

UGCが集まると、多くの人に見てもらいたいような「優れた投稿」が生まれます。

SNSであれば、対象のユーザーコメントを企業アカウントで「リポスト」「リツーイト」して、再拡散してみましょう。取り上げられたユーザーが喜ぶだけでなく、それを見た第三者ユーザーが「私も取り上げられたいから、企業に取り上げられるような投稿をしよう!」とユーザーが投稿のなかで、企業アカウントが投稿に気が付きやすいように「メンション」して、投稿するユーザーが増えてくるようになります。

 

筆者自身も昔、Xで著名なアカウントに取り上げてほしく、著名な方をメンションすることで、自分の投稿を拡散してもらえて嬉しかったことがあります。このような企業が行う再拡散は、UGCを広げるため非常に有効な手法なのです。

 

また、自社ECサイトのレビュー欄において、優れたユーザーレビューが生まれた場合は、投稿者に許可をとった上であれば、ランディングページや公式サイトでUGCのコメントをコンテンツとして活かすことができます。しかし、一点注意があります。インセンティブが発生していなかったとしても、企業側がレビュー依頼をして、レビューを掲載する場合であっても「PR」表記は欠かせないのです。次に解説します。

 

依頼したレビュー依頼に関しては「PR」をつけて景品表示法を順守

企業がユーザーに対してレビューを依頼し、その内容を公式サイトや商品ページ、ランディングページで活用する場合、「PR」表記を付けることは景品表示法の観点から義務となります。

 

景品表示法では、消費者を誤解させるようなレビューや口コミを禁止しています。企業がステマ(ステルスマーケティング)や優良誤認表示を行った場合は、措置命令や課徴金の納付命令などの行政処分が下される可能性があります。

 

特に、企業からの依頼によって作成されたレビューは、消費者にとって広告として認識される可能性が高いため、明確に「PR」や「広告」と表記しなければなりません。このルールは、実際にユーザーへの金銭的な報酬が発生していない場合でも適用されるため注意が必要です。

PR表記はレビュー欄の冒頭や、SNSのコメント欄の冒頭になどの目立つ箇所に「PR」表記が必要になります。PR表記だけでなく、企業とレビューを書いたユーザーとの関係性を明記しなくてはなりません。

 

◆PR表記の例

※PR:この商品レビューは○○株式会社が、レビュー依頼を商品購入者にメールで依頼したものです。

企業がUGCを活用する際は、景品表示法を理解し、消費者に誤解を与えないようにすることが必要です。順守できなければ消費者庁から指摘を受ける可能性があります。

 

まとめ

企業側が発信する情報においては、業務効率化の観点から、生成AIが普及し、広告やオウンドメディアの多くもAIが生成する時代になってきました。しかし、多くの人が本当に求めているのは、耳障りの良い宣伝文句ではなく「ユーザーの生の体験談」です。

 

ポジティブなUGCを増やすことで、自社の商品やサービスは多くの人に発見されやすくなり、新規ユーザーの獲得にもつながります。また、新しく利用したユーザーが自ら投稿を行うことで、さらに信頼性と話題性が広がっていくでしょう。

 

AIが主役の時代だからこそ、人のリアルな声=UGCの価値がますます高まっています。自社に合ったUGC施策を取り入れて、長期的なファン作りを目指してみてはいかがでしょうか。

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