1. トップ
  2. カゴ落ちメールとは?売上アップにつながる書き方・送信タイミング・成功事例を解説

カゴ落ちメールとは?売上アップにつながる書き方・送信タイミング・成功事例を解説

  • #カゴ落ちメール
  • #カゴ落ち

 

 

ECサイトを運営していると、商品をカートに入れたのに購入されないまま離脱してしまう“カゴ落ち”という現象に悩まされることは多いのではないでしょうか。実はこのカゴ落ち、どのECサイトでも起こるごく一般的な問題であり、平均で約7割のユーザーが購入手続き前に離脱していると言われています。

 

この“もったいない”ユーザーを呼び戻すために有効なのが「カゴ落ちメール(カート放棄メール)」です。カートに商品を入れたまま離脱したユーザーに対し、自動でメールを送り、購入を促すこの仕組みは、費用対効果の高い売上回収施策として、多くのEC事業者に活用されています。

 

この記事では、カゴ落ちメールの基本から効果、送信タイミングや書き方、成功事例、配信ツールの選び方までをわかりやすく解説します。カゴ落ち対策を強化したい方、売上をもっと伸ばしたい方必見の内容です。

 

 

カゴ落ちメールとは?

 

カゴ落ち(カート放棄)とは

「カゴ落ち」とは、ユーザーがECサイトで商品をショッピングカートに追加したにもかかわらず、購入手続きを完了せずにサイトから離脱してしまう現象のことを指します。
英語では「Cart Abandonment(カート放棄)」と呼ばれ、EC業界においてはごく一般的な課題とされています。

実際、ECサイトにおける平均カゴ落ち率は約60〜80%とも言われており、多くのユーザーが「買うつもりだった商品」をそのまま放置して離れてしまっているのが現状です。

 

 

カゴ落ちメールの定義と目的

「カゴ落ちメール(カート放棄メール)」とは、カートに商品を追加したものの購入に至らなかったユーザーに対して、自動で送信されるリマインドメールのことです。

 

主な目的は以下の3つです。

  • 購入意欲を思い出させ、再訪を促す
  • カート内の商品情報を再提示し、購入ハードルを下げる
  • 特典や割引などを提示して購入を後押しする

 

特に、購入を検討していた商品が表示されることで、ユーザーは「忘れていた」「やっぱり欲しい」と感じ、購入に踏み切りやすくなります。

 

 

なぜECサイトで必要とされるのか?

カゴ落ちメールが重要視されている理由は、非常に高い費用対効果(ROI)を誇る施策だからです。

 

  • すでに購買意欲の高いユーザーにアプローチできる
  • 新たな広告費やプロモーションコストをかけずに、取りこぼした売上を回収できる
  • ユーザーとのタッチポイントを再構築し、ブランドへのロイヤルティを高めることにもつながる

とくに広告費が高騰している今、一度サイトに訪れた“見込み顧客”を活用するカゴ落ちメールは、収益性の高いマーケティング施策としてECサイトに欠かせない存在となっています。

次のセクションでは、カゴ落ちメールを導入すると実際にどのような成果が期待できるのか、効果や指標を詳しく解説します。

 

カゴ落ちメールの効果とは?

 

カゴ落ちメールは、単なるリマインド手段にとどまらず、ECサイトの売上改善に直結する重要なマーケティング施策です。ここでは、具体的にどのような効果が期待できるのかを解説します。

 

放棄されたカートからの売上回収

最大の目的は、離脱してしまったユーザーを呼び戻し、購入完了へと導くことです。カートに商品を入れたということは、購入意欲が非常に高い状態。そのタイミングを逃したユーザーにリマインドすることで、本来失われていたはずの売上を回収できます。

カゴ落ちメールによる再訪率は高く、全体の売上の5〜10%を回収しているという事例も珍しくありません

 

顧客へのリマインドで購入意欲を刺激

カゴ落ちは、「購入するつもりだったけど、あとで」と考えていたユーザーが、忘れてしまったり他の要因で離脱したケースがほとんどです。
そうしたユーザーに対して、タイミングよくメールを送ることで再検討を促し、購買行動につなげることができます。

 

たとえば

  • 「カートに商品が残っています」
  • 「この商品は人気です。残りわずか!」
  • 「本日中のご注文で割引が適用されます」

といった一言で、購入の背中を押すきっかけになるのです。

 

 

メール経由のCVR(コンバージョン率)改善

カゴ落ちメールは、一般的なメルマガやプロモーションメールと比べてCVRが非常に高いという特長があります。

 

  • 通常のメルマガ:CVR 1〜3%前後
  • カゴ落ちメール:CVR 10〜20%以上も珍しくない

 

これは、送信対象が「カートまで進んだ見込み顧客」であるため、購入直前の高い関心状態にあるからこそ得られる成果です。

 

