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ECにおける会員登録機能の重要性とは?活用方法から登録率を上げる施策まで徹底解説!
ほとんどのECシステムには会員登録機能が提供されています。
オンラインショップに訪問されたお客様が会員登録していただければ、セールの案内や新商品の告知を継続して伝えることができます。また、サイト内の行動についても会員IDと紐付けて収集することができますので的確な案内を出すことが可能となります。
会員登録をしていただければオンラインショップにとって計り知れないメリットがありますが、会員登録していただくには高いハードルが存在します。
そこで本記事では、会員登録のメリットと活用するための方法、登録していただくための工夫について詳しく解説しています。
「会員登録機能をもっと上手く活用したい」
「自社ECの会員登録率を上げたい」
「ECシステム別の会員機能を比較したい」
などとお考えのEC担当者の方に必見の記事です!
目次 2. ECサイトでの会員登録の重要性 2-2. 会員が新規顧客を連れてくる可能性が高まる 2-3. 行動履歴からデータの収集が可能 3-1. 会員登録内容の選定 3-2. 新規会員獲得のための施策を考える 3-3. 会員機能を用いたマーケティング施策 4. 会員登録率を上げる方法 4-1. プレゼント・クーポン等の配布 4-2. 会員登録フォームの簡略化 4-3. EFO対策 4-4. ソーシャルログイン 4-5. ツールの導入 4-6. 会員登録のメリットを提示 4-7. セキュリティの高さを表示する 5. 会員機能の活用方法 5-1. メルマガ 5-2. ステップメール 5-3. 会員機能の活用 6. 会員維持のための施策 6-2. 継続的な情報発信 7. まとめ |
主要ECサイト構築サービスの会員登録機能比較
主要8社のECシステムで提供されている会員登録機能を表にてまとめたのでご覧ください
ゲスト購入 |
EFO |
会員ランク |
シークレット セール |
コミュニティ |
クーポン発行 |
メルマガ |
ステップメール |
|
Shopify |
◯ |
◯ ☆ |
☆ |
☆ |
☆ |
◯ |
◯ ☆ |
☆ |
MakeShop |
◯ |
☆ |
☆ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
futureshop |
◯ |
◯ ☆ |
☆ |
◯ |
✖ |
◯ |
◯ |
☆ |
ショップサーブ |
◯ |
◯ ☆ |
◯ |
◯ |
✖ |
◯ |
◯ |
☆ |
Colorme shop |
◯ |
☆ |
✖️ |
◯ |
✖ |
◯ |
◯ |
◯ |
EC-CUBE |
◯ |
◯ ☆ |
☆ |
☆ |
✖ |
☆ |
☆ |
☆ |
BASE |
◯ |
◯ |
✖ |
☆ |
☆ |
☆ |
☆ |
✖ |
STORES |
◯ |
◯ |
✖ |
※1 |
✖ |
◯ |
◯ |
✖ |
◯ 基本機能で実現
☆ オプションもしくはプラグイン、アプリで実現
◯ ☆ 基本機能できるがさらに高度な機能をオプションやプラグイン、アプリで実現
※1 シークレットになるのはストア単位
それぞれの機能について概要は以下の通りです。
ゲスト購入
会員登録をしないで購入する機能です。お客様にとって、継続的に利用するかどうかわからないECサイトに会員登録するのは心理的な抵抗があります。
購入するには会員登録が必須だと販売機会を逃すことにもなるので、ゲスト購入できることは重要です。
EFO
登録時に入力の手間を減らすのがEFO(Entry Form Optimization)です。
郵便番号を入力すると住所が自動的に入力されたり、名前を入力するとフリガナが自動入力されたりする機能のことです。
ECシステムによっては標準では住所の自動入力だけでオプションやアプリを導入することでより高度なEFO機能を追加できるものがあります。
EFOを導入することによりお客様の手間や負担を減らすことにより、会員登録率を高めることができます。
会員ランク
会員ランクを複数用意して、購入金額や回数、期間などにより会員のランクを決めます。
会員ランクにより割引率を変えたり、特別なキャンペーンに参加できたりすることによりお客様のリピート率を高めることができます。
シークレットセール
会員だけが購入できる商品ページを作成できる機能です。
コミュニティ
会員間でのコミュニケーションが可能となる場を提供する機能です。
クーポン発行
商品の割引や送料無料となるクーポンを発行できます。
メルマガ
会員向けにメールマガジンを配信します。
ステップメール
期間やお客様の行動によってメールを適切に配信します。
ECサイトでの会員登録の重要性
オンラインショップにとって会員登録していただくことは重要です。
その重要性を理解することで、会員獲得や維持のために適切な打ち手を打つことが可能になります。
リピート率・購買率の向上
会員登録をしてもらうことで、お客様へキャンペーン情報や商品情報を継続的に伝えることができます。
継続的に情報を伝えることでショップとお客様との関係性を深めることが出来るため、ファンの獲得に繋がります。
さらに、会員のリピート率・購買率を向上することが可能となります。
会員が新規顧客を連れてくる可能性が高まる
会員となったお客様との関係を深めていき、ショップのファンになっていただけることにより友人や知人にショップを紹介してくれる可能性が高まります。
ECサイトにおいて、既存顧客の存在は非常に重要です。
というのは新規ユーザーの獲得には既存ユーザーの5倍のコストがかかると言われていて、購入数の7割がリピーターと言われているからです。
新規顧客を獲得するには一般的にはコストがかなりかかりますが、既存会員から紹介いただけることによって低コストで新規顧客を獲得することができます。
行動履歴からデータの収集が可能
会員登録によりログイン状態でECサイトをアクセスしてくれるようになります。
ログイン状態だと、サイト内の行動をログから会員と紐付けて把握することができます。
お客様が現時点で何に興味を持っているのか、離脱率の高いページなどを知ることができますので販促やサイト改善に役立てることができます。
会員登録機能を活用する流れ
オンラインショップで会員登録を活用するステップについて説明します。
会員登録内容の選定
どのようなECサイトでも会員登録で最低限必要な項目は、以下の通りです。
1. 氏名
2. メールアドレス
3. 住所
4. 電話番号
それ以外は販売している商品によって必要な項目は変わってきます。
たとえばカメラのアクセサリーを販売しているショップなら、「所有しているカメラのモデル」「主な撮影対象」などが必要となります。
ショップ側としてはお客様の様々な情報や属性を知りたくなりますが、お客様にとっては多数の項目を入力するのは負担となります。
必要最低限の入力をまずはしてもらい、追加項目の入力をしていただければクーポンを提供するなどしてお客様を離脱させない工夫が必要です。
新規会員獲得のための施策を考える
会員登録内容が設定されれば、次に必要となるのは会員登録をいかに多くのお客様にしていただくかの施策となります。
購入時に会員登録を必須条件とすることは避けたほうがいいでしょう。理由は会員登録をする手間を嫌って離脱することを防ぐためです。
むしろ、購入時に会員登録も同時にした場合は割引になったり、送料無料になったりすることで誘導するほうが効果的です。
また、会員登録を行うことで得られるメリットを知らせることで、会員登録数を増加させます。
会員機能を用いたマーケティング施策
会員登録が進めば、次は会員に対してリピート客になっていただく打ち手を実行します。
会員に対してクーポンの発行はリピート客になっていただく短期的な施策として有効です。
クーポンは購入を考えていたお客様へ一押しとなります。
お客様が興味を持つような内容や役に立つ情報をメルマガで配信することはお客様との関係を深めることとなります。信頼感を持っていただきファンとなっていただくことによりリピートが期待できます。
さらにシステマティックに行う方法がステップメールです。お客様との関係性を深めるためのシナリオに基づき配信タイミングや内容を適切に選択してコミュニケーションを図るツールです。
会員登録率を上げる方法
出典:株式会社マージェリック「実態調査】62.8%の人が、アカウント登録が面倒でネットショップでの購入をやめたことがある」 グラフ化は弊社
以下の表にあるように、ECサイトからの離脱理由の第一位が「アカウント(支払情報や住所情報)の登録がめんどうだったため」という結果が出ています。