 

平均開封率やクリック率の目安

カゴ落ちメールはパーソナライズ性が高く、内容も明確なため、通常のメールよりも開封率・クリック率が高い傾向があります。

 

指標

一般的なメルマガ

カゴ落ちメールの目安

開封率

15〜25%

40〜60%

クリック率

1〜5%

10〜20%

コンバージョン率

1〜3%

10〜20%

 

こうした数値からも、カゴ落ちメールはECサイトにとって費用対効果の高い施策であることがわかります。

 

カゴ落ちメールを送る最適なタイミングと回数

 

カゴ落ちメールは、“いつ・どのように送るか”によって成果が大きく変わる施策です。ただ自動送信するだけでなく、ユーザーの心理や離脱からの経過時間に応じた設計が重要です。ここでは、最適なタイミングや回数、文面の工夫について解説します。

 

初回送信は何分〜何時間後が効果的か?

最初の1通目は、カゴ落ちから1〜3時間以内に送信するのが最も効果的とされています。

 

  • 1時間以内:離脱直後の記憶が鮮明で、感情も購入意欲も残っている状態
  • 3時間以内:日常に戻り始めた頃に「思い出させる」ことで再検討を促せる

特にスマホユーザーは移動中や外出先でカートに入れるケースも多いため、早めの送信で“忘れる前に行動してもらう”ことが鍵です。

 

フォローアップの2通目・3通目のベストな間隔

1通目で購入につながらなかった場合も、2通目・3通目のフォローでCVを伸ばすことが可能です。以下が一般的な配信間隔の例です。

 

通数

タイミング

内容のポイント

1通目

カゴ落ち後 1〜3時間

シンプルなリマインド・商品画像を添付

2通目

24時間後

特典・割引など「もう一押し」の提案

3通目

3日後〜1週間後

在庫状況や再入荷のお知らせなど

 

あまり頻度が高すぎるとスパム扱いされる可能性もあるため、ユーザーにとって過剰にならない間隔での配信が重要です。

 

タイミングごとの文面の工夫(例:早期はシンプル/遅延時は割引や特典)

タイミングに応じてメールの文面を工夫することで、開封率・クリック率・CVRをさらに高めることができます。

 

早期送信(1通目)

  • 目的:購入の思い出し、スムーズな導線提供
  • 文面例
    • 「カートに商品が残っています」
    • 「ご注文の準備はできています」
    • 商品画像+購入リンクをシンプルに掲載

 

2通目(24時間後)

  • 目的:再検討を促す・特典で後押し
  • 文面例
    • 「この商品、まだ気になっていますか?」
    • 「本日中のご購入で10%OFF」
    • 限定クーポンや送料無料案内を記載

 

3通目(数日後)

  • 目的:ラストチャンスの訴求
  • 文面例
    • 「もうすぐ在庫切れ」
    • 「あと〇日でカートの内容が消えます」
    • 締切や数量限定で緊急性を演出

 

ユーザーの“購入意欲の温度感”に合わせてメッセージを変えることで、自然なリマインドにつながり、違和感なくCVRを高めることができます。

 

カゴ落ちメールに記載すべき内容とは?

 

カゴ落ちメールは、ただ「購入を促す」だけでなく、ユーザーが安心してスムーズに購入に戻れる情報設計が求められます。以下のような要素を網羅することで、開封後のクリック率やCVR(コンバージョン率)を大きく引き上げることができます。

 

商品情報(画像・名前・価格)

ユーザーがカートに入れた商品は、すでに関心を持っているアイテムです。
そのため、メールには以下のような視覚的・具体的な商品情報をしっかりと記載しましょう。

 

  • 商品のサムネイル画像
  • 商品名(バリエーションがあれば色・サイズも)
  • 価格(割引やセール情報があれば併記)

 

視覚的に一目で「これだ」とわかることで、購入意欲を再度刺激できます。

 

購入リンク(直接カートへ戻れるように)

再訪しても、トップページから探し直すような導線では離脱されやすくなります。
メール内に「カートに戻る」リンクを設置し、ワンクリックで購入再開できる状態にしておくことが重要です。

 

  • 「今すぐ購入を完了する」ボタン
  • 「カートに戻って購入を続ける」リンク
  • それぞれの商品に個別の購入ボタンを設置するのも有効

ユーザーの手間を最小限にし、“今すぐ買える”状態をつくることがカギです。

 

限定感のある文言(例:在庫残りわずか、○○日までに購入で特典)

「今すぐ購入しなければ損かもしれない」という気持ちを引き出すためには、“限定性”や“緊急性”の演出が効果的です。

 

  • 「在庫わずか」「まもなく販売終了」
  • 「○月○日までに購入で10%OFF」
  • 「この商品は24時間以内に売り切れる可能性があります」

ただし、過度な煽りや虚偽表現は逆効果となるため、事実に基づいた文言を使うことが信頼構築につながります。

 