この結果から分かるように会員登録していただくにはしっかりとした対策が必要となることを示されています。
次に、会員登録していただくための施策について紹介します。
プレゼント・クーポン等の配布
会員登録することを条件に自社商品のプレゼントや初回購入から利用できるクーポンを発行することで会員登録を増加することができます。
ゲスト購入時の支払い段階で送料無料となるクーポンを表示させるのは、お客様の心理的なハードルを下げる効果的なタイミングの一つです。
その他の会員登録を促すタイミングとしてはサイト訪問時や購入完了後などが考えられます。
会員登録フォームの簡略化
お客様が会員登録をする上で阻害要因の一つが登録時にかかる時間や手間です。
住所など入力文字数が多いと面倒と感じたり、入力が完了して送信しようとしたところエラーとなるがエラー箇所が不明で諦めたりすることがあります。
このような登録にまつわる様々な手間を工夫やツールなどで省くことにより、会員登録率を向上することが可能となります。
登録の手間を省くには、以下3つの方法があります。
1. EFO(入力フォーム最適化:Entry Form Optimization)
2. ソーシャルログイン
3. ツールの導入
それぞれについて説明します。
EFO対策
EFOは入力の手間削減や入力漏れ、エラーの防止対策を実現するものです。
入力の効率化例
- 郵便番号から自動的に住所を補完
- 電話番号を全角入力しても自動的に半角へ変換
- 氏名入力時のフリガナ自動入力
- 性別、年齢、職業などは選択肢より入力
入力漏れやエラー防止
- 不正なメールアドレスの検知と明示
- 必須項目と残数の明示
- 入力にエラーがある場合は瞬時に明示
- 入力漏れやエラーがある場合は「送信」ボタンが押せない
ECシステムに標準で提供されているEFO機能を使うか、機能が不足している場合は連携可能なEFOツールを導入しましょう。
ソーシャルログイン
ソーシャルログインとはLINEやFaceBook、Yahoo! JAPAN、Google、Twitterなどお客様が普段使っているサービスのアカウントでECサイトにログインすることです。
ソーシャルログインを導入することで、ログインで連携したSNSなどで既に入力されているアカウント情報を使ってフォームに自動入力することができます。
これによりお客様にとっては会員登録時の面倒な住所や連絡先などの入力が不要となり、さらにログインするためのアカウント情報を新しく管理する必要もなくなります。
ツールの導入
会員登録における手間隙をツールを導入することにより解決することができます。
また、ツール自体の管理も一任できるため、労働コストを抑えることも可能です。
Recustomer CheckoutはRecutomer株式会社が運営する、買い物客が住所や決済情報の入力を行わずにボタン一つで購入が完了するサービスです。
また、カゴ落ち率が高くなる原因である「会員登録」もボタン一つで可能になることで、会員登録率と購入率を両立させます。
ツールを活用することで、効率的なEC運営を心がけましょう。
会員登録のメリットを提示
お客様にとって、会員登録することのメリットが注文するたびに住所などを入力する手間が省けるというだけでは訴求力が弱いです。
アマゾンや楽天市場のように今後もひんぱんに利用することが明確なECサイトであれば上記のような入力の手間が省けるというだけでも意味がありますが、2回目以降の注文が発生するかどうか不明な場合や他のショップでも購入できる商品の場合はもっとインパクトのあるメリットを提示する必要があります。
少なくともショップで販売している商品に興味のあるお客様であることは確かですので、会員登録することにより割引や送料無料といった金額的なメリットやレアな商品のセール情報が得られるといった希少性を訴えることで会員登録に結びつけていくことが重要です。
セキュリティの高さを表示する
東京商工リサーチの調査では、「2021年上場企業とその子会社で個人情報の漏えい・紛失事故を公表したのは120社、事故件数は137件、漏えいした個人情報は574万9,773人分」と発表されています。
出典:「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は、調査開始以来最多の137件 574万人分(2021年)」
また、セキュリティはお客様にとっても関心の高い事案であり、株式会社マージェリックの調査では「セキュリティに不安があったため」が離脱した理由の35.10%を占めています。
出典:「実態調査】62.8%の人が、アカウント登録が面倒でネットショップでの購入をやめたことがある」
自社が運営しているECサイトのセキュリティ対策は万全であることをお客様に理解していただくことも会員登録率を高める対策の一つです。
ECサイトのSSL化は必須です。SSL化することにより通信が暗号化されますので、クレジットカード情報や個人情報などを第三者に盗聴や改ざんなどを防止することができます。
ECサイトがSSL化されているかはブラウザのアドレスバーに鍵アイコンが表示されることでわかります。
個人情報の保護体制に対する第三者認証制度「プライバシーマーク」を取得すると「プライバシーマーク」をサイトに表示することができます。
あるいは個人情報を含めた会社や組織の保有する情報資産を対象としたISMS認証を取得すれば国際規格ですので全世界へアピールすることができます。
会員機能の活用方法
メルマガ
登録していただけた会員に向けてメルマガを配信するのはお客様との関係性を深めるには有効な手段です。
キャンペーンの告知や商品に関連したお客様への有益な情報を配信していくことによりショップのブランディングや親密度を感じていただくことができます。
会員登録時に入力された属性に応じてメルマガを出し分けることで、開封率を高くすることもできます。
ステップメール
ステップメールはシナリオをベースにした販促手段です。
お客様のアクションや購入してからの期間に基づいて、どのタイミングでどのような内容のメールを出すかを決めていきます。
どの段階でお客様はどのような情報を必要とするかを検討してシナリオと配信する内容を作り込んでいきます。
シナリオと内容が決まれば、あとは決められたタイミングで決められた内容のメールが配信されます。
お客様ごとのタイミングで配信しますので、一律に配信するメルマガよりも販促効果は高いです。
また、メールよりもLINEの方が開封率は高いので、最近はLINEを使ってステップメールを行うことが盛んになっています。
会員機能の活用
会員になっていただくことによりお客様のアカウントに紐付いた、購入履歴やサイトのアクセス情報、問合せなどが蓄積されます。
これらの情報を活用してお客様ごとに最適なアプローチをしてリピート客からファンになっていただくことが重要です。
そのためには常にお客様の状況について仮説を立て、その仮説をベースにアプローチをして結果を検証していくサイクルを回していきます。
会員維持のための施策
会員をランク分けし、それぞれの特典を設定する
会員登録してからの期間や購入金額、購入回数などにより会員のランク分けをしてランク毎に特典を変化させるというのは会員維持していく上で有効な施策です。
お客様はより有利な特典を得るためや今の特典を維持するために積極的に購入をしてくれるようになります。
特典としては以下のようなものがあります。
1. 割引率
ランクが上がると割引率も高くなる。
2. ポイント付与
ランクが上がるとポイント付与率が高くなる。
3. 送料無料
あるランク以上は送料無料となる。
4. 返品ポリシー
ランクが上がると返品可能期限を延ばしたり、試着したものでも返品可能にしたりといったユーザに有利な返品ポリシーが適用される。
継続的な情報発信
継続的な情報発信をすることで、お客様との関係性が深まり信頼度も高まります。
販売対象とするお客様のペルソナ作り上げ、購入に至るまでのカスタマージャーニーマップを作成し、それに関連してお客様のニーズを明確にしていきます。
これらの準備をしてコンテンツを作成して情報発信をしていきます。
コンテンツ作成には手間がかかりますので自社スタッフで難しい場合は外部のパートナーに依頼するのも一つの方法です。
依頼する際には丸投げではなく事前に作成したペルソナやカスタマージャーニーマップ、ユーザニーズを共有して作成してもらうのが良いでしょう。
まとめ
ECサイトの売上を拡大するには新規顧客だけではなくリピート顧客を獲得するのが重要となります。
リピート客を獲得するには会員登録してもらうのが近道となりますので、今回の記事を参考にして会員登録率を高める施策を実行してみてください。
また、登録された情報を活用して売上につなげるための活用方法についても説明しましたので参考にしてください。