問い合わせ先やサポート情報

ユーザーが購入に不安を感じた際、すぐに質問や相談ができる安心感を持てるようにサポート情報を明記しておくことも大切です。

 

記載すべき情報例

  • カスタマーサポートのメールアドレス・電話番号
  • よくある質問(FAQ)ページへのリンク
  • 返品・交換ポリシーの簡潔な案内

「安心して買える」ことを示すことで、購入に対する心理的ハードルを下げる効果があります。

 

 

カゴ落ちメールのテンプレート例【コピペOK】

 

ここでは、すぐに使えるカゴ落ちメールのテンプレートを4パターンご紹介します。
ユーザーの行動や購入ステージに応じて使い分けることで、CVR(コンバージョン率)を効果的に向上させることができます。

 

シンプル&丁寧な基本パターン

 

件名:お忘れではありませんか?カートに商品が残っています


〇〇様


このたびはご利用ありがとうございます。


ショッピングカートに商品が残っているようです。

お手続きはまだ完了しておりませんので、ぜひご確認ください。


【カートに入っている商品】

・商品名:〇〇〇〇

・価格:〇〇円


▼ご購入手続きはこちらから

https://example.com/cart


ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

引き続き、当店をよろしくお願いいたします。



 

 

割引クーポンを添えたCVR重視パターン

 

件名:本日限定!10%OFFクーポンでお得にお買い物


〇〇様


カートに商品が残っていることを確認いたしました。

この機会に、特別な【10%OFFクーポン】をご利用ください。


【クーポンコード】:SAVE10  

【ご利用期限】:本日23:59まで


【カートに入っている商品】

・商品名:〇〇〇〇

・価格:〇〇円


▼ご購入手続きはこちら

https://example.com/cart


在庫には限りがございますので、お早めにどうぞ!



 

 

定期購入やサブスク向けパターン

 

件名:定期購入の手続き、あと一歩で完了です


〇〇様


お選びいただいた商品は、定期購入として設定可能です。

定期的にお届けすることで、手間なく続けられます。


【定期購入のメリット】

・毎回5%割引

・在庫確保保証

・スキップ・解約はいつでもOK


【カートに入っている商品】

・商品名:〇〇〇〇(定期コース)


▼お申し込みはこちら

https://example.com/cart


サポートが必要な場合は、お気軽にご連絡ください。



 

 

パーソナライズ(名前・閲覧履歴)対応例

 

件名:〇〇様、前回ご覧になった商品がカートに残っています


〇〇様


先日ご覧いただいた「〇〇〇〇」が、まだカートに残っています。

お忙しい中で忘れてしまったかもしれませんが、ぜひこの機会にご確認ください。


【あなたのカート】

・〇〇〇〇(カラー:ブルー、サイズ:M)

・価格:〇〇円


▼続きから購入する

https://example.com/cart


人気商品につき、売り切れ前にご検討いただくのがおすすめです。



 

カゴ落ちメールの成功事例

 

カゴ落ちメールは「自動で送るだけ」で終わらせず、内容やタイミングを工夫することでCVR(コンバージョン率)を大きく改善できる施策です。ここでは、実際に成果を出した企業の事例と、具体的な工夫ポイントをご紹介します。

 

CVR改善に成功した実例

事例:アパレル系ECサイト(自社ブランド運営)

課題
カート追加からの購入完了率が低く、放棄率が70%を超えていた。

 

対策内容

  • 離脱30分後にカゴ落ちメールを自動送信
  • 24時間以内にフォローアップメール(割引クーポン付き)を追加
  • メールに商品画像・購入リンク・サポート窓口を記載

成果

  • カゴ落ちメール経由の購入率が13.6%に
  • カート放棄からの売上回収率が従来比2.1倍に
  • 広告費の効率(ROAS)が改善し、CPAも10%減少

 

A/Bテストで成果が出た件名・文面の工夫

事例:生活雑貨ECサイト(中小規模事業者)

 

テスト内容

  • 件名A:「カートに商品が残っています」
  • 件名B:「本日限定!〇〇%OFFクーポン付き」
  • 文面A:シンプルな商品情報+リンク
  • 文面B:商品情報+クーポンコード+カスタマー対応案内

結果

  • 件名Bの開封率が1.8倍
  • 文面Bのクリック率が約2.3倍
  • CVRも文面Bのほうが約15%高い結果に

ポイント
「限定性・割引・安心感(サポート情報)」の3要素が入ったメールの方が、ユーザーのアクションを引き出しやすいことが明らかになりました。



カゴ落ちメール配信ツールの比較と選び方

 

カゴ落ちメールの成果を最大化するには、自社に合ったツールを選び、的確に運用することが欠かせません。
ここでは、代表的な配信ツールの特徴や、選定時に押さえておきたいポイントを解説します。

 

主なカゴ落ちメール配信ツールの比較

ツール名

特徴

対応プラットフォーム

Klaviyo

高機能なマーケティング自動化。ABテストやセグメント配信が強力

Shopify、WooCommerceなど

Mailchimp

初心者にも使いやすいUIとテンプレート、基本機能が充実

Shopify、EC-CUBEなど

Shopify Flow

Shopify公式の自動化ツール。トリガー連携による柔軟なワークフロー設定可能

Shopify専用

 

カゴ落ちメールに必要な主な機能

ツールを選ぶ際には、以下のような「カゴ落ちメール運用に欠かせない機能」が搭載されているかをチェックしましょう。

 

自動送信機能

ユーザーがカゴ落ちしたタイミングで、リアルタイムまたは設定した時間に自動でメール送信ができること。

 

トリガー設定の柔軟性

「カート放棄から◯時間後に配信」「セグメント別に内容を切り替える」など、細かな条件で送信をコントロールできる機能。

 

ABテスト機能

件名や本文を複数パターンでテストし、どの表現が最も効果的かを検証できる機能。継続的な改善に必須。

 

メールデザイン編集機能

HTML編集またはノーコードでの自由なレイアウト調整が可能か。ブランドトーンに合わせたメール作成に役立ちます。

 

自社に合ったツール選定のポイント

選定時は、機能の豊富さだけでなく、自社の規模や運用体制に合った使いやすさやコスト感も重視しましょう。

Shopifyを使っている場合

KlaviyoRecustomerShopify Flow など、Shopifyとの連携性が高いツールを選ぶと導入・設定がスムーズです。

 

初めてマーケティング自動化をする場合

→ 操作が直感的でテンプレートも豊富な MailchimpRecustomer がおすすめ。

 

本格的なメール施策に取り組みたい場合

→ セグメント配信・ABテスト・データ分析に強い Klaviyo が適しています。

 

カゴ落ちメール運用時の注意点

 

カゴ落ちメールは自動で売上を回収できる非常に有効な施策ですが、運用の仕方によっては逆効果になる可能性もあります。
ここでは、運用時に注意すべき3つのポイントを解説します。

 

配信頻度のバランスと迷惑メール対策

送信しすぎは逆効果です。ユーザーが「しつこい」「売り込みが強すぎる」と感じれば、開封されるどころか迷惑メールとして扱われ、ドメイン全体の信頼性にも影響する可能性があります。

 

対策のポイント

  • カゴ落ちメールは 最大3通程度まで にとどめる
  • 配信間隔は「数時間〜数日」に分散させる(例:3時間後・24時間後・3日後)
  • 配信停止リンクを明示的に表示し、ユーザーの選択権を尊重する

 

メール開封されない原因と改善策

開封されなければ、どれだけ内容が良くても効果は得られません。開封されない原因は、主に件名や差出人情報の設計ミスにあります。

 

よくある原因

  • 件名がわかりづらい・魅力がない
  • スパム的な表現(全角記号、過剰な煽り)
  • 差出人名が不明・信頼性に欠ける

改善策

  • 「○○様、カートに商品が残っています」など、名前入り・目的明確な件名が効果的
  • 差出人名は「ブランド名+ショップ名」など、ユーザーが見慣れている表記に統一
  • 定期的に ABテストで件名の開封率を検証・改善

 

パーソナライズ過多・過剰なセール訴求への注意

名前や閲覧履歴などを活用したパーソナライズは効果的ですが、やりすぎると「監視されている」と感じさせてしまうリスクがあります。

また、毎回のように割引クーポンを付けると、ユーザーが「待てば値下げされる」と学習してしまい、通常購入が減るケースも。

 

対策のポイント

  • パーソナライズは 「名前+カート情報」程度にとどめる
  • クーポン提供は 初回メールでは使わず、2通目以降に限定して使う
  • 一貫性のある価格設計と販促ルールを設ける

 

まとめ

 

カゴ落ちはECサイトにおける自然な現象ですが、そのまま放置すれば売上の大きな取りこぼしにつながります。
しかし、カゴ落ちメールを適切に活用すれば、放棄されたカートからの売上回収や顧客とのエンゲージメント向上に大きく貢献できます。

成功のポイントは、

  • ユーザー心理に合わせたタイミング・内容での配信

  • 使いやすいツールの導入と継続的な検証・改善

  • 過剰な訴求を避けた誠実なコミュニケーション設計

購入直前まで来ていた顧客に、もう一度チャンスを与える施策としての「カゴ落ちメール」は、今日からでも取り組む価値があります。
売上改善・CX向上の第一歩として、ぜひ自社でも導入を検討してみてください。

 



あなたのブランドに、特別な購入体験